
“大厄のマタドール”秋鹿雅の言葉。
吹雪のスキー場で遭難してしまった佐藤と茉莉花。
レスキュー隊も出せない悪天候だが佐藤なら心配なかろうと著莪は言うが、佐藤と一緒だと『茉莉花は危ないかもしれない』とも……。
閉店間際のスーパーマーケットで半額弁当をめぐって死闘を繰り広げる狼たちの物語の9巻は、HP部・冬の合宿篇。物語はどこまでも熱い英雄譚となり、半額弁当は喩えようもない究極の美食と変わり、客観的に覚めた目で見れば馬鹿馬鹿しい話こそ、大まじめに正面から描かなくてはいけないという好見本です。
「奇跡ってのはな、半額シールと違って神様からもらうもんじゃない。人の力で、お前の手で、勝ち取るものだ」
企業戦士サラリーマン・レッドの言葉。そして彼は大人としての務めを果たす。
豚汁とおにぎりが美味しそうで、読んでいていつも以上にお腹が減って仕方がありません。
食べる物が本当に美味しそうで、狼たちの戦いはひたすらに激しく、白粉は腐りきっていて、鎗水先輩は一生懸命に先輩であろうとしていてなりきれず、著莪は佐藤を掌で弄び、白梅さんはこと佐藤に対しては傍若無人で、SEGAのゲームにはただ懐古と希望に彩られた栄光があり、石岡くんたちとの愚かしくもゲスな過去の日々があり、佐藤家の両親はどこまでもろくでなし……であってこその『ベン・トー』。これらの要素のどれか1つでも欠けていると物足りないですよね。
槍水先輩が佐藤の家族の話をてんで信じていないのは残念だけれど、茉莉花の存在感が巻ごとに上がってきて著莪ピンチ。きっとどこかで邪神覚醒の危機ですよ。
【ベン・トー9】【おかずたっぷり!具だくさん!香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円】【アサウラ】【柴乃櫂人】【スーパーダッシュ文庫】】【庶民派シリアスギャグアクション】【サラマンダー】【氷結の魔女】【ギリー・ドゥー】【カペルスウェイト】【天上の蜘蛛】【大顎】【東北のカナリア】【企業戦士サラリーマン】【焼きかに飯弁当】【カップヌードル】【豚汁】【エコバッグ】【間接キス】【ポケットモンスター】【ロリはやめとけ】