付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「戦国一の職人 天野宗助」 白龍斎

2024-10-25 | 戦国転生・歴史改変
「どんな時も笑顔じゃ! 心に余裕のある女は強いぞ! 一手二手先を読み軍師となれ!」
 気弱で姑小姑にいびられるお先を鏡の中の自分が叱咤した。

 老後のセカンドライフを楽しみに資格取得や物作りを趣味にしていたサラリーマン天野宗助は、甥っ子を助けてトラックに轢かれ死んだ。
 目を覚ませば若返った身体で見知らぬ森の中におり、近くの村人に助けられた。どうやら戦国時代らしいが、地名も領主名にも聞き覚えが無い。パラレルワールドらしい。やりそこなったセカンドライフを実現しようと、山奥の廃村に庵を作り、刀を打ったり細工物を拵えたりとし始めたのだが、それが領主の月ヶ原義晴の目にとまった。
 彼の打った刀の鍔では竜が泳ぎ、酒を呑んでは精霊を見る。そんな不思議なものをあつらえる宗介を、義晴は余所の国に行かぬよう見守り続けるのだが、やはり彼の作った品物は行く先々で不思議な事件を巻き起こすのだ……。

 パラレルワールドの戦国時代でひっそりと暮らしているのんびり職人と切れ者領主の物語……という売りをしているけれど、実質は宗介の作ったアイテムが巻き起こす寓話劇で、人ではなく物が中心。宗介の手になる品が辿り着いた先では不思議なことが起こり、善人には吉事があり、悪人には報いが与えられるというライトタッチの怪異譚。
 連載時にはエピソード毎に語られていたウィキペディア引用は巻末に纏めて掲載。

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