見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

蘭州・寧夏から内蒙古2010【9日目】包頭→フフホト

2010-08-27 02:34:01 | ■中国・台湾旅行
■美岱召(びだいしょう)

 包頭市の東方、フフホト市に向かう途中にある明代創建の寺院。日本ではあまり情報がなかったが、行ってみると、明代らしい大らかな古建築、素晴らしい壁画も残っていた。すぐそばに内蒙古農業大学(?)の分校キャンパスがあって、ガイドの徳さんは「私は大学卒業後、ここに日本語を教えにきていました」としきりに懐かしがる。



■白塔

 午後、フフホト市に到着。八角七層の遼代の白塔(万部華厳経塔)を見に行く。下層の外壁には天王像か金剛力士像らしき装飾が見られるが、頭部の破損が激しい。内部に入ってもいいというので、持参の懐中電灯をたよりに入っていくと、内壁にさまざまな墨書が残っている。嘘かホントか「至元」「至正」などの年号もあって、興奮!

(至元:元成祖1264-1294年か、元順帝1335-1340年?)


(至正四年:元順帝1344年?)


(時代不詳のトラの絵も)


 次の博物館の時間が気になって、慌てて下りていくと、白塔の管理人のおじさん(昼間から酒臭い)とガイドさんがすっかり意気投合中。運転手さんは、管理人のおじさんから畑のトマトとトウモロコシを貰って車に積み込んでいる。なんともフリーダムな人々。

■内蒙古博物院

 このツアー、博物館を訪ねるたびに「デカい、きれい、新しい」を繰り返してきたが、その決定打のような博物館だった。規模に関しては、ロンドンのブリティッシュ・ライブラリーを見たときの衝撃に匹敵する。2007年竣工、2009年開館。規模はデカいが、洗練されて繊細なデザインは日本人っぽいなと感じたとおり、調べてみたら安井設計事務所と大島設計(大島弘資)が共同設計したものだという。2009年度の「日本建築家協会優秀建築選200選」にも選ばれている。



 古代からの歴史文物に加え、近現代のアーカイブズ資料(抗日戦争の資料だったりするのだが、プロパガンダ風味が希薄で客観的なので、けっこう楽しめる)、恐竜、宇宙開発など、科学博物館の要素も持っている。おそらく、これまでの中国の技術では展示が難しかったと思われる布製品がたくさんあって、興味深かった。また、さまざまな民族が興亡を繰り返す、内蒙古の複雑な歴史を、人形を使ったジオラマで分かりやすく展示していたのも楽しめた。バチバチ写真を撮ってしまった。上海博物館所蔵の陶磁器展は別料金を徴収していたが、自館所蔵資料による『元代文物精品特展(特別展)』は、素晴らしい内容にもかかわらず、無料。すごいな~。本気で中国人民が羨ましい。

(9/4)
コメント
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