付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「すぐそこの遠い場所」 クラフト・エヴィング商會

2015-03-07 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
「この事典はね。見るたびに中身が変わってゆくのだよ」

 クラフト・エヴィング商会の三代目が書棚の隅から見つけてきた書物は、先代の祖父・吉田伝次郎が残した「アゾット事典」。
 そこでは人々は夜ごとにガルガンチュワの涙という蒸留酒を飲み、遊星オペラ劇場に出かけたり、雲母でできた本を読んだりするという……。

 これを読んで思い出したのは、ミロラド・パヴィチの『ハザール事典』。こちらはいつの間にか世界史から姿を消したパザール族に関するエピソードや物語を集めた事典というものでしたが、これはそのアゾット版。

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