付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「ワイルド7」 望月三起也

2011-02-25 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
 私らの世代あたりまでは説明不要のアクション・コミックの金字塔。ひとことでいえば「悪党を(逮捕ではなく)退治する警察の話」。
 初めて読んだのは小学校の1年生くらいの頃。家の改築工事で来ていた職人さんたちが、この第1部総集編を読み捨てていったのを読んだのでした。

 毒をもって毒を制す、悪党をもって悪党を制す。調書捏造とか自白強要が明るみに出ている今のご時世からみれば、とんでもない話ではありますが、裁判で通用する証拠がないために明らかな極悪人をのさばらせておくくらいなら、いっそ消してしまえと言い出したのが、末は警視総監かと将来を嘱望されていた若きエリート草波勝。
 そんな危ないことを言い出して、出世街道から消えてしまった草波が、いつの間にかヤクザやらテロリストやらから手駒に出来そうな悪党を集めてしまい、こっそりワイルド7などという超法規的警察機関を作り出してしまったのでした。
 どいつもこいつも一騎当千の悪党ながら、そのメンバーの階級は(これより上の階級は警視監と警視総監だけという)警視長。全員が白バイ警官ながら、そのバイクはバックもできるし、ロケットランチャーは装備しているし……という言語道断の組織だった……。

 草波司令がいちばんの悪党というのは衆目の一致するところ。採用テストで候補者を殺しまくるし、部下を平気で使い捨てるし、本シリーズ最終回に至っては真夏に雪が降って終わりというひどいエンディング。
 さすが草波
 おれたちにできないことを平然とやってのけるッ
 そこにシビれる!あこがれるゥ!
……って、ところでしょうか。

【ワイルド7】【望月三起也】【少年キング】
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「青春ラリアット!!」 蝉川タカマル

2011-02-25 | 学園小説(不思議や超科学なし)
「つい、カッとなってやりました。反省はしていません」
 腹黒で裏表の差が激しいヒロイン・長瀬瑞希の言葉。

 レスラーばりのマイクコールで全校生徒の前で公開告白をしたあげく失恋してしまった月島薫は、そのまま停学処分に。
 そんな月島を見舞おうと向かった、友人の宮本圭太をつける影があった。月島に恋する美少女、長瀬であった……。

 特に思い当たる作品はないけれど、ストーリー的にはララデラとかプリンセスとかの少女マンガにあっても不思議がないような一編。基本は恋愛と友情の小説で、アンドリュー三上なんてキャラが引用されてしまって一部プロレス小説。
 ただ、『はたらく魔王さま!』の評価が高かったのと同じ理由で、この作品の評価は辛め。わざとではないとしても他人に迷惑をかけたときは謝り、なにかしてもらったら御礼をいう、こういうあたりまえのことを登場人物たちができない作品は読んでいてストレスが溜まるのです。ドタバタした感じでノリもいいので、気にならない人はならないでしょうけど、あれだけあからさまに悪口を言われ、迷惑をかけられ、わびのひとつもないのに、言われるがままにつきあうというのは、よほどの聖人君子でもなければキャラクターに説得力がありません。
 出番どころかセリフの1つもない陰の小学生ヒロイン、都子ちゃんが良い感じです。“郷里の姉ちゃん”と同じで、出番がなければ無いだけ萌えるタイプです。

【青春ラリアット!!】【蝉川タカマル】【すみ兵】【アントニオ猪木】【三角関係】【ヤのつく自由業】【大食い対決】【信じすぎ】
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