「人間はみんなｂｏｔだからな」いつも誰かと同じ言い訳をすると指摘された多田羅未貴の開き直り。
十時さくらが始めた動画配信サービス《ときときチャンネル》のメインのネタは、同居人の多田羅未貴と彼女の発明品を紹介すること。今日もさくらは撮影機材と共に未貴の部屋に突入していくが、彼女は実は空前絶後のマッドサイエンティスト。「宇宙」を切り取ってカップの中に固定してみたり、「時間」を少しばかり屋根裏で走らせてみたり。
そうこうしているうちに、《ときときチャンネル》の登録者に別の世界の存在までカウントされているのではないかという疑惑が生じ始め……。
『ウは宇宙ヤバイのウ！』の宮澤伊織の新作は、小林めぐみの『食卓にビールを』を彷彿とさせる、マニアックなＳＦネタを一般向けの不思議ネタにかみ砕いてコメディにするタイプの短編集。ただし、こちらは幼妻女子高生のひとり語りではなく、配信者としての一人称と視聴者コメントで構成されています。
【ときときチャンネル～宇宙飲んでみた～】【宮澤伊織】【めばち】【創元日本ＳＦ叢書】【新感覚の配信者ＳＦ】【伸童舎】【宇宙飲んでみた】【時間飼ってみた】【家の外なくしてみた】【近所の異世界散歩してみた】【エキゾチック物質雑談してみた】【登録者数完全破壊してみた】【インターネット３】【光円錐】【並行世界】【エキゾチック物質】【永遠と】【高次元ネットワーク】【量子通信】【テラフォーミング爆弾】
「やったか!?」
「世界は半分隠して見る程度がちょうどいい」
ゼフィルスは自分１人、あるいは同じギルドの仲間だけが強くなることをヨシとしない。もちろん先行者利益はいただきたいが、頼まれれば指導はするしアドバイスもする。彼が同じ１組の大魔道士サターンたち４人を誘ってダンジョン攻略したり訓練するのは、ゼフィルスにとっては好意だし、他の生徒たちからも「楽しそうに遊んでいる」ようにしか見えないのだが、本人たちにとっては横暴な拷問まがいの行為なのだ。そこでサターンら４人はギルド〈天下一大星〉としてギルドバトルを申し込んだ。もうゼフィルスの好きにはさせないぞと。
「私は私の信念に基づいて行動している。そこに他人から見た正しさなど存在せん。私は誰に否定されようとも己の信じた道を突き進むだけだ」
「ニャンゴ、敵は潰すか抱き込むかだ。憎たらしい奴でも、味方にすれば利用価値があるぞ」
「生きのびることは重要だが、かならずしも正しい判断ではない」
「失敗が足かせになるのは多くの場合、自分の踏ん切りの問題だ。誰も立華に『立ち止まれ』とは命令していない」
「……逆に皆どうやって他のプレイヤーと仲良くなるの……？」
「村長が悩むことはない。思うままに動けばよいのだ。それで問題となったのなら、周りの者が少し多く働くだけだ」
「じょうずなワニのつかまえ方」から「ファラオの見分け方」「錬金術の処方箋を読み解く法」「カイコの飼育法」など、普通に生きていれば大半は無用の知識がたっぷり500以上。編纂したのは、イギリスのリサーチャーグループの「Diagram Group」。ありとあらゆるスポーツ競技のルールをまとめた1974年の「Rules of the Game」以来、いろんなデータをまとめた本を送り出しています。各項目ごとにレイアウトとフォントが違っていて、書体見本帳にもなってます。
そろそろ昔のことすら簡単に思い出せなくなってきたので、「アレは……なんだっけ？」と思うことがあれば、そのつど外部記憶に保存することにしました。
「幸福に特許権はとれない」
「おい、嬢ちゃんたち、悪いことは言わねえ。こいつから学ぶのは考え直せ。こいつはアレだ、もうなんかすごいアレな感じがする。冒険者のことを学びたいならオレが教えるから。こいつとは縁を切るんだ。な？ いい子だから」
レゴールの冬は厳しく、仕事をしないギルドマンは少なくないが、モングレルは新人ギルドマンの昇級試験の試験官を勤めたりしてせこせこ稼いでいる。だが、稼いでもすぐに物珍しいだけの武器を見つけては散財するのがモングレルだ。もっとも、バスタードソードは武器としては中途半端だが、亡き両親との思い出の品でもあるので今さら主武器を変えようとは思わない。だから金だけがなくなっていく。
