付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「サモナーさんが行くVI」 ロッド

2020-10-18 | VRMMO・ゲーム世界
 召喚モンスターは13体となり、レベルアップもクラスチェンジも良好でますます強くなっているけれど、キースことサモナーさんが自ら先頭に立って戦っているのは今まで通り。
 そんなサモナーさんの悩みは、すぐに後続プレイヤーが追いついてきて、好きなだけ戦いを堪能しづらくなっていることだ……。

 本来、後衛であるはずのサモナーが先頭切って突っ込んで無双する不遇職最強ものの走りで、サモナーとかテイマーとかが活躍する話の先駆けともいうべき「サモナーさんが行く」も最新5巻の発売から3年近くなって、Amazon辺りでは全6冊扱いになってましたが(1巻が上下巻。オーバーラップとかときどきこういう訳の分からないことをする)、ついに6巻に到達です。
 ゲームプレイもののウェブ小説を書籍化する際、編集者が面倒くさいのかキャラデータとか掲示板とか本来横書き表示されているものを無理矢理縦書きで統一してしまい、それによって編集はしやすいかも知れないけれど、絵文字が崩れたり、やけに紙面が白くスカスカになって無駄にページをくったりしていますが、サモナーさんは違います。これがあるべき姿なんで、これができない編集者はゲームものに手を出しちゃダメです。
 話はいつものように、よくあるように、サモナーのくせに関節技が大好きで、日常生活を犠牲にしてまでプレイしているサモナーさんの冒険譚というか戦闘録。ただ、軽妙な語り口でテンポ良く進むのと、ゲームの背後でリアルの情勢が変化していく二本立ての構成なので飽きさせないのです。世に多いゲームプレイものがダレるのは、ゲーム世界だけで話が進む場合ですね。そもそもMMOとかゲームに明快な終わりがなくて当たり前なので、現実世界の話とかみ合わせないと話がだらだら続いて「俺たちのゲームはこれからだ!」エンドか「ゲームが寂れて打ち切られました」エンド、もしくはデスゲームからの解放エンドくらいになっちゃうんですよ。
 サモナーさんは果たしてウェブ版最終回に辿り着くのでしょうか。

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