付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「きゃんでぃっど」 小幡休彌

2012-07-19 | 学園小説(不思議や超科学なし)
 高校入学で幼馴染みの環と再会した御調子者の乙羽は、彼女の影響でカメラを始めることにするのだが、環の制止を振り切って購入したのはオールドスタイルの銀塩カメラだった。
 撮ってもすぐに確認できない、ピントや露出の調整に苦労する、フィルム代や現像代がバカにならないと今さら嘆く乙羽たちに、担任教師から休部中の写真部を再開させないかという話が持ち込まれ……。

「どれほどこんこんと理を説いても、しょせんバカに理屈は通じないのだ」
 環が思い知った、人生の真実。

 ゆるゆるガールズ・サークル小説。いろいろなりゆきとか巻き込まれで部員が増えていくのもお約束。
 自分も銀塩カメラを使っていたけれど、記録として使うことが多かったので必然的にデジタルカメラに移行しました。一度っきりのイベントで撮影に失敗したら取り直しはできませんから、1枚欲しいだけでも10枚100枚と撮影し、その中からいちばんマシなのを使ってもらうのが素人カメラマン。とてもフィルムを10本100本とは使えないし、かといって1発でベストショットが撮れるような神ではありません。
 データ保存には確かに環の言うような不安はありますが、データをこまめに複数媒体でバックアップをとるのも、ネガやプリントをきちんと整理して保存するのも同じことなんですけどね。

 乙羽と環の主役2人がボケとツッコミで、さらにボケにいじられる生真面目美少女や自己陶酔型お嬢さまが配置され、緩衝用に“基本そこにいるだけ”なんだけれどつつかれると何か出てくるのがいて、なかなか愉しいサークルです。顧問のダメさ加減がボケとタメを張るのも良し。
 息をするようにシャッターを押すカメラ少女は出てきませんか? まだ写真を撮る側は2人だけですが、報道記録とか、ポートレイトとか、静物とか、モータースポーツとか、動物とか、対象はいろいろあるので、続編があるなら被写体の違いによるエピソードもはさんでくれると嬉しいですね。

【きゃんでぃっど】【乙女とカメラと地獄突き】【小幡休彌】【飯塚晴子】【一迅社文庫】【写真部】【カメラ少女たちが繰り広げるガールズコメディ】【豆乳】
コメント
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