北杜夫 昭和62年 新潮文庫版
あるだけ読み返してる北杜夫だけど、これで最後かな。
単行本の刊行は昭和42年らしいけど、名前は聞いたことあっても、ずっと読んだことなくて、文庫でたときに買った。
主人公の怪盗ジバコは、パステルナークの『ドクトル・ジバゴ』に掛けた名前だけど、どうして著者がそれを持ち出したのかは知らない。
冒頭の章に、ある大学者が本屋に『ドクトル・ジバゴ』を買い求めに行って、怪盗に「ドクトル・ジバコ」という春本を売りつけられるシーンはあるけど。
私も『ドクトル・ジバゴ』は読んだことない。死ぬまでに読めるかなあ。
さて、件の怪盗ジバコは、
>楽々と一国の国家予算を越す盗みを働く史上最大の怪盗。数十の名と、数百の顔と姿をもち、絶対につかまらぬという怪盗。(p.52)
ということになっている。
でも、度重なる大泥棒の成功で、途方もない大金持ちになっているので、近ごろでは楽しみのために盗みを働いているのではないかという。
そのやり口は、人をして「一万ドルを盗むのに、あきらかに十万ドルをかける」(p.16)と評判させるまでに至っている。
で、盗みの現場には、「無礼ながら盗みに入り申し候」と十何カ国語で記してあるカードを残していく。
収録作は、以下の連作8編。
「怪盗ジバコ」
「クイーン牢獄」
「猿のパイプ」
「女王のおしゃぶり」
「蚤男」
「トプカピ宮殿」
「007号出撃す」
「ジバコの恋」
どうでもいいけど、私の記憶の片隅にひっかかってた、“荒涼とした砂漠を通る自動車道路に、ひとむらの灌木があるが、これが男どものせいで枯れてしまった”というエピソードが、この本のなかにあった。(p.18-19)
あるだけ読み返してる北杜夫だけど、これで最後かな。
単行本の刊行は昭和42年らしいけど、名前は聞いたことあっても、ずっと読んだことなくて、文庫でたときに買った。
主人公の怪盗ジバコは、パステルナークの『ドクトル・ジバゴ』に掛けた名前だけど、どうして著者がそれを持ち出したのかは知らない。
冒頭の章に、ある大学者が本屋に『ドクトル・ジバゴ』を買い求めに行って、怪盗に「ドクトル・ジバコ」という春本を売りつけられるシーンはあるけど。
私も『ドクトル・ジバゴ』は読んだことない。死ぬまでに読めるかなあ。
さて、件の怪盗ジバコは、
>楽々と一国の国家予算を越す盗みを働く史上最大の怪盗。数十の名と、数百の顔と姿をもち、絶対につかまらぬという怪盗。(p.52)
ということになっている。
でも、度重なる大泥棒の成功で、途方もない大金持ちになっているので、近ごろでは楽しみのために盗みを働いているのではないかという。
そのやり口は、人をして「一万ドルを盗むのに、あきらかに十万ドルをかける」(p.16)と評判させるまでに至っている。
で、盗みの現場には、「無礼ながら盗みに入り申し候」と十何カ国語で記してあるカードを残していく。
収録作は、以下の連作8編。
「怪盗ジバコ」
「クイーン牢獄」
「猿のパイプ」
「女王のおしゃぶり」
「蚤男」
「トプカピ宮殿」
「007号出撃す」
「ジバコの恋」
どうでもいいけど、私の記憶の片隅にひっかかってた、“荒涼とした砂漠を通る自動車道路に、ひとむらの灌木があるが、これが男どものせいで枯れてしまった”というエピソードが、この本のなかにあった。(p.18-19)