「戦うヒロイン」の派生ではあるし、その者たちをメードでも小間使でもお手伝いさんでも、なんと呼んでもいいけれど、いったいいつから女性使用人は戦う存在になってしまったのでしょう。
もともとお金持ちや王侯貴族の召使は数も多く、分業されているのが常。一方、そこまでお金のないそこそこ裕福な人たちの雇う召使は、少人数で何でもやらされるのがあたりまえ。ただ、その「なんでもできる使用人」の“なんでも”に、家事一切合切から大企業の秘書的役割から戦闘まで含まれるようになってしまったのはいつからなのでしょうか。
老舗の若旦那と先代から使えている番頭では、番頭の方が商売が巧いとか人望があるというのはよくある話ですし、いろいろな物語で、主人より使用人の方が冷静だとか有能だとかはよくある話です。
『ドン・キホーテ』のサンチョ・パンサのようにヒーロー気分の主人に対して冷静なツッコミ・フォロー役はいましたし、『三銃士』などでも銃士の従者が戦闘でもそれなりに助手を務める姿はありました。
ただ、最近は十徳ナイフじゃあるまいし、万能執事/万能ねえやの出番が増えてきました。そこまでオールマイティに優秀なら自分が主人になれよ!と思わないでもありません……。
★万能ねえやの系譜
1972
「家族八景」 筒井康隆
住み込みのお手伝いさんはテレパス。
1975
「超少女明日香」 和田慎二
スーパーお手伝いさんは自然の敵と戦う超能力者。
1991
「スレイヤーズすぺしゃる」 神坂一
ウェイトレスの故郷の姉ちゃんは、上級魔族くらいなら笑いながらド突き回す。絵的には明日香の系統。
1993
※メイド姿のヒロインが戦うパソコンゲーム『ヴァリアブル・ジオ』発売。
1998
「サライ」 柴田昌弘
メイド協会の護衛メイドは文明が崩壊した世界を再建すべく戦う。
2000
「薬師寺涼子の怪奇事件簿~巴里・妖都変」 田中芳樹
薬師寺家のメイドは銃撃戦でも電子戦でも対応可能。
2001
※メイド喫茶「キュアメイドカフェ」オープン。
2002
「ブラック・ラグーン Rasta Blasta」 広江礼威
メイド長は殺戮マシーン。
「まぶらほ~メイドの巻」 築地俊彦
メイドさんはハウスキーピングから白兵戦闘・戦車戦まで万能。
※森薫のコミック『エマ』がヒット。
2004
「あそびにいくヨ!2」 神野オキナ
お嬢さまを守るメイドたちは百戦錬磨の戦闘のプロ。
「お・り・が・み」 林トモアキ
メイドさんは魔王だったり改造人間だったりのフルバトルメイド。
2004
「救出ミッション、始動!」 マイク・シェパード
メイドさんはニードルガンやプロテクトアーマーまで用意している。(邦訳は2011)
2006
「メイド刑事」 早見裕司
住み込みメイドの正体は潜入捜査のメイド刑事。
2007
「血闘絶対国防圏」 吉田親司
その天体観測船のような仮装巡洋艦は乗員の99%がメイドだった。
2010
「ごくペン!(2)」 三原みつき
傭兵あがりの金髪メイド・エリザベス登場。
「十三番目のアリス(2)」 伏見つかさ
大食いのドジっこメイドは殺戮人形だった。
「竜と勇者と可愛げのない私」 志村一矢
勇者のパーティーは、勇者+魔術師+メイド。
「A=宇宙少女2×魂の速度」 日野一二三
地上最強のメイド。
2011
「旅する少女と灼熱の国」 藤原征矢
やたら強いメイドさんが場違いな内戦の熱帯を旅する。
「白翼のリンケージ」 赤井紅介
暴力メイド喫茶のメイドさんたちは異形の者と戦うのが本当の仕事。
「不完全神性機関イリス」 細音啓
拾ってきたダメ家政婦アンドロイドは軍の最終兵器だった。
「キャットテイル・アウトプット!2」 神野オキナ
メイドさんは無敵。
★万能執事……というかセバスチャンの系譜
1974
アニメ「アルプスの少女ハイジ」が大ヒット。フランクフルトのゼーゼマン家の描写を通じて日本の庶民にヨーロッパのお金持ちの生活はこういうものだと知らしめた。まだ馴染みのない世界ゆえ、家政婦長のロッテンマイヤーが「執事」と呼ばれたが、男性使用人の筆頭がセバスチャン。以後、セバスチャンが男性使用人の代名詞となるが、善良ではあるが決して有能ではない。
1978
アニメ「無敵鋼人ダイターン3」に登場する執事ギャリソン時田は、常に正装で沈着冷静でありながら、午後のお茶の用意からメカの整備、戦闘までなんなくこなす。以後の万能執事すべてのアーキテクチャとなる。
1997
パソコンゲーム「To Heart」にて、 来栖川家の執事としてセバスチャン登場。本名は長瀬だがセバスチャンと呼ばれ、格闘技に秀で、主人公を一喝するインパクトの大きなサブキャラである。
2002
コミック「戦う!セバスチャン」刊行開始。デーデマン家の執事セバスチャンはフラン◯フルト最強。
2006
コミック『黒執事』の主役は悪魔で執事のセバスチャン。
日本の一般的な人々が普通に海外旅行へ行けるようになったのは、やっと1970年代。それも一念発起の新婚旅行でハワイへというレベルで、気軽にほいほいと行けるようになったのは1980年代後半の円高以降。
