日々好日

さて今日のニュースは

日本の雇用形態はどうなるのだろうか

2013-03-03 10:32:55 | Weblog
日本は此まで終身雇用制度・年功序列の給与体系を続けて来ました。

処が世界の急激な変化で此では日本企業が潰れてしまうと云う事で大きく梶を切りました。

まずグローバル化への対応。コスト削減。競争制度の導入。実績優先の能率給への移行。
最先端のIT技術の導入等々です。

まず日本企業の海外移転が始まります。
徹底したコスト削減は思い切った人材の切る捨てリストラ。
競争社会では実力ある者のみが生き残ります。
此まで年功序列から能率給への切り替えでは職場の序列も替えてしまいました。
最先端のIT導入ではついて行けない人が落伍して行きました。
機械化された職場では此までの熟練者は不要となり短期社員でも充分間に合います。
コスト削減で正社員から非正規社員、何時でも入れ替えの出来る短期労働者へ切り替え。

斯くして日本雇用労働者、5452万人のうち、「有期雇用契約労働者」が1410万人
で有る事が今回総務省の1月「労働力調査」で判りました

労働者4人に1名が不安定な雇用契約で働いて居る勘定になります。

今回総務省がパ-ト・契約社員等の非正規労働者の執労実態を正確に把握するために契約
期間等の調査項目を変更し、調査した結果ではじめて公表されました。

有期労働者の契約期間が1ケ月を超える人 885万人。
1ケ月超え1年以下の「臨時雇」が、439万人
1日以下の「日雇い」が86万人。

この他に契約を結んで無いワーキングプアと云う人達が数十万人とも推定されます。

会社としては使い捨ての短期雇用者は、会社生き残りには欠かせないものでしょう。

政府は雇用を積極的に行う企業には法人税で手心を加えたり支援金交付等の施策をとって
居る様ですが、生き残りを賭けての企業の戦いでは余り効果は無さそうだ。

一応4月施行の改正労働契約法では、契約を繰り返して5年を超えると労働者の申し出で
無期契約に転換可能となる事が決まっています。

働く場所が無くなった若者や労働者が行き着く先はホームレスなんなのでしょうか?

此では夢のある日本の再建等夢のまた夢に終わりそうだ。

政治家の皆さんしっかり頼みますよ。


被災地復興はまず走り出す事が先か合意が先か?

2013-03-03 08:29:03 | Weblog
昨日NHK総合でマイケル・サンデル米国ハーバード大教授を招いて東北大で行われた
「此から復興の話しをしよう」と云う白熱教室が放送され大変面白かった。

マイケル・サンデル教授は、米国の有数の哲学者でもありハーバード大教授で共同体主義
と訳される「コミューターリズム」の代表的論者でもあります。

今回は東北大に東北大学生500名と東北地方被災者を含む500名の公募者の前で色々の
問題提起を行い議論されて行きました。

従来はこの様な討論会は、司会者の進行で何人かのパネリストの討論を聞き最後に聴衆者の
意見を聞くと云う方式が定番で、この様な大学の講義の様なディスカッションの場は珍しく
新鮮でした。

提起された議題は「汚染作業で出た土は誰が引き受けるべきか?」
「自主避難を補償すべきか?」
「自分の命と職務への責任どちらを優先すべきか?」
「復興に必要なのは、強いリーダーシップなのか話しあいなのか?」
「復興はまずは走り出すべきか、皆の合意を待つべきか?」

大変基本的なそして今求められる重要な決断を左右する問題提起でした。

正直な処、残念ながらWBCのブラジル戦と並行して見てしまい肝心の処は聞き漏らし大変
惜しい気がしますが、後半についてはじっくり聞かせて貰いました。

福島原発事故の被災地は今汚染作業が進み出て来た膨大な汚染土の処理について頭を痛めて
居ます。

取り敢えず中間貯蔵場所に保管となって居ますが次々に出て来る放射能物質を含む汚染土を
どうするかの基本的問題は今だ解決されて居ません。

政府としては帰宅困難地域に指定された処から永久保管場所を選びたい意向ですが、もし
此が選定されればその住民は永久に故郷へ帰れなくなる恐れがあって反対しています。

しかし何処かに埋葬して処分しなくてはなりません。

今まで散々原発の恩恵を受けて居た都会が汚染土の受け入れは拒否と云う事態です。

此は放射能汚染土だけの問題でなく、今回の東日本大震災で出た膨大な被災ゴミの処分に
ついても各自治体は、同情はしても引き受けになると住民の反対で拒否せざるを得ないと
云う現実が見られます。

この問題提起は大変重要です。
結論はどうだったか聞き漏らしたが、大体想像はつきます。

次に津波が目の前に迫って居ると云うのに高齢者等を見捨てる事が出来ず自分の命を
亡くした消防団員・民生委員の方々等についての議論でした。

まずは、自分の命優先で、将来的社会貢献に尽くすべきと云う意見。
イヤ人道的立場からは見過ごす事は出来ない職務に殉じた事は大変勇気ある事と讃える人。

命あって物種と云う考え方は何時までも後悔の念に悩まされる一生を送る事にもなる。
自分を犠牲にしてでも人命を救おうとした事は、大変被災地復興の力になったと云う説。

どちらにも一理があって正解はない様です。

最後に被災地をかさ上げしてそこに町を作る案と皆故郷をすて新しい地に集団移住する
案が拮抗して仲々復興が進まない地域の事を例に挙げ、この場合強いリーダーシップで
どちらか一方に強行に決すべきか?

それとも最後まで住民の合意を取り付けて復興に踏み切るべきか?

此は大変千差万別の意見が出て、大変難しい問題を浮き彫りにしました。

そして復興作業は何時まで経っても皆の合意は不可能だ、今はまず踏み出す事が大事と
云う意見。

イヤ住民の意見が大切で皆が納得出来るまで復興作業に取り掛かるのは待つべきとする
意見。

どちらも説得力があってつくづく考えさせられた。

今日本は未曾有の災害にあってその一挙一足は世界中から注目を浴びて居ます。

今後世界の被災地での参考にされる程の意義を持つものになるでしょう。

時間は限られてい居ます。

被災地は?政府は?国民はどう判断するのでしょうか?

尚今日第二弾「白熱教室」は日本主要企業経営者7名等を招きNHKのEテレビで4時
から討論会が放送されます。

議題は「企業経営と震災復興」で、ローソン・ヤマト運輸・日本マイクロウエーブ・日産
第一生命等七名の企業経営者で構成されるとの事です。

どの様な討論がなされるのか興味深い。