安部公房 昭和49年 新潮文庫版
きのうのオースターからのつながりで安部公房、というほどのものではなく。
なんか蔵書カタログとしての、このブログも、たいがい主なものは並べ尽くしたような感じもしてきて。
ほんと大昔に読んだものでも引っ張り出してこないと、そのうちネタがなくなるのかなあと思うと、このへんが出てくる。
(昔=10年ひと昔、昔々=約20年前? 大昔=30年くらい前?)
この短編集、持ってるのは昭和59年の16刷。うーむ、そのころ、こんなの読んでたんだ、俺。
けっこうおもしろいっすよ、昭和28年から32年にかけて発表されたらしいけど、いやー、昭和の末期に読んでも、今読んでも、私にはおもしろい。
「R62号の発明」
自殺しようとしてた機械技師は、死ぬんだったら身柄をくださいと、呼び止められる。脳手術をされて、ロボットに生まれ変わった男は、ある発明をする。
「パニック」
失業して職業紹介所でもいい仕事にありつけなかった男に、「パニック商事の求人係」と名乗る男が、就職試験を受けてみないかともちかける。
「犬」
研究所のモデルと結婚することになった「ぼく」だが、彼女のつれている犬が、あたりまえぢゃないくらいみじめな奴で、その犬との闘いが始まることになる。
「変形の記録」
戦時中の大陸かな、軍隊にいた「ぼく」はコレラにかかり、銃殺されてしまうが、意識というか魂はありつづけて、軍のトラックについていく。
「死んだ娘が歌った…」
女工が睡眠薬を飲んで死んだのだが、死んでなにもかも終わったわけではなく、魂になって自分の死体のそばにすわって、そのあとのことも見ることになる。
「盲腸」
>ある新学説の試験台として、Kが自分の盲腸のあとに羊の盲腸を移植する手術をうけてから、ちょうど三カ月目のことだ。まる一日かけた精密な検査のあと、いよいよ藁だけの食事をとることになった。
「棒」
デパートの屋上から飛び降り自殺をした男は、地上に到達するまでのあいだに、一本の棒になっていた。
「人肉食用反対陳情団と三人の紳士たち」
タイトルのとおり。食わないでくれと言いにきた男と、食う側の紳士たちのやりとり。
「鍵」
田舎から、錠前工場の技術部長である叔父をたずねてきた若者。ストーリーよりも、叔父の娘が、目が見えないのに、ひとの手首をつかんで、そのひとが何かいうと「嘘よ!」って“天然の嘘発見器”になるところが、印象的。
「耳の値段」
月謝を滞納している学生が主人公。「六法全書が金もうけの手引書」っていうヘンな論理に興味をもつんだが、人体のどこを損なったら、いちばん効率よくカネをもらえるかというと、耳たぶなんだという結論にたどりつく。
「鏡と呼子」
なぜか若い人の家出が多い村での話。町から来た若い教員Kの下宿先の主人は、毎日山にのぼっては望遠鏡で村の様子を見ている。
「鉛の卵」
1987年に埋められた、生きた人の入った冬眠箱。開けられる予定は2087年のはずだったのだが、実際になかに入っていた人が目覚めたときは、80万年後だった。

きのうのオースターからのつながりで安部公房、というほどのものではなく。
なんか蔵書カタログとしての、このブログも、たいがい主なものは並べ尽くしたような感じもしてきて。
ほんと大昔に読んだものでも引っ張り出してこないと、そのうちネタがなくなるのかなあと思うと、このへんが出てくる。
(昔=10年ひと昔、昔々=約20年前? 大昔=30年くらい前?)
この短編集、持ってるのは昭和59年の16刷。うーむ、そのころ、こんなの読んでたんだ、俺。
けっこうおもしろいっすよ、昭和28年から32年にかけて発表されたらしいけど、いやー、昭和の末期に読んでも、今読んでも、私にはおもしろい。
「R62号の発明」
自殺しようとしてた機械技師は、死ぬんだったら身柄をくださいと、呼び止められる。脳手術をされて、ロボットに生まれ変わった男は、ある発明をする。
「パニック」
失業して職業紹介所でもいい仕事にありつけなかった男に、「パニック商事の求人係」と名乗る男が、就職試験を受けてみないかともちかける。
「犬」
研究所のモデルと結婚することになった「ぼく」だが、彼女のつれている犬が、あたりまえぢゃないくらいみじめな奴で、その犬との闘いが始まることになる。
「変形の記録」
戦時中の大陸かな、軍隊にいた「ぼく」はコレラにかかり、銃殺されてしまうが、意識というか魂はありつづけて、軍のトラックについていく。
「死んだ娘が歌った…」
女工が睡眠薬を飲んで死んだのだが、死んでなにもかも終わったわけではなく、魂になって自分の死体のそばにすわって、そのあとのことも見ることになる。
「盲腸」
>ある新学説の試験台として、Kが自分の盲腸のあとに羊の盲腸を移植する手術をうけてから、ちょうど三カ月目のことだ。まる一日かけた精密な検査のあと、いよいよ藁だけの食事をとることになった。
「棒」
デパートの屋上から飛び降り自殺をした男は、地上に到達するまでのあいだに、一本の棒になっていた。
「人肉食用反対陳情団と三人の紳士たち」
タイトルのとおり。食わないでくれと言いにきた男と、食う側の紳士たちのやりとり。
「鍵」
田舎から、錠前工場の技術部長である叔父をたずねてきた若者。ストーリーよりも、叔父の娘が、目が見えないのに、ひとの手首をつかんで、そのひとが何かいうと「嘘よ!」って“天然の嘘発見器”になるところが、印象的。
「耳の値段」
月謝を滞納している学生が主人公。「六法全書が金もうけの手引書」っていうヘンな論理に興味をもつんだが、人体のどこを損なったら、いちばん効率よくカネをもらえるかというと、耳たぶなんだという結論にたどりつく。
「鏡と呼子」
なぜか若い人の家出が多い村での話。町から来た若い教員Kの下宿先の主人は、毎日山にのぼっては望遠鏡で村の様子を見ている。
「鉛の卵」
1987年に埋められた、生きた人の入った冬眠箱。開けられる予定は2087年のはずだったのだが、実際になかに入っていた人が目覚めたときは、80万年後だった。
