複数の平行世界を管理する時間警察にも失敗はある。時間移送フィールドの事故で、1人の未開人が別時間線の世界へ紛れ込んでしまったのだ。万が一にも平行世界の秘密が漏れることがあってはならないと、時間警察はその男の捜索を開始した。
その頃、籠城した凶悪犯の包囲に加わっていたはずのペンシルヴァニア州警のカルヴィン・モリス巡査部長は、自分がいつの間にか剣と銃の乱戦が続く見知らぬ世界にいることに気づいていて……。
ラノベっぽい、昔のSF発掘してます。
「修道院、市役所、国会、閣議室で起こることはすべて重要なことであったが、そのどれひとつとっても戦場で批准されるまでは実施されたためしがない」
プリンストン大学で歴史学の教授は、神学生だったモリスに歴史における軍事面を強調した。
平凡な一警察官が異世界に飛ばされ、そこで生き残るだけではなく、ボヘミアの伍長を飛び越す出世をし、軍事技術から戦術戦略までに新機軸をもたらし、第五列を構築する一方で防諜体制を整え、階級制度を整備し、憲兵を生み出し……となんでもかんでもやらなくてはいけなくなったときに、なんとか対応することができたのは、徴兵で朝鮮戦争に参加した経験も大きかっただろうけれど、この指導方向を大きく間違えていた教授のおかげもかなり有ります。
異世界に転移してしまい、そこで現代社会での知識や経験でのし上がって美女と権力を手に入れる話。
今までとは異なる世界を訪問したとき、もとの世界では取るに足らない技術や知識が大きな影響力を持つことがあるというのは、(ライターで火が付いたとか日蝕を予言したとか)ファンタジーや未開部族の探訪記での定番の1つだし、最近のライトノベルでは、ゲーム世界が現実化して遊びでやっていたゲームのキャラクターが自分の本物の肉体になってしまい、剣技でも魔法でもチート状態……というのが増えてます。
ただ、モリス巡査部長彼が偉かったのは、現地の人々に知識を伝え指導するにあたって彼らが間違えそうな部分を可能な限り予想して排除することに成功した点。独創性はないけれど、実現力があったのですね。
ついでに日本のラノベとの相違点である「食」について。
『食事はハムにジャガイモに、そして豆料理だった』
あとは薄切りのトウモロコシパンというのが農民の食事。負傷後の朝食はトウモロコシ粥。チーズやソーセージは存在していて、みんなワインの味にはこだわり、主人公は「蒸溜」技術を導入してウイスキーを作ってやりたいとは思うけれど、ホットドッグを発明しようとは思わないのでした。(2012/09/09 2015/03/12改稿)
【異世界の帝王】【H・ビーム・パイパー】【村山潤一】【ハヤカワ文庫SF】【平行時間警察】【戦争の技術】【迷宮入り】【砲耳】【火薬】【女は強し】
その頃、籠城した凶悪犯の包囲に加わっていたはずのペンシルヴァニア州警のカルヴィン・モリス巡査部長は、自分がいつの間にか剣と銃の乱戦が続く見知らぬ世界にいることに気づいていて……。
ラノベっぽい、昔のSF発掘してます。
「修道院、市役所、国会、閣議室で起こることはすべて重要なことであったが、そのどれひとつとっても戦場で批准されるまでは実施されたためしがない」
プリンストン大学で歴史学の教授は、神学生だったモリスに歴史における軍事面を強調した。
平凡な一警察官が異世界に飛ばされ、そこで生き残るだけではなく、ボヘミアの伍長を飛び越す出世をし、軍事技術から戦術戦略までに新機軸をもたらし、第五列を構築する一方で防諜体制を整え、階級制度を整備し、憲兵を生み出し……となんでもかんでもやらなくてはいけなくなったときに、なんとか対応することができたのは、徴兵で朝鮮戦争に参加した経験も大きかっただろうけれど、この指導方向を大きく間違えていた教授のおかげもかなり有ります。
異世界に転移してしまい、そこで現代社会での知識や経験でのし上がって美女と権力を手に入れる話。
今までとは異なる世界を訪問したとき、もとの世界では取るに足らない技術や知識が大きな影響力を持つことがあるというのは、(ライターで火が付いたとか日蝕を予言したとか)ファンタジーや未開部族の探訪記での定番の1つだし、最近のライトノベルでは、ゲーム世界が現実化して遊びでやっていたゲームのキャラクターが自分の本物の肉体になってしまい、剣技でも魔法でもチート状態……というのが増えてます。
ただ、モリス巡査部長彼が偉かったのは、現地の人々に知識を伝え指導するにあたって彼らが間違えそうな部分を可能な限り予想して排除することに成功した点。独創性はないけれど、実現力があったのですね。
ついでに日本のラノベとの相違点である「食」について。
『食事はハムにジャガイモに、そして豆料理だった』
あとは薄切りのトウモロコシパンというのが農民の食事。負傷後の朝食はトウモロコシ粥。チーズやソーセージは存在していて、みんなワインの味にはこだわり、主人公は「蒸溜」技術を導入してウイスキーを作ってやりたいとは思うけれど、ホットドッグを発明しようとは思わないのでした。(2012/09/09 2015/03/12改稿)
【異世界の帝王】【H・ビーム・パイパー】【村山潤一】【ハヤカワ文庫SF】【平行時間警察】【戦争の技術】【迷宮入り】【砲耳】【火薬】【女は強し】