「盾の勇者の成り上がり（１）」 アネコユサギ

　オタク趣味の大学生、岩谷尚文はある日いきなり異世界に召喚される。「波」と呼ばれる次元の亀裂を抜けて押し寄せる魔物の攻勢の前に世界が危機に陥っていたのだ。
　だが同じく召喚された他の日本人３人がそれぞれ槍、剣、弓の勇者となったのに対して、尚文は自ら攻撃することがほとんど不可能な盾の勇者だった。
　他人を護ることに本領を発揮するはずの盾の勇者だったが、冒険３日目にして仲間に裏切られ、信頼と金銭を一度に失ってしまう。王や他の勇者はもちろん街の人々からも蔑みと嘲りの目で見られ、他者を信じられなくなった尚文だったが、自分１人ではまともに戦うこともできない……。

　なので、魔法で所有者には逆らえないようになっている奴隷だけがパーティーメンバーなのです。
　盾の勇者として異世界に召還されながら、いきなり周囲に裏切られ陥れられてしまった主人公の逆境からの復活譚。もうすっかり性根がねじ曲がって目つきが悪くなった「ナオフミ」に慣れてしまったので、ウェブ版で外伝『槍の勇者のやり直し』を読んでいると、その素直で人付き合いの良い「お父さん」には戸惑いしか覚えません。

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