全面核戦争で地上は崩壊した。それでも命は生まれ、恋をし、戦い、政治する。
だが、セルフ・クラフト世界では謎の消滅事件が勃発するようになり、ついに民主主義寺院の総本山ギャクキョウまでが消滅してしまう。
手がかりを求めるミンドンは寺人のエミカと共に、世界崩壊を阻止する手がかりを求めて人間の領域へと足を踏み入れ、そこで神殿の巫女と出会う。
「なるほど、人類が滅んでも民主主義は生き残ったか」
巫女ダームはミンドンとの対話から、黒野の残したものを見つけ、自分たちが幽霊に過ぎないことを自覚する……。
表紙イラストはアソ山栄光の民主主義寺院のミンドン師と、その寺人のエミカ。ミンドン師は帯で八割方隠れてますが、怪獣王子みたいですね。
「よくできたゲームは、異世界と変わりがありません」
仮想現実を軸に、人類の終焉と壮大なる未来史を描いたＳＦ。
前回のあのヒキで、３巻完結出来るのか!?と思ったけれど無事完結。この文明の興亡と三角関係、核戦争によって滅びつつある人類社会のサバイバルと記憶を継承する竜の世界の道中記と、上下左右に緩急つけて振りまくりながら、やたらテンポの良いストーリー展開は、最近のＳＦにはあまり見なかったもの。
ブライアン・オールディスとかハリイ・ハリスンを足したみたいな不思議な空気なんだけれど、ヒロインとか登場人物の言動がやっぱりいつもの芝村節で、なんか安心しちゃうんだよね。これならなんとかなりそうって。悲壮なのに何故か明るいんだよね。
【セルフ・クラフト・ワールド03】【芝村裕吏】【toi8】【ハヤカワ文庫】【世界最高の熊本弁ファンタジーＳＦ】【公設秘書】【民主主義】【翼ｐ】【ＧＥＮＺ】【まめたん】【ワサビ】【カトー大王】【特殊性癖】【伊藤夫妻】【生態系】【ゲームシステム】【生存権】
