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帝国宰相ゴッサマー・グルヒハイム・ビア・デュブリック公爵の言葉。
守原派によるクーデターが勃発した。冬の到来によって帝国との戦いが停止した間隙を縫っての叛乱である。
皇宮が包囲され、皇都の各所で小競り合いが勃発。状況は守原派優位で推移するが、事態をいち早く掌握していた皇室魔導院は中立を標榜して雲隠れし、その一方で水軍は叛乱制圧に動き出す。
そして新城直衛は女2人を伴って戦場に立つ。「莫迦だ。莫迦ばかりだ」とつぶやきながら……。
司馬遼太郎の歴史小説のように、未来の視点から過去の戦いや人物を論評するような形式で、新城直衛という人物と彼を取り巻く動乱について語っていく戦記小説。前半はクーデター勃発の日の前半を、後半は数日遡っての胎動編。または駒城篤胤、メディア規制と戦うの巻。
力だけを信じているわけではないけれど、力しか理解できていない直衛は、皇国の守護者(近衛)として皇主と皇家を守護するために、他の何もかもすべてを天秤にかけてふるい落としていきます。
今回の書き下ろし短編は、本編より半世紀ちょい先の多国海を舞台とした「我らに天佑なし」。華水軍の通商破壊艦隊と、皇国水軍の哨戒部隊との偶発的戦闘を描いた海戦小説でした。
【皇国の守護者8】【楽園の凶器】【佐藤大輔】【中公文庫】【大河戦記】