付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「カボチャ頭のランタン02」 mm

2015-06-16 | 異世界転生
 しっかり書き込まれて面白い正統派のファンタジーで、どちらかというと「ファファード&グレイマウザー」みたいなテイストの話が好きな人にはお勧め。癖のある小汚い冒険者の男2人組ではなく、一見少女っぽいけれど戦鎚を振り回して戦う少年ランタンと、外見は大人で中身は9歳児の巨人族のハーフ少女リリオンの迷宮探索譚。

 リリオンとの初めての迷宮探索を無事に終えたランタンだったが、嵐熊との戦いの傷をゆっくり癒やす間もなく、ランタンをしつこく勧誘するギルド探索者とのトラブルが起き、襲撃を受けたりするものの、ランタンにとってはそれも日常の一部だ。
 しかし、どうやら単純な話ではなさそうだと、ギルドの武装職員テスの依頼もあり、ランタンを襲ったこともある女探索者ルー・ルゥらを連れ、再び地下迷宮へと降りていくのだが……。

 謎の司書さん登場。そしてテスは趣味を聞かれて「正義だ」と応える男前のお姉さんですが、長男に言わせると、ルー・ルゥ登場の方が重要らしいです。

 主人公は現代日本らしき世界から転生しただか転位したフシはあるのだけれど、記憶も失っていて今のところストーリーにはまったく影響してないので、この設定いらないんじゃない?と思わないでもないけれど、読んでいて忘れることの方が多いけれど、終盤の伏線になるかもしれないので注意して追ってます。

【カボチャ頭のランタン02】【mm】【kyo】【ダッシュエックス文庫】【圧倒的な描写力で綴られる超本格迷宮ダークファンタジー小説】【小説家になろう】
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「Re:ゼロから始める異世界生活6」 長月達平

2015-06-15 | 異世界転移・召喚
「未来のお話は、笑いながらじゃないとダメなんですよ?」
 たとえ無様であろうとも逃げる選択肢はないのだとレムは語る。

 死に戻りを繰り返すナツキ・スバルは、魔女教を撃退するための協力を求めようと奔走するが、王選の最中に根拠もない妄言を繰り返す者に応えようとする者が現れるはずもなかった……。

 文字通り、ゼロに戻って再起をかける回でした。
 あまりに進歩のない、短慮な行為ばかりを繰り返し、やり直しながら一歩ずつ前進するどころか全力で後退していく様に「こいつ大丈夫か」と思わないでもありませんでしたが、今度こそスタートに立ったようです。

【Re:ゼロから始める異世界生活6】【長月達平】【大塚真一郎】【MF文庫J】【WEB小説】【リゼロ】【ボーイ・ミーツ・ガール】【白鯨】
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「野まど劇場(笑)」 野まど

2015-06-14 | その他SF(スコシフシギとかも)
 莫迦だ、莫迦がいる!!
 1本目から、というより表4の内容紹介を読むなり叫びたくなる、やりたい放題ごった煮の野崎まど短編集。野崎まどの作品というのは、どれも根幹の部分はいつでも同じでブレていないのだけれど、そのときどきでシリアスとギャグ……というかリアルとシュルレアリスムの振れ幅が大きくて、この短編集収録の作品はどれも超現実方向にぶっ飛んでいます。いつものように。
 とあるカフェの店頭黒板の移り変わりだけで物語ってみたり、猫を探して町歩きしてみたり、ハリウッドが大作映画にしている題材を麻雀で解決してみたり、表紙から奥付の先まで好き勝手にやってるシュールなお笑い実験作品集。
 部屋で1人で読むしかない本。電車の車中とか会議の合間に読んだら悶絶します。

【野まど劇場(笑)】【独創短編シリーズ(2)】【野まど】【森井しづき】【電撃文庫】【なろう】【大奥】【非実在表紙イラスト】【大相撲】【レイアウト】
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「さよなら竜生、こんにちは人生」 永島ひろあき

2015-06-13 | 魔法の学園
「生きるとは常に戦うと等しい。なれば己の生命の振り方を決める事は同時に戦い方を決める事よ。戦い方を選ぶ事は、生命に許された数少ない自由なのだからな」
 魔界の軍勢を率いる白騎士ゲオルグの言葉。

