付け焼き刃の覚え書き

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「大日本帝国宇宙軍 (1)」 朝日カヲル

2024-10-23 | 戦国転生・歴史改変
 2032年ヒッグズ粒子加速器の実験中に事故が発生。開発室長であった芦原蒼龍は加速器のパージを実行した瞬間現出したタンホイザーゲートに呑み込まれ、時間を遡って1901年、高城家の嫡男として転生した。だが、その内部には蒼龍とはもう一つの意識、天使リリエルが同居していた。目前に迫ったアルマゲドンに備えて加速器の偵察をしていて巻き込まれたのだ。
 来るアルマゲドンは悪魔有利だとリリエルはいう。二度の大戦に代表されるように、20世紀以降は民間人が多く死にすぎ、その憎しみの負のエネルギーが溜まりすぎているのだ。悪魔の支配を打ち砕くためには、21世紀の技術と知識で大量殺戮を阻止すべく歴史の流れを変える必要がある……。

 タイトルの「宇宙軍」は『王立宇宙軍』の宇宙軍に近いかな。まだまだ宇宙飛行の技術には届かないけれど、とにかく技術開発を推進するために陸海空軍ではない軍事組織の看板が必要だった……という理屈。

「これが、宇宙軍の田植機の実力か…」
 農村の機械化を推進して余剰人員を工業界に引き込もうという深謀遠慮。

 注釈文の存在感が大きすぎて読む流れが寸断されるのは難点。パロディ要素がやや強め。
 ただ、近現代史を改編するにあたって、その基点を(明治維新のIFとか)皆いろいろ工夫しているのだけれど、この作品は「統帥権」の確保に置いてあるところが異色。1巻は昭和が始まったところまで。

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