E・S・ガードナー/宇野利泰訳 一九八六年 ハヤカワ・ミステリ文庫版
また古いペリイ・メイスンシリーズを読みなおした、昔読んだときの記憶ないんだけどね、さくさく考えずに読めるのがいい。
原題「THE CASE OF THE AMOROUS AUNT」は1963年の作品。
弁護士ペリイ・メイスンの事務所に、予約もなしに面会を求めてきたのは、若い男女。
忙しいんだけど、好奇心にかられて会うことにした、なんでも用件が「未亡人の伯母さんと、青ひげ男のこと」というのが面白そうだから。
マサチュセッツから来たという、その青い眼をした無邪気そうな若い娘の、次の誕生日で48になるという伯母が、得体の知れない男と手紙のやりとりをしてるうちに恋仲になったと。
そんなの自由ぢゃないかとも思われるんだが、その片目に黒い眼帯した男は悪いやつにちがいないから、正体あばいて伯母を危険から救ってくれという。
もちろん伯母にも直接意見したんだが、余計なお世話だとばかりに口論になって喧嘩別れ。
ちなみに一緒にメイスン事務所に来た若い男は婚約者なんだけど、法律学校で勉強中で、資格習得までは働いてる女のほうが経済的に援助してるんだという。
伯母からすると、姪のボーイフレンドなんて、生活力なくて、結婚したらやがて自分の財産を姪が相続すんのまで狙ってんぢゃないのくらいにしか見えないみたい。
とにかく現時点で伯母は多額の現金と結婚に必要な書類もっていなくなっちゃったんで、探し出して止めてくれって頼まれたんで、メイスンは引き受けて、探偵のポール・ドレイクを紹介して、伯母と男の行方を探す。
調べてみると片目の男はやっぱあやしくて、住んでる近くでは誰も彼がなにをしているか知らないし、住居で指紋検出を試みたらキレイに拭き取られてて何も出てこない、二年前に結婚許可証が発行されたが実際の結婚はしてない、やっぱ詐欺師か。
追跡調査したところ、二人はアリゾナ州に向かってて、どうやらそこで結婚するのではという見込みがつかめたんで、弁護士と秘書と探偵は飛行機チャーターしてかけつける。
待ちかまえていると、あの法律勉強中の若い男が、自分のカネもないはずのくせに、車でやってきて、二人を尾行してたんだが見失ったとかトンチキなことをぬかす、シロウトがうろうろするのはまったくもってプロの探偵の邪魔。
そうこうしてるうちに、いつものようにメイスンが死体を見つけてしまう、容疑者になるのは恋におちてた伯母。
姪から伯母の弁護を依頼されて、メイスンは若い二人のほうとは利害反するかもしれないよとことわったうえで引き受ける。
メイスンは、いつもとちがって、現地のダンカン・クラウダー・ジュニアという若い弁護士に協力を要請するんだが、これがなかなか抜け目なくよく働くという展開。
やがて予審が始まるが、地元イムペリアル郡の地方検事はメイスンに対して敵意むきだしで、ロサンゼルスぢゃどうかしらないがこの土地では負かしてやるんだ、みたいに挑んでくるんだけど、当然のことながら最後はメイスンが勝つ。
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