付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「弓と剣 I」 淳A

2016-10-02 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
 表紙イラストを見て、夫婦そろってびっくり。いや、イメージがあまりに違うんで。
 帯の表では「俺達が作ろう、新しい時代を」とか「王道ハイファンタジー」とかあるけど、ちょっとフカしすぎ。これも裏の方がまだ内容に近いよね。都築和彦がイラストの「無責任艦長タイラー」と思って手に取ったら、加藤直之イラストの「銀河英雄伝説」だった……くらいのインパクトの差。きっと世間的なイメージの錦絵なんだろうねえ(個人的には青池保子くらいのイメージでした)。

 稀代の剣士と謳われる〈北の猛虎〉リイ・タケオに憧れた貴族のおちこぼれ三男、サダ・ヴィジャヤンは従者トビだけを供にして北の駐屯地へと向かっていた。リイが所属する北軍に入隊するためだ。
 その馬車をオークの群が襲った。
 本来なら完全武装の兵士50人で立ち向かうべき相手だったが、サダはたった1人、手にした弓で次々に仕留めていく。それはまさに神技であり、〈六頭殺しの若〉の伝説が、「弓と剣」伝説が生まれた瞬間であった……。

 青年貴族と平民上がりの戦士が繰り広げる本格ファンタジーという看板だけれど、自分が思うには、素直で天然で自己評価の低すぎる主人公と、一見強面だけれど実は甘党で照れ屋の男を中心に繰り広げられる、ドタバタ辺境日記。銀英伝でいうなら「ユリアンのイゼルローン日記」だね。壮大な物語が動いているのだけれど、貴族から庶民まで、将軍から兵卒まで、さまざまな人々の視点から騙られる勘違い系ヒロイック・コメディー。
 なので、やっぱりイラストに違和感あるなあ。

【弓と剣 I】【淳A】【暁杯あきら】【TOブックス】【とある兵士たちの想いと絆の王道ハイファンタジー】【小説家になろう】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする