many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

ヒミズ

2013-01-17 18:28:17 | マンガ
古谷実 2012年 講談社文庫版全3巻
こないだ同じ作者の『グリーンヒル』読んだんだけどね、続けて、これも読むことにした。
江口寿史が(望月峯太郎の新連載が始まったとき)「『ヒミズ』終わって以来、読むものなかったヤンマガなので(略)」(『江口寿史の正直日記』474ページ)なんて称えてるから、前から気になってた。
正月休みに、書店で文庫版が2冊並んでたのを買ってきたんだが、読んでみたら2冊で終わりぢゃなかった。
やばいな、これ、続き読まないことにはどうしようもない、と思ってたら、幸い1月11日に第3巻が出るということだったので、出たらすぐ買ってさっさと読んだ。
全然ギャグマンガぢゃないんだ。
衝撃的ではあった。
私にとっては、ヲカザキの『リバーズ・エッジ』以来の衝撃って感じ。好きかどうかは別にしてだけど。
つまり、これを超える最近の文学ってどれくらいある?って言いたくなるようなインパクト。
画の怖さと、ふつうぢゃない人の登場具合は、なぜか『座敷女』とか『ドラゴンヘッド』を思い出した。狂気の沙汰系だあね。
物語は、ほとんどの人は普通の人間なのに「自分は特別」と思い込んでる奴らがいる、そういう連中が嫌いという住田君、中学3年生が主人公。
同じ中学生でも“稲中”とは、ずいぶん違うよね、雰囲気が。
住田君は、ずーずーしい奴が嫌い。で、自分では「オレは一生 誰にも迷惑をかけないと誓う!! だから頼む! 誰もオレに迷惑をかけるな!!!」なんて願ってる。
でも、両親に見捨てられ、天涯孤独になっちゃう。そして、あるときから、普通を願ってたはずなのに、特別な人間になっちゃう。
ときどき、自分にしか見えない一つ目の化け物が、とてもリアルに、会話かわせちゃうほどありありと見えちゃう時点で、ふつうぢゃないよ、住田君。

タイトルのヒミズっての何なのか、作中にはでてこない。(たぶん。探してマジマジと読んだりしてないけど。)
どうやらモグラの一種らしいんだけど、そういえば第6話に、住田君が茶沢さんに「君の夢は一生普通に暮らす事なんだって?」と訊かれたとこで、「オレはモグラのように ひっそりと暮らすんだ…」と言うとこがあります。
コメント
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