斎藤宣彦 2016年7月 筑摩書房
最近読んだマンガ家のインタビュー集、サブタイトルは「マンガ家の現場ではなにが起こっているのか」。
著者は、編集者でマンガ研究家、マンガに関する賞の選考委員をつとめることもあるらしい。
私の場合は、書店で見かけたとき、帯に諸星大二郎と大友克洋の名前があったからっつー理由で、手に取ったんだけど。
本書の諸星大二郎インタビューが、2009年のユリイカに載ってたものってのは、まったく忘れてたな。
(ユリイカでのタイトルは「モロホシは一日にしてならず―奇妙なものの存在感を求めて」)
あとは、不勉強なので、名前は知ってるけど読んだことないマンガ家さんがいっぱい。
なかでおもしろかったのは、冒頭の章のロングインタビュー。
島本和彦さんは、自分のなかで、ひとが発明した新しいものの真似を禁じている、自分にそれは許さないと言っている。
>(略)それを見たとき一〇年はこれ使えねえと思いました。私の中に“ギャグ特許”みたいなのがあるんです(笑)(p.33)
なんて言ってる、それって画だけのことぢゃなくて、『ギザギザのフキダシに、「…………!?」みたいなの』とかって独自の表現を含む、真似してもシロウトにはわかりそうにないのに、己に厳しい。
藤田和日郎さんは、原稿持ち込んで編集者と議論することの大切さを説いている。
たとえば「発想は新鮮か」とか「面白いマンガってどんなマンガ」とかって、面と向かって言われることで、自分ではわかってたつもりでいても実は大して真面目に考えてなかったのに気づくという。
だから、こんど自分がアシスタントたちに映画の感想を言わせるときも、
>「なんとなく面白かった」っていうのは絶対に許しません(笑)。どんな理屈でもいいので、きちんと説明できないとだめなんですよ。(p.77)
ということになる。いちど明文化するとか分解するとかして理由を突きとめないと、人まねだけではいいものは描けないということらしい、なるほど。
I マンガの情熱
1 島本和彦 マンガの青春
2 藤田和日郎 マンガの正義
2.5 藤子不二雄(A)、しりあがり寿、くらもちふさことの短い対話
II マンガの表現
3 岩明均 マンガの演出
4 田中相 マンガのファンタジー
5 荒川弘 マンガの論理と倫理
III マンガの証言
6 ちばてつや マンガの奇跡
7 諸星大二郎
7.5 諸星大二郎との短い対話
8 大友克洋 マンガの革新
最近読んだマンガ家のインタビュー集、サブタイトルは「マンガ家の現場ではなにが起こっているのか」。
著者は、編集者でマンガ研究家、マンガに関する賞の選考委員をつとめることもあるらしい。
私の場合は、書店で見かけたとき、帯に諸星大二郎と大友克洋の名前があったからっつー理由で、手に取ったんだけど。
本書の諸星大二郎インタビューが、2009年のユリイカに載ってたものってのは、まったく忘れてたな。
(ユリイカでのタイトルは「モロホシは一日にしてならず―奇妙なものの存在感を求めて」)
あとは、不勉強なので、名前は知ってるけど読んだことないマンガ家さんがいっぱい。
なかでおもしろかったのは、冒頭の章のロングインタビュー。
島本和彦さんは、自分のなかで、ひとが発明した新しいものの真似を禁じている、自分にそれは許さないと言っている。
>(略)それを見たとき一〇年はこれ使えねえと思いました。私の中に“ギャグ特許”みたいなのがあるんです(笑)(p.33)
なんて言ってる、それって画だけのことぢゃなくて、『ギザギザのフキダシに、「…………!?」みたいなの』とかって独自の表現を含む、真似してもシロウトにはわかりそうにないのに、己に厳しい。
藤田和日郎さんは、原稿持ち込んで編集者と議論することの大切さを説いている。
たとえば「発想は新鮮か」とか「面白いマンガってどんなマンガ」とかって、面と向かって言われることで、自分ではわかってたつもりでいても実は大して真面目に考えてなかったのに気づくという。
だから、こんど自分がアシスタントたちに映画の感想を言わせるときも、
>「なんとなく面白かった」っていうのは絶対に許しません(笑)。どんな理屈でもいいので、きちんと説明できないとだめなんですよ。(p.77)
ということになる。いちど明文化するとか分解するとかして理由を突きとめないと、人まねだけではいいものは描けないということらしい、なるほど。
I マンガの情熱
1 島本和彦 マンガの青春
2 藤田和日郎 マンガの正義
2.5 藤子不二雄(A)、しりあがり寿、くらもちふさことの短い対話
II マンガの表現
3 岩明均 マンガの演出
4 田中相 マンガのファンタジー
5 荒川弘 マンガの論理と倫理
III マンガの証言
6 ちばてつや マンガの奇跡
7 諸星大二郎
7.5 諸星大二郎との短い対話
8 大友克洋 マンガの革新