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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

図説 地獄絵の世界

2014-11-13 21:11:05 | 読んだ本
小栗栖健治 2013年 河出書房新社
前回のつづき。
ということで、地獄絵が気になってしまい、一冊こんな本を買ってしまった。
博物館内のショップでも売ってたんだけど、荷物になるかと(手ぶらででかけてた、雨降りそうな日に余計なもの持ちたくない)思いとどまったんだが、夕方ウチ近くの書店に出かけ直して、買ってしまった。
私が気に入った「地獄草紙」は、奈良国立博物館のもので(先週までは東京国立博物館蔵のべつの「地獄草紙」が展示されてたらしい、このへん何も調べずに出かけると出会いは運次第である)、その絵がこの本のアタマのほうにもある。
でも、「屎糞所」・「凾量所」・「鉄磑所」・「鶏地獄」・「黒雲沙」・「膿血所」・「孤老地獄」とある地獄絵図のうち、この本には三つしか載ってなかった、ちょっと失敗。
もっとまじまじとあの一連の絵をながめたかったんだが、これでは役に立たん。
ちなみに、凾量所では、生前に桝目をごまかした者が地獄に落ちてきて、燃えたぎる鉄の湯を枡で量らされる。
鶏地獄では、鳥や獣をいじめた者が堕ちてきて、ここで焔をまとった巨大な鶏に蹴ったり踏まれたりする。
なんか、こういう因果応報のわかりやすさが、好きだったりする。
で、この本では、熊野歓心十界曼荼羅という絵が中心に解説されている。
日本の歴史で、社会に受け入れられた(相当数の作品がつくられた)のは、「往生要集」を視覚化させた「六道絵」と、「熊野歓心十界曼荼羅」の二者のみだからだそうである。
で、その熊野なんとかってのは、熊野比丘尼という各国を歩いてまわる宗教集団が、絵解きをして地獄のことを女子供に教える道具なんだそうだが。
あんまり、そのへんには興味ないが、聴衆が物語を聞きたがると、銭を取って解説するところから、「地獄の沙汰も銭」という言葉が生まれたっていうんだけど、ほんとかね。
コメント
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