付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「ふたりの距離の概算」 米澤穂信

2012-07-25 | 学園小説(ミステリ)
 無駄な努力はしたくない省エネタイプの主人公が身近な謎を解いていく、古典部シリーズの第5作。

『回避は好きだし省略は大好きだ。しかし先延ばしは好きではない。厄介事を見て見ぬふりをしても、いずれやらねばならない処理がより厄介になるだけだ……』
 うちの子供にも言い聞かせたい、折木奉太郎の判断基準。

 古典部にも1年生が入部した。
 仮入部ではあったけれど、このままうまくいきそうだったのに、あるとき突然に入部しないと言い出した……。

 表紙はいつもの写真加工版とアニメ版のリバーシブルで、最初から買っていた人もアニメ化に合わせて読み始めた人にも優しい表紙です。謎のおねえさんも帰宅。ストーリーにまったく貢献しない名探偵ぶりを披露してくれます。それ、どうして解ったんですか?
 ほぼマラソン大会の中だけの話で、それまでの経緯はすべて回想。珍しく積極的だなと思ったけれど、最後の突き放しぶりはさすがは省エネ男と感心。

【ふたりの距離の概算】【米澤穂信】【西屋太志】【角川文庫】【古典部】【目からビーム】【朔太郎】【誕生会】
コメント
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