小林恭二 2004年 中央公論新社
(小林恭二のリストアップもあと少しのところだなあ。)
長編小説っていうか、戯曲に近い感じの物語。
宇田川は、舞台の地名。いまの渋谷のど真ん中。
時代は今から150年前の安政年間。
当時の渋谷は、江戸からみたら外れに位置し、文字どおり谷のある地形で、谷の底には宇田川が流れてた。
そのへんで出会った、小間物問屋の娘で渋谷小町と呼ばれる「はつ」と、僧の「昭円」の恋物語。
昭円がつとめる道玄寺は、もちろん道玄坂にある。
道玄坂の名前の由来は、鎌倉時代の元は武士、山賊をはたらいたという大和田道元なる者に由来する。
で、そのころからの因果がめぐりめぐって、はつと昭円の運命にまで係わってくる。
因果の闇は、近松だか黙阿弥だか忘れたけど、そのへんの基本だからねえ。
どんな話か今回ひさしぶりに読み返すまですっかり忘れてたんだけど、いやーおもしろい。
ハードカバー440ページくらいあるんだけど、読み出したらアッという間だった。
全編セリフまわしでサクサクと物語が進んでくからかね。
心中が主題だからもちろん悲劇なんだけど、最終章があるのが救いになってる。
(小林恭二のリストアップもあと少しのところだなあ。)
長編小説っていうか、戯曲に近い感じの物語。
宇田川は、舞台の地名。いまの渋谷のど真ん中。
時代は今から150年前の安政年間。
当時の渋谷は、江戸からみたら外れに位置し、文字どおり谷のある地形で、谷の底には宇田川が流れてた。
そのへんで出会った、小間物問屋の娘で渋谷小町と呼ばれる「はつ」と、僧の「昭円」の恋物語。
昭円がつとめる道玄寺は、もちろん道玄坂にある。
道玄坂の名前の由来は、鎌倉時代の元は武士、山賊をはたらいたという大和田道元なる者に由来する。
で、そのころからの因果がめぐりめぐって、はつと昭円の運命にまで係わってくる。
因果の闇は、近松だか黙阿弥だか忘れたけど、そのへんの基本だからねえ。
どんな話か今回ひさしぶりに読み返すまですっかり忘れてたんだけど、いやーおもしろい。
ハードカバー440ページくらいあるんだけど、読み出したらアッという間だった。
全編セリフまわしでサクサクと物語が進んでくからかね。
心中が主題だからもちろん悲劇なんだけど、最終章があるのが救いになってる。
