「王族や大貴族という地位は義務でしかないのだと。たとえ能力があっても、その義務のせいでおかしくなる者がいる」ヴェンデリンは潰れてくれるなよとテレーゼ。
アキツシマ島平定の功績により、ヴェルは辺境伯に陞爵した。平定といっても有力諸侯から嫁を迎えて、子が生まれたら跡継ぎとして送り出す……という、いつものやり口だ。エラくなってもろくな事はない。
そんなとき、ヴェルは王都で王国との交渉のために来訪した、アーカート神聖帝国の皇帝であるペーターと再会をする。さまざまな交渉は簡単には進まないので、とりあえず「どこか遊びに連れて行って」と皇帝にお願いされるのだが、そこにヴェルこそは我が親友と、影の薄いヘルムート王国王太子ヴァルドが乱入する……。
ヴェルを巡ってペーターとヴァルドがさや当てをしあう回。けなげだなあ。空回りする好意と期待。
増殖する嫁は、もう貴族の必然というよりネタにしかなっていません。水戸黄門の印籠か、金さんの桜吹雪みたいなもので、とりあえず年頃の娘を嫁にして一件落着っ！がお約束です。必然性のある正攻法の解決策なんですけどね……。
ちなみに、足を出した状態でひっくり返るのは、八墓村ではなく犬神家です。校閲、仕事しよ？
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