国民的アニメとなったハイジの影響は大きいと思うなあ……。
もともとお金持ちや王侯貴族の召使は数も多く、分業されているのが常。一方、そこまでお金のないそこそこ裕福な人たちの雇う召使は、少人数で何でもやらされるのがあたりまえ。ただ、その「なんでもできる使用人」の“なんでも”に、家事一切合切から大企業の秘書的役割から戦闘まで含まれるようになってしまったのはいつからなのでしょうか。
老舗の若旦那と先代から使えている番頭では、番頭の方が商売が巧いとか人望があるというのはよくある話ですし、いろいろな物語で、主人より使用人の方が冷静だとか有能だとかはよくある話です。
『ドン・キホーテ』のサンチョ・パンサのようにヒーロー気分の主人に対して冷静なツッコミ・フォロー役はいましたし、『三銃士』などでも銃士の従者が戦闘でもそれなりに助手を務める姿はありました。
ただ、最近は十徳ナイフじゃあるまいし、万能執事/万能ねえやの出番が増えてきました。そこまでオールマイティに優秀なら自分が主人になれよ!と思わないでもありません……。
★万能ねえやの系譜
1972
「家族八景」 筒井康隆
住み込みのお手伝いさんはテレパス。
1975
「超少女明日香」 和田慎二
スーパーお手伝いさんは自然の敵と戦う超能力者。
1991
「スレイヤーズすぺしゃる」 神坂一
ウェイトレスの故郷の姉ちゃんは、上級魔族くらいなら笑いながらド突き回す。絵的には明日香の系統。
1993
※メイド姿のヒロインが戦うパソコンゲーム『ヴァリアブル・ジオ』発売。
1998
「サライ」 柴田昌弘
メイド協会の護衛メイドは文明が崩壊した世界を再建すべく戦う。
2000
「薬師寺涼子の怪奇事件簿~巴里・妖都変」 田中芳樹
薬師寺家のメイドは銃撃戦でも電子戦でも対応可能。
2001
※メイド喫茶「キュアメイドカフェ」オープン。
2002
「ブラック・ラグーン Rasta Blasta」 広江礼威
メイド長は殺戮マシーン。
「まぶらほ~メイドの巻」 築地俊彦
メイドさんはハウスキーピングから白兵戦闘・戦車戦まで万能。
※森薫のコミック『エマ』がヒット。
2004
「あそびにいくヨ!2」 神野オキナ
お嬢さまを守るメイドたちは百戦錬磨の戦闘のプロ。
「お・り・が・み」 林トモアキ
メイドさんは魔王だったり改造人間だったりのフルバトルメイド。
2004
「救出ミッション、始動!」 マイク・シェパード
メイドさんはニードルガンやプロテクトアーマーまで用意している。(邦訳は2011)
2006
「メイド刑事」 早見裕司
住み込みメイドの正体は潜入捜査のメイド刑事。
2007
「血闘絶対国防圏」 吉田親司
その天体観測船のような仮装巡洋艦は乗員の99%がメイドだった。
2010
「ごくペン!(2)」 三原みつき
傭兵あがりの金髪メイド・エリザベス登場。
「十三番目のアリス(2)」 伏見つかさ
大食いのドジっこメイドは殺戮人形だった。
「竜と勇者と可愛げのない私」 志村一矢
勇者のパーティーは、勇者+魔術師+メイド。
「A=宇宙少女2×魂の速度」 日野一二三
地上最強のメイド。
2011
「旅する少女と灼熱の国」 藤原征矢
やたら強いメイドさんが場違いな内戦の熱帯を旅する。
「白翼のリンケージ」 赤井紅介
暴力メイド喫茶のメイドさんたちは異形の者と戦うのが本当の仕事。
「不完全神性機関イリス」 細音啓
拾ってきたダメ家政婦アンドロイドは軍の最終兵器だった。
「キャットテイル・アウトプット!2」 神野オキナ
メイドさんは無敵。
★万能執事……というかセバスチャンの系譜
1974
アニメ「アルプスの少女ハイジ」が大ヒット。フランクフルトのゼーゼマン家の描写を通じて日本の庶民にヨーロッパのお金持ちの生活はこういうものだと知らしめた。まだ馴染みのない世界ゆえ、家政婦長のロッテンマイヤーが「執事」と呼ばれたが、男性使用人の筆頭がセバスチャン。以後、セバスチャンが男性使用人の代名詞となるが、善良ではあるが決して有能ではない。
1978
アニメ「無敵鋼人ダイターン3」に登場する執事ギャリソン時田は、常に正装で沈着冷静でありながら、午後のお茶の用意からメカの整備、戦闘までなんなくこなす。以後の万能執事すべてのアーキテクチャとなる。
1997
パソコンゲーム「To Heart」にて、 来栖川家の執事としてセバスチャン登場。本名は長瀬だがセバスチャンと呼ばれ、格闘技に秀で、主人公を一喝するインパクトの大きなサブキャラである。
2002
コミック「戦う!セバスチャン」刊行開始。デーデマン家の執事セバスチャンはフラン◯フルト最強。
2006
コミック『黒執事』の主役は悪魔で執事のセバスチャン。
日本の一般的な人々が普通に海外旅行へ行けるようになったのは、やっと1970年代。それも一念発起の新婚旅行でハワイへというレベルで、気軽にほいほいと行けるようになったのは1980年代後半の円高以降。
国民的アニメとなったハイジの影響は大きいと思うなあ……。