「おい、嬢ちゃんたち、悪いことは言わねえ。こいつから学ぶのは考え直せ。こいつはアレだ、もうなんかすごいアレな感じがする。冒険者のことを学びたいならオレが教えるから。こいつとは縁を切るんだ。な？ いい子だから」アイウェンディルもちょっとまともじゃないけれど、そんなことがかすんでしまうくらいケインはヤバい。なんといっても、心の中に猫を飼っているのだ。
森ねこ亭の子供たちに冒険者の仕事を教えながらのんびり暮らしているケインこと真島景。これはこれでスローライフには違いなかったが、そんなタイミングで銀級冒険者が冒険者ギルドの第一支部から最格下の第八支部にやってきた。「猫使い」と呼ばれている活きの良い新人冒険者がいると聞いた、極彩色の衣装を身に纏ったエルフ、鳥を愛する者（アイウェンディル）である。
鷲を守護幻獣に持つエルフの一族の出身であり、「鳥を愛する者」と名付けられたアイウェンディルだったが、彼女は実は「鳥料理を愛する者」であり、ケインの提供する鳥料理の数々、特にカラアゲに魅せられてしまう……。
森の奥でのひとりぼっちが寂しくて、心の中で猫を飼っているつもりになっていただけのはずなのに、いつの間にかその猫が気分次第で現実にまで出てきて気に食わない相手を引っぱたいたりする恐ろしい状況に陥っているケインの異世界スローライフ譚。今回は、鳥好きエルフがいつの間にか人生を狂わされてしまいのますが、その人生がドワーフ集団によってさらに制御不能に陥っていきます。南無南無。やはりエルフとドワーフの相性は悪いのでしょうか？
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