 古神竜ドランは人間の裏切りにより、勇者に討たれて死んだ。
 だが、ドランは人間として転生した。それは神竜を強制的に転生させ続ける事で魂まですり減らそうという陰謀による可能性がないでもなかったが、ドラン自身は満足していた。
 畑仕事に魔物狩り、少女たちとの交流。たいしたことはできない短い人生ではあろうけど、人間の生き方というのはなかなか刺激的ではないか……。

 生きる事に飽いていた神竜が、辺境の村人としてやり直し人生を満喫する物語。

【さよなら竜生、こんにちは人生】【永島ひろあき】【市丸きすけ】【アルファポリス】【元最強竜の転生ファンタジー】
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「ナイツ&マジック 5」 天酒之瓢

2015-06-12 | 異世界転生
 エルネスティたち銀鳳騎士団の活躍により、ジャロウデク王国の侵略によって滅亡寸前となっていたところから再興を成し遂げたクシェペルカ王国だったが、ジャロウデク王国の逆襲により戦線崩壊の危機に陥る。
 女王エレオノーラの要請から迎撃に向かった銀鳳騎士団の前に立ちふさがったのは、竜の姿を模した巨大な空中戦艦だった……。

 敵の手から制空権を奪い取ったものの、相手はさらに巨大兵器『飛竜戦艦』を投入。表面的には2つの王国の戦争ではありますが、実際はエルネスティ団長とオラシオ・コジャーノ工房長という、2人のマッドサイエンティストによる軍拡競争です。どちらかが新兵器を投入すれば、相手はそのアイデアにインスパイアされたさらなる兵器を開発するという繰り返しの、「(周囲が)血を吐きながら続ける悲しいマラソン」なのです。
 圧倒的な兵器の登場にいつでも驚き苦戦し血を流すのは他の者ばかりで、2人はいつでも「こんな発想があったのか」「それならこちらは」と実に愉しそうなんですよ。

【ナイツ&マジック5】【天酒之瓢】【黒銀】【ヒーロー文庫】【ロボットファンタジー】【輪廻転生】【大西域戦争】
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「-艦これ- 陽炎、抜錨します!5」 築地俊彦

2015-06-11 | 架空戦記・仮想戦史
 極寒の海域、キス島沖の敵艦隊を排除するため、陽炎たち第十四駆逐隊は北方の幌筵泊地に集結することになった。
 軽巡の阿武隈や木曾、潜水艦のまるゆと交歓を深めていく第十四駆逐隊の面々だったが、まるゆが任務中に行方不明になってしまう……。

 艦にはそれぞれの役割があり、みんな揃って初めて艦隊として機能するんだよという話。
 今回はまともな方向で「燃える駆逐艦魂」の話でした。

【艦隊これくしょん】【艦これ】【陽炎、抜錨します!5】【築地俊彦】【NOCO】【ファミ通文庫】【第14駆逐隊】【特装版】【燃える駆逐艦魂を描くシリーズ】
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「武に身を捧げて百と余年。エルフでやり直す武者修行3」 赤石赫々

2015-06-10 | 時代・歴史・武侠小説
「大切なのはな、自分を見極め、自分にできることをするということなのだ。臆病でいい。勇気と無謀とは違う」
 ありふれた言葉ではあるけれど、生きていてこそ強くなれるとスラヴァ=マーシャル。

 盗賊に襲われた商人を助けたり、その娘に慕われたりしながらも、久々にアルファレイアに戻ってきたスラヴァの一行。ここでのんびりと旧交を温めることとしたのだが、帝都を襲撃したテロリストの一団が、スラヴァの同級生だった少女セリアらを人質に劇場に立て篭もってしまう。
 だが、救出に向かうスラヴァの前に因縁の好敵手、本当なら既に死んでいるはずの男ゼツロが立ちふさがった……。

 商人の娘、レティスとクラリッサの登場。そしてセリアの再登場。かくしてシェリルやソーニャも交えたスラヴァ争奪戦が激化するわけですが、肝心の主人公は「見た目は子供、頭脳は老人」なので、孫でも相手にするように軽くスルーです。
 左高例の「異世界から帰ったら江戸なのである」もそうですが、主人公をバカでも意気地なしでもなく好感度を下げないでハーレムを構築しようとすると、この設定が今のところ最有力のようです。

