「主夫部」 藤原マキシ

　不在がちな両親の代わりに家事や２人の妹の世話をしている高校生、篠岡塞の将来の希望は専業主夫。
　妹たちの世話をして料理を作ることも、炊事洗濯だって苦ではないし、専業主夫だって、大事な、人に誇れる職業だ。でも、学校としては進路指導で男子にそんなことを認めるわけにはいかないらしく、一蹴されてしまう。
　そこで、塞は、校内で同じ志を持つ仲間を集め「主夫部」を立ち上げた。校内で困っている女子を助ける活動をしながら、部員個々の家事の能力を磨いていこうというのだ……。

　職業に貴賎はないし、能力に差がないなら男女で区別しちゃいけないという、あたりまえの話に正面から挑んだ、女子寮を舞台にしたボーイ・ミーツ・ガールな学園コメディ。あの２人の妹が可愛くも恐ろしい台風の目になっているのも一興。梁山泊ものに分類されるかもしれません。３３２話完結。
　集まった面々がみんなそれぞれに得意分野が違うスペシャリストで、一方の女性陣がみんなそれぞれ一芸に秀でていながら家事能力には疑問が残るというあたりの組み合わせの妙。でも、靴屋のこびとさんは童話だから許されるのであって、犯罪と紙一重だよね。
　
【主夫部、いつか来るその日のために僕たちはセーラー服に全力でアイロンをかけてパリパリに仕上げる】【藤原マキシ】【小説家になろう】【カクヨム】