唐沢なをき 2014年1月 KADOKAWA BEAM COMIX
つい最近読んだマンガ。
唐沢なをきは好きなんだけど、これは何の予備知識もなく、書店で積んであったからヒョイと手にとったもの。
っていうか、諸星大二郎の新刊といっしょに買ったんだけどね、書店にいくと、お目当ての本以外に「何かもう一冊ないかな」って探して、多くの場合複数の本を買う(出版社・書店にとっては模範的な消費者ということになるんだろうな)というのは、私の習性である。
そんなわけで、そのときゃ、これを見つけたってだけの話なんだけど。
内容はっていうと、「業界の実情を身も蓋もなく暴いて」ってふれこみの「超残酷まんが家入門短編集」なんだが、一般のひとにはなんのこっちゃ分からんわな、その説明ぢゃ。
子ども授かっちゃったせいで連載をふいにした女とか、採用がムチャな原稿を持ち込む男とか、そのとき勢いで年齢を若く偽った例とか、ロクに働きもしないで打ち上げだけは盛り上がるアシとか、まあそういう話。
どうでもいいけど、持ち込み原稿を見て、「ネタも絵柄も古いねぇ 手慣れた感じだけど… 意外性がないというか」「最近の映画とか 漫画とか 観てる? 読んでる? もっと勉強してよね」って言ったりする編集者のセリフ、シビアでリアルだよなあ。
で、恐ろしいことに、この単行本自体が、業界裏幕の(パロディというには笑えない)シリアスな実例のひとつになっている。
というのも、本書は、『まんが極道』というタイトルで、全7巻を出したマンガの続編になっているらしい(←私は知らない)のだが、単行本の巻数が多くなると、タイトルを変更するのはこの業界ではよくあることなんだという。
このことは、本書のひとつの章でもテーマとして描かれてるし、各章のあいだにあるコラムでも言われている。
一般的に、2巻・3巻と巻数を重ねているマンガの新刊の売り上げ部数は、前の巻の2割減が相場なんだと。
で、読んだことないマンガの最新刊の、たとえば4巻とか5巻なんかが書店に出てても、新しい読者は、たとえそれが続きものの長編ぢゃなくて一話読み切り形式であっても、1巻から読んだことのないもの、その場で求めようと思っても1巻が置いてなかったりするものは、買ってくれないもんだと。(模範的な消費者に近い私でも同意はするな、それ。)
だから、出版社の営業も、新タイトルのほうが売り込みやすいこともあるし、連載が長くなると、心機一転というか「ここらへんで仕切り直しを」というかで、タイトルを変えるのが常套手段なんだって。
恐ろしいねえ。
つい最近読んだマンガ。
唐沢なをきは好きなんだけど、これは何の予備知識もなく、書店で積んであったからヒョイと手にとったもの。
っていうか、諸星大二郎の新刊といっしょに買ったんだけどね、書店にいくと、お目当ての本以外に「何かもう一冊ないかな」って探して、多くの場合複数の本を買う(出版社・書店にとっては模範的な消費者ということになるんだろうな)というのは、私の習性である。
そんなわけで、そのときゃ、これを見つけたってだけの話なんだけど。
内容はっていうと、「業界の実情を身も蓋もなく暴いて」ってふれこみの「超残酷まんが家入門短編集」なんだが、一般のひとにはなんのこっちゃ分からんわな、その説明ぢゃ。
子ども授かっちゃったせいで連載をふいにした女とか、採用がムチャな原稿を持ち込む男とか、そのとき勢いで年齢を若く偽った例とか、ロクに働きもしないで打ち上げだけは盛り上がるアシとか、まあそういう話。
どうでもいいけど、持ち込み原稿を見て、「ネタも絵柄も古いねぇ 手慣れた感じだけど… 意外性がないというか」「最近の映画とか 漫画とか 観てる? 読んでる? もっと勉強してよね」って言ったりする編集者のセリフ、シビアでリアルだよなあ。
で、恐ろしいことに、この単行本自体が、業界裏幕の(パロディというには笑えない)シリアスな実例のひとつになっている。
というのも、本書は、『まんが極道』というタイトルで、全7巻を出したマンガの続編になっているらしい(←私は知らない)のだが、単行本の巻数が多くなると、タイトルを変更するのはこの業界ではよくあることなんだという。
このことは、本書のひとつの章でもテーマとして描かれてるし、各章のあいだにあるコラムでも言われている。
一般的に、2巻・3巻と巻数を重ねているマンガの新刊の売り上げ部数は、前の巻の2割減が相場なんだと。
で、読んだことないマンガの最新刊の、たとえば4巻とか5巻なんかが書店に出てても、新しい読者は、たとえそれが続きものの長編ぢゃなくて一話読み切り形式であっても、1巻から読んだことのないもの、その場で求めようと思っても1巻が置いてなかったりするものは、買ってくれないもんだと。(模範的な消費者に近い私でも同意はするな、それ。)
だから、出版社の営業も、新タイトルのほうが売り込みやすいこともあるし、連載が長くなると、心機一転というか「ここらへんで仕切り直しを」というかで、タイトルを変えるのが常套手段なんだって。
恐ろしいねえ。