【武に身を捧げて百と余年。エルフでやり直す武者修行3】【赤石赫々】【bun150】【ファンタジア文庫】【ウェブ小説】【転生】【人生やり直し】【バーベット】
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「勇者パーティーにかわいい子がいたので、告白してみた。2」 水星

2015-06-09 | 異世界転生
 ガーゴイルのガイが帝国の勇者ミラーによって受けたダメージは想像以上に大きく、このままでは5日も経たずして崩壊するだろうと思われた。
 一方、そのガイを慕う少女ティールも時を同じくして倒れ、薬が手に入らなければやはり5日も経たずして死んでしまうという。
 ヨウキたちは手分けして2人を救おうと奔走するが……。

 コミュニケーションがヘタな騎士やら素直になれないツンデレ魔法使いの恋愛相談にのる元魔王軍の中堅幹部にして転生者ヨウキですが、人の相談に乗る前に自分の方を何とかしろよというハートウォーミングなラブコメ・ファンタジー。
 同時収録の番外編は「祭りに行ってみた」。番外編というより、良い感じの物語の続きで、買い食いしてみたりコンテストに絡んでみたりしながら、それぞれの関係が少しずつ動いていきます。

【勇者パーティーにかわいい子がいたので、告白してみた。2】【水星】【La-na】【モンスター文庫】【異世界ラブコメ】【小説家になろう】【ボーイ・ミーツ・ガール】【ラッキースケベ】【戦闘メイド】【ろりこん】
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「妹さえいればいい。(1)」 平坂読

2015-06-08 | その他フィクション
「誰かが一番欲しいものはいつも他人が持っていて、しかもそれを持っている当人にとっては大して価値がなかったりする」
 世の中ってのはもつまりいつでも「無い物ねだり」なのだ。

 羽島伊月は大学を中退してラノベ作家に専念している。中堅どころのそこそこ人気作家だ。
 そんな伊月のアパートの部屋は、伊月にあこがれて作家になり、今では彼をしのぐ才能を発揮している残念系美少女の可児那由多とか大学時代の同級生の白川京といった美少女やらライバル作家やイラストレイターらが常に出入りしている。さらには近所の実家に住んでいる伊月の義弟の千尋もちょくちょく顔を出しては彼の世話をしているのだが……。

 美少女たちになぜか異様に好かれながらも、「妹さえいればいい」という変態ラノベ作家の少年が、避暑で沖縄に飛んだりウニを食べに北海道へ行ったりしながら、妹バカ丸出しの企画書を書いては担当編集者にボツを食らう話。「創作活動」をテーマにしつつも美少女ハーレムもので、いきなりサービスシーン満載。
 何が腹が立つって、大野アシュリーの税金対策がむちゃくちゃ暴言っぽいのに、実質なにも間違っていないという点かな。普通に仕事してるのに、なんで一エピソードにしちゃうかなー。

【妹さえいればいい。(1)】【平坂読】【カントク】【ガガガ文庫】【青春ラブコメの到達点】【俺の妹がブラコンでツンデレなわけがない】【税理士】【締め切り破り】【バレンタインデー】
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「異世界混浴物語(1)」 日々花長春

2015-06-07 | 異世界転移・召喚
「それにしても……愛が欲しいというのは贅沢なのか?」
「? そういうのって後からついてくるものでしょ?」

 すべては打算から始まる。そして打算で終わるか否かは、それからの話なのだ。

 近づく魔王復活の日に供え、現代日本より召喚された5人の男女は日夜訓練と仲間集めに勤しんでいた。
 だが、その中の1人、北條冬夜は困っていた。
 彼に与えられたスキルは「無限バスルーム」、いつでもどこでも専用のバスルームへの扉を開くことができるというもので、こんな能力では戦いの役には立たない。しかも彼がいないと使えないため、仲間と旅立ってもトウヤ1人で使うか、トウヤと一緒に入浴するかの2択しかなかったのだ……。

