付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「ゴブリンスレイヤー2」 蝸牛くも

2016-10-12 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「力がなくてなんもしなかった奴が、力を手に入れた途端になんかできると思ったか!」
 まず、やるかやらないかであり、成否とか生死とかはそれからだ。

 ゴブリンスレイヤーは女神官や森人弓手、鉱人道士、蜥蜴僧侶に声をかけ、水の街へと出てきていた。
 彼がわざわざ辺境を離れた理由はただ1つ。
「決まっているだろう。ゴブリン退治だ」
 水の街の地下水道が迷宮ともいえる規模なのだが、最近、ゴブリンらしい怪物が出没しているのだという。
 勇者や軍隊は邪教団相手や国境紛争に忙しく、ゴブリンは1対1なら初心者冒険者でも勝てない相手ではない。一般市民もまだまだ他人事と騒ぎになるほどではなかったけれど、小鬼の跳梁に怯える者は確かにいたのだ……。
「ゴブリンどもは、皆殺しだ」

 ゴブリン退治を専門とする冒険者の冒険譚。ゴブリンは確かに弱いけれど、数は多いし、すぐに増えるし、経験を積めば賢くもなるしと微妙に厄介な相手です。一般市民にとっては、出会ったら殺されてしまうという意味ではドラゴンもゴブリンも変わりません。邪教団の陰謀とか大事件はあるけれど、それは幕間の舞台裏で勇者がサクサクッと片付けている模様です。
 やっていることは地味だけれど、当事者にとっては命がけ。でもファファード&グレイマウザーよりはドラゴンランス寄りの話。エルフ・ドワーフ・ホビットといわず、森人・鉱人・圃人とあえて書いているけれど、魔法が1日2回か3回撃てれば上出来とか、善と悪・秩序と混沌とか、まさにD&D的初期TRPGの空気で書かれた王道ファンタジー。 

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