自宅の庭にいきなりダンジョンが出現した。つい足を踏み入れてしまった江副和彦だったが、それはトラップだった。誰かがダンジョンに進入することでシステムが起動し初め、「世界中に出現する666のダンジョンを10年以内に攻略しないと世界が滅亡する」というフラグが立ってしまったのだ。それがどこのダンジョンで、誰が最初になるかは関係ない。タイミングの問題だ。
しかし、自分が引き金を引いてしまったことを知ってしまった江副は、滅亡を阻止するためダンジョン攻略専門企業「株式会社ダンジョン・バスターズ」を立ち上げ、各国政府がダンジョン対策に動き出すのに先駆けて攻略準備を進めるのだが……。
一時期多かったですよね、自宅の中や庭やら裏山にダンジョンがいきなり出現する話。それで既得権益とか先行者利益やら初回特典やらで人より有利にダンジョン攻略できるというのがパターンですが、この話にはひとつ余分なものが加わってしまいました。「人類を滅びの危機にさらしてしまった」という罪悪感です。
この「自分がなんとかしなくちゃいけない」という責任感と「自分ならなんとかできるはずだ」という自負心がせめぎ合って形作られる、目的のためには手段を選ばない主人公の性格が、この作品を好きになれるかどうかのポイントです。彼を取り巻く、最強を目指す格闘家とか、カワイイもの好きの女子高生とか、コミケ常連のフリープログラマーとか登場人物たちは個性的。
魔物だって愛情を持って接すればわかり合えると無防備に近づく動物愛護派が酷い目に遭うのはお約束ですね。
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