 いつでもどこでもお風呂に入れる能力を与えられた勇者の異世界冒険記。美少女と混浴したいのだけれど、無理強いしてのいやいやじゃダメなんだという主人公が漢です。
 一見してイロモノ風の内容だけれど、実際は真っ当な主人公による王道展開な異世界ファンタジーで、他に類のない傑作とまでは言わないけれど、安心して読める異世界召喚もの。イラストも描きやすくて読者受けの良い美少女イラストばかりではなく、きちんと内容を吟味してポイントを抑えたものが挿入されていて、その上でカラーイラストはお約束通りの美少女たち……と手堅い作りです。

【異世界混浴物語(1)】【お風呂場の勇者】【日々花長春】【はぎやまさかげ】【オーバーラップ文庫】【異世界混浴ファンタジー】【ボーイ・ミーツ・ガール】【下着工房】【奴隷市場】【砂漠横断】【人力車】【鈴木土下座エ門】【旅の仲間】
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「翼の帰る処5 蒼穹の果てへ(上)」 妹尾ゆふ子

2015-06-06 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「文化は人の生きかたを決める。それはときに、人を縛る。それも、不必要にな。長くつづいているほど、理不尽なものでも従わねばならぬ、そういう決まりがある」
 それを打ち破れるのは外から来た征服者であり、被支配者に前より生きやすくなったと思わせてこそ真の勝利だと第二皇子。

 隠居してもヒマにはならなかった。
 隠居して公務から外れたら暇なはずだと無理難題を押しつけられるのだ。たとえば魔界からあふれ出ようとする魔物を押し戻すとか。
 かくなる上は、隠居から隠居するしかないのだが……。

 本編最初の1行目で嫁さん大笑い。
 ほんの短い一文で読者のハートキャッチができるくらい、キャラクターが良い感じに煮詰まりました。
 第5巻は最終巻の完結編のはずなのに、あと1冊で終わるのでしょうか。帝国の皇位承継とか北嶺王の婚姻とか魔界の蓋とか難題てんこ盛りのまま下巻へと続きます。もしかしたら中巻とかはさまるかもしれませんが、急転直下といきますや否や。

【翼の帰る処5(上)】【時の階梯】【妹尾ゆふ子】【ことき】【幻冬舎コミックス】【退魔】【名前】【生きやすさ】【古い神】【親バカ】
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「ログ・ホライズン9~カナミ、ゴー!イースト!」 橙乃ままれ

2015-06-05 | VRMMO・ゲーム世界
「ヒーローの生き様は、トラブルの予感とトラブル本体、そしてトラブルの後始末からできている。平和はほんの幕間、間奏曲に過ぎない」
 だから、もっとタフにならなくてはと、レベル90の暗殺者レオナルド。

 クエストに挑んだトウヤたち年少組が大規模戦闘に巻き込まれていた、ちょうどその頃、中国サーバー管轄下の大陸中南部では、はるばる北欧サーバーからやってきたカナミがイベントのテケリの廃墟に封じられていたレオナルドを救い出していた。
 北米サーバー出身のカエル忍者のコスプレをしたアサシンと、日本サーバーの伝説的パーティ【放蕩者の茶会】のリーダーだった少女の出会いである……。

 以前作者の個人サイトで公開されていて、後に「小説家になろう」に再掲されていた、今まで名前と過去エピソードの一部だけで噂されていた【放蕩者の茶会】リーダーのカナミが登場する回。
 彼女が物語の収束にどう関与するかはまだまだ未知数だけれど、今回のキャラクター配置は「西遊記」の逆コースです。三蔵法師が孫悟空たちを引きずって無理無茶無謀を正面から叩きつぶしながら前進していく……というような展開。
 確かに、本編の人間がダメになっていきそうなギリギリの状況では、ここらですべてに光を当てるような存在が必要なのかもしれません。

【ログ・ホライズン9】【カナミ、ゴー!イースト!】【橙乃ままれ】【ハラカズヒロ】【エンターブレイン】【MMORPG】【悪霊憑き】【大規模戦闘】【龍】
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「異世界から帰ったら江戸なのである(弐)」 左高例

2015-06-04 | 異世界転移・召喚
「基本的に過去は良いものを選別することが可能です。見えぬ未来を語ることは不安を伴いますが、既に経験済みな幸福を語ることは確定した事実ですので問題が存在致しません」
 魔王ヨグの侍女イモータルは、思い出話は愉しいものなのだろうが、自分には語るべき過去がないと言う。

