「異世界に召喚されなかったから、現実世界にダンジョンを作ってやりたい放題」 日富美信吾

「殿方は膝枕から見える景色をとても好む」
　男はだいたいイチコロだと、衣子の祖母の教え。

　社畜の毎日をおくるサラリーマン、30歳の山田田助の前に現れた女神は、近日中に山田が異世界に召喚されるので身辺整理しておくようにと告げた。
　最高の異世界ライフがはじまる！と早速に会社をやめ、住居を退出する準備万端の彼に、戻ってきた女神は「人違いでした」と告げる。全てがご破算だ。駄女神の勘違いと手違いの慰謝料代わりに３つのスキルをもらったのだが、それでダンジョンを作るアイテムが手に入ってしまう。
　こうなったら現代日本で「異世界」を堪能するのみ！と廃屋にこっそりダンジョンを作って一人冒険をするのだが、ひょんなことからひき逃げ事件に遭遇してしまう……。

　女神から慰謝料代わりにもらったチートスキルを使ってプライベート・ダンジョンを堪能する冒険譚。そして孤独な男が自分の家族をみつけるまでの物語。
　ウェブ連載ではまだまだ続いているけれど、切りの良いところで１冊の物語として完結。続いても良いし、このまま終わっても文句なしという構成で、ワンアイデアでちょうどいい長さではないかなと思います。

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