付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「HELLO WORLD」 監督:伊藤智彦

2019-10-14 | 時間SF・次元・平行宇宙
「交際というのは、一人では成し得ないことです。
 ですから
 2人でやってみましょうか」

 笑顔の一行瑠璃。
 
 自分の決断に自信が持てないことがコンプレックスの堅書直実は、2027年の京都に住む読書好きの高校生。ある日不思議な三本足のカラスを追いかけた先で、未来から来た自分自身だと名乗る青年に出会った。
 この世界はアルタラと呼ばれるシミュレーターの中にある仮想世界に過ぎないと青年は言う。直実の恋人が3ヶ月後の花火大会の夜に落雷で死んでしまうから、それを阻止しろというのだ。
 しかし、直実には恋人なんかいない。その恋人になるという一行瑠璃のことだって、よく知らないのだ……。

 そこからかい!

 野崎まど脚本のオリジナル劇場アニメ。ここ最近『君の名は。』のヒットを受けて似たような、ちょっと不思議な(時空を超えたりなんかする)ボーイ・ミーツ・ガールのアニメ映画が乱立していて、この作品も事前プロモとか盛んにやっていたようだけれど、ぜんぜん耳に入らず興味も無く。ただ、野崎まどが脚本と知り、それならありきたりな展開にはならないだろうなという期待で劇場へ。

 話は良かった。さすが野崎まど。ボーイ・ミーツ・ガールな、ハヤカワ青背で、イーガンで、電脳コイルで、ダイコンIVOPで、読子・リードマンで、超時空世紀オーガスな。オーソドックスな展開に、「野崎まどなら、ここからもう2つか3つはひっくり返すな」と思っていたら予想通り4つくらいひっくり返してきました。最後の最後でタイトル回収。同行した妻が感動してそのまま小説版を買いに走ったくらい。
 声の芝居も良かった。
 ただ、作画は残念。グラフィニカが担当し、3DCGと2D作画の融合が売りなので、そもそもの演出意図なのかもしれないけれど、キャラクターの動きというか芝居が「コミPo! で描いた?」「モーションの基本パターンをそのまま使ってない?」と言いたくなるくらい、なにかのゲーム用データそのままで作ったような芝居。堀口悠紀子のキャラデザなのに残念。10年前の3Dゲームなら凄かったよね。
 最後だけ異様に動きが良くなるので不思議に思っていたら、モーションアドバイザーに板野一郎が入ってました。やっぱり、あそこらのカットだろうなー。

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