 九郎のカバンの底から転げ出てきたのは1本の瓶コーラ。
 コーラといえば、ピザ!
 九郎は最後のコーラを美味しく飲むために、江戸で手に入る食材でピザを焼こうとするのだが……。

 享保年間の江戸を舞台にした、人情コメディ時代劇。
 辻斬りや大道芸や墓参りなど江戸情緒(?)あふれるエピソードの合間合間に異世界での思い出やら魂が抜け出て魔王と再会したりするくだりが挟まるのは今回も同じ。デュラハン化した姫騎士イートゥエさんもビジュアル付きで再登場し、本編進行のジャマにならない程度に異世界パートもにぎやかですが、本当にファンタジーなのは異世界転生前の主人公の職業遍歴かもしれません。
 そして、物語を彩るイラストは今回も絶好調。本当に作品が好きで、本文中の名場面の情景を切り取ろうとしている姿勢が伝わります。美味そうにピザを頬ばる百川子興も可愛いですが、背後からの墓参りの情景にしんみり。もっともその後の故人の思い出でがっくりなんですが。

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「まのわ2」 紫炎

2015-06-03 | VRMMO・ゲーム世界
「帰れ、乳の国へ」

 何の前触れもなくゲーム「ゼクシアハーツ」そっくりの異世界に飛ばされてしまった風音は、彼女より1週間前にこの世界に来ていた友人の弓花と合流して冒険を続けていたが、誘拐されオーガに襲われていたツヴァーラの王女・ティアラを救い出したことから、王宮の陰謀に巻き込まれていく……。

 ゲームの世界に何人ものプレイヤーが召喚される、異世界召喚TUEEE系ファンタジー。ただし、人それぞれに召喚時期が何日、何年、何十年、何百年とズレているため、プレイ仲間が既に死んでいたり年上になっていたり、ゲーム時代のつきあいと今の関係のギャップがあったりしてのドタバタ付き。
 話は面白い。キャラは魅力的。書籍化にあたってウェブ版の挿話的な部分が書き足されていて読み応えもあり。
 ただ、イラストがことごとく美少女のイラストばかりとなっていて、姫君を襲うオーガも、槍の師匠ととなる老戦士も、召喚された形容しがたい異形の戦士も、燃える城塞も、迷宮の奥から襲いかかる魔獣も、人間をあざ笑う悪魔も、前代未聞のゴーレムハウスも描かれることはありません。
 「美女・美少女しか描けない」イラストレイターなのか、編集者がそれしか描かせないのかまでは分かりませんが、こういう挿絵の在り方って、この作品の魅力は少女のカワイサだけだと見くびられているようで気分は良くありません。

【まのわ】【魔物倒す・能力奪う・私強くなる2】【紫炎】【武藤此史】【このライトノベルがすごい!文庫】【大人気異世界ファンタジー】【能力コピー】【温泉】
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「エルフと戦車と僕の毎日 (1) (上)」 佐藤大輔

2015-06-02 | 異世界転移・召喚
 高校1年生のユタカは気がつくと異世界にいた。
 児童ポルノ法に端を発して表現規制が進んだ日本では生きづらかったユタカだが、目の前には美形のエルフばかり。まさにこの世の天国かと思われたが、この世界にも大きな問題があった。
 流浪の民として世界各地でちりぢりになり妖人と呼ばれて差別を受けながら生きるのか、「第五帝国」の占領地となった祖国ウファルムの地に住み続けるかというのが、3000年前に祖国を追われて以来のエルフの生き方だった。
 しかし、ウファルムより第五帝国の撤収が決まり、その後釜を「大生命圏共和圏」の4カ国が狙う変革期の今こそ祖国を奪還する千載一遇のチャンスとして武装蜂起の準備が進められていたのだ。
 しかしエルフには軍隊と呼べるようなものはなく、まともな武器も兵力もなかったのだ……。

 ファンタジー版第一次中東戦争の方向で話は進んでいて、現代日本のミリオタ高校生がこれにどれだけ寄与できるかという感じでしょうか。

【エルフと戦車と僕の毎日 (1) (上)】【パンツァーエルフの誕生】【佐藤大輔】【木星在住】【FUJIMI SHOBO NOVELS】【巨乳エルフ】
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