IMFは理事会で中国人民元を来年10月から国際的主要通貨として取り扱う事を決定した。
国際的主要通貨の条件は、その國の輸出が極めて多い事、その通貨の流通に規制がない事です。
中国は急速に発展し今や米国を凌ぐ程になったが、未だ世界の主要通貨になって居ません。
世界の主要通貨として認められるにはIMFの特別引き出し権と云われるSDRに参加する事が必須条件です。
処が中国は基本的には共産主義国で、国家が統制する事が基本です。
一応修正資本主義形態でシステムは資本主義国家と全く同じ様ですが、実態は政治も経済も中国共産党が
握って居て、中国共産党中央委員会全体会議で國が動いています。
国家主席も國や経済の基本方針は、この全体会議で決められます。
金融面では、人民元を保護するため、多くの規制が設けられて居ます。
また中国での起業には様々の規制があって、資本主義国とは異なります。
此程まで規制がある中国人民元を、何故IMFは世界主要通貨と認定せねばならなかったか?
其れは中国が無視出来ない存在になってしまった事による。
中国は米国や日本が主体となる世界銀行やアジア開発銀行に対抗しAIIBというアジアインフラ銀行を創設した。
しかもそれにアジアの主要国や同胞国の英国やEU諸国が雪崩うって参加した。
これには流石の米国も肝を冷やし慌てた。
これ以上中国をのさばらせておく訳には行かないが敢えて敵対するのは拙い。
と云う事でなんとか米国側に差し留めて置きたいとの事で今回の決定がなされた様だ。
そのため中国が是まで金融面で規制廃止に向けた努力を評価し将来の規制廃止を促すと言う苦しい言い訳で
認める事となった。
是で中国はフランス・英国・米国に兆単位の航空機等買い付けを行い、手なずけした効果が出て来た。
中国はこれで世界主要通貨としての地位を得た訳です。
おまけに輸出額等でSDRの配分は米ドル41・73%・ユーロ30・93%に次いで人民元が10・92%と一躍
3番目の主要通貨となる。
因みに日本円は8・33%で4位で英国ポンドが8・09%の5位となります。
日本円はどうしても不利な立場になるのはヤムを得ない事かも知れません。
今後中国はAIIB等で益々力をつけて米国主導の世界金融に風穴を開けて行く事でしょう。
今回の決定が、果たして世界金融に吉と出るか凶と出るかは、お先真っ暗です。