付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「アデスカを吹く冷たい風」 トマス・フラナガン

2012-11-14 | ミステリー・推理小説
「論理と暴力。このふたつが結びついたあかつき、この世に、不可能なことは考えられぬ。革命すら成就するだろう」
 テナント少佐の言葉。

 ここは<共和国>。
 欧州にある小さな国で、かつては王制で、第二次大戦後の内戦で共和制になり、今は<将軍>の治める国。人々が窮乏で、いまだ苦しみ続ける国。
 テナント少佐という男は、そんな国で憲兵隊として法の正しい執行に挑戦し続けていた……。

 テナント少佐を主人公とした短編4本とその他3本からなる短編集。
 独裁者による軍政下で、組織としての立前に従い、ルールから逸れることなく、かつ独裁者の機嫌を損ねることなく、それでも己の良心に従って行動しようとする無頼派警官の物語。

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