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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

ひさしぶりにカネショウエイコウ

2011-02-22 17:36:40 | 馬が好き
先週月曜に始まった謎の腰痛は、水・木にピークに達して、顔洗うのに前かがみになるのがツラかった 椅子から立ち上がるときとか、エイッ!って声出して、力入れないと危なかったし。
でも、「すべての腰痛の95%は運動不足(筋力不足)である」(「○%」はそのときどきで変わるんだけどね)を信じてる私のこと、医者とかには当然行かない。痛くなくなったら腹筋背筋でもしよーと誓って、ジッとしてた。(治ると誓いを忘れちゃうのはいつものこと。)
んで、今日は、まだ違和感あるんだけど、先週さぼっちゃったんで、乗馬にいく。
5人来て、ミラノ、ニアフュージョン、強鉄、キリーンの順で売れてったので、私は、フラヴォンとカネショウエイコウとコンキスターの三択。

腰痛の不安とかなかったら、コンキスターにチャレンジすんだけど、冬場の元気なコンキスター(ときどき鳴くか唸るかして走る)は、きょうのところはご遠慮申し上げておいて、最近乗ってないカネショウエイコウを選ぶ。(あしたコンキスター乗るひとスイマセン

カネショウエイコウ、ひさしぶりだ。先週、私の乗るウィスパーIIと一緒に、ふだん行き慣れない場所へ行ったときは、さすがに彼でもちょっと血が騒いだみたいだけど、基本的におとなしい。


(↑お利口さんのウィスパーII)
馬装して、馬場へ行って、常歩から速歩へ。風は冷たいけど、感じる気温はそんなでもないんで、シャツの袖まくってく。
おもえば2年前美浦に来て、はじめて乗ったのカネショウエイコウだったなー。
「重いかもしれませんよ」と言われたけど、全然そうは思わなかった。でも、いまは「重い」と思う たぶんカネショウエイコウは、何も変わっていない、ゼータクになったのは、俺 動けー!と言いつつ、せっせと歩かせる。
なんか左手前の巻乗りがうまくできないぞ、外へ逃げてっちゃいそうになる。あーダメダメ、内へ引っ張っても解決しない、右の手綱をしっかりもってヒジからだにつけて回る。

なんか手綱がツルツルする 私の手袋もゴムの滑り止めつきなんだけど、だいぶボロなんで、薬指のとこなんかもう取れちゃってんだよね。めんどくさいので、手袋とって素手で乗る。
今度はしっかりと指に手綱を感じる、基本的に素手で乗るのが好きだったりする。引っ張られて擦れて、指に水ぶくれできたり、切れちゃったりしない馬だったら、ホントは極力素手で手綱持って乗りたい
どーでもいーけど、私は手綱の持ち方が、弱い たぶん最初っからで、今に至るまで、ずっと弱い。ギュッって持ってないんで、気まぐれに馬がグイっと引っ張ると、すぐ前にズルってぬけちゃったりする ちゃんと握ってないで、指のあいだにはさんでるだけみたいな状態のときが多い。わかってるのに直せない。どうしてだかわからないけど、力入れるべきところに入れないで、入れなくていいところに入れるから、いつまでたってもうまく乗れない
(関係ないけど、むかしギターを弾いたときも「ピッキングが弱い」と言われたっけ。突如いまフラッシュバックのように記憶が呼び起こされた なんだろう、ミスするまいとすると、手や指の力が抜けてしまうのだろうか、俺?)
なんか納得いかないんで、ほかのひとが駈歩はじめてるのに、ずっと速歩してる。手綱ちゃんと持って、馬を前に出す。歩度を伸ばしてみる、なんかちょっと速くなっただけ、受けてる感なし、いーかげんだな、俺

横木を何回かまたいでも、まだ納得いかない。アブミはずして輪乗り。また馬が外にふくれそうになると、おしりに力が入って浮いてしまう、そうするとヒザも上がってくる。ちゃんと馬の真上に左右均等に座れよ、俺
うまくできてないけど、駈歩に移る。小さい輪乗りでやってみる。あ、ダメだ、全然動いてない、パランパランした「なんちゃって駈歩」になってる。(前肢は駈歩っぽいけど、後ろはそうぢゃない…。)ほらぁ、駈歩のベースをあげようとして、自分が身体揺すったって、かえって馬のジャマしてるだけだぞ、俺
なんか調子でないまま、広いほうへ行って、少し歩度を伸ばしてみる。んー、ダメだなー、脚使おうとして逆にカカトが上がって馬から離れてきてるぞ、俺
カネ、どっち得意なんだっけ?左? んぢゃ左手前で走ってって、駈歩用の横木を5本またぐ。おお、いいね、逃げず止まらず駆け抜けてくよ
んぢゃ、今度右ね。横木走りぬけたら、そのまま大きくまわってもう1回、2周くらい右手前で継続、べつに勝手に左に替えようとかって動きはなし。褒めて、こんどは左手前でもう1回、なんかこっちのほうがやっぱ気持ち良さそう
何回か横木走りぬけたあと、どうやら前に出てるのを感じられるようになったんで、また速歩。わりとアタマを前の方に下げてくるんで、あんまり引っ張りすぎないように、適当に調子あわせてみる。アブミをぬいで、地上横木を何回か通過
どうにもうまく乗れてなくて、例によって終わるころ、ようやく良くなってきた気がするけど、練習おしまい。

そんな汗かいてなかったけど、洗い場行ったら「水ーっ!」って主張してました、カネショウエイコウ。

水飲んで、脚とか洗い終わったら、「リンゴーっ!」だとさ。
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野武士のグルメ

2011-02-21 16:12:28 | 読んだ本
久住昌之 2009年 晋遊舎
きのうから、食べることについて書いたもののつづき。
「孤独のグルメ」の原作者である久住昌之が、ひとりでメシを食うことについて書いたエッセイ集。
タイトルは、「野武士のような男になりたい」って、著者の願望である。
この場合の野武士ってのは、腹が減って、知らない飯屋の引き戸をいきなりガラッと開けて、ズンズンと店の奥に歩み入って、どっかと座って、「オヤジ、飯だ」と声を張って吠える、そーんなイメージ。
現実には、そんなことができるわけもなくて、初めての店に入るときはドキドキするし、知らない街で腹が減ると商店街を何度も往復してしまうんで、あくまで願望なんだけど。
オープニングの「釜石の石割桜」は、「孤独のグルメ」の文庫版にあとがき代わりに収録されてるんだけど、まあそのへんの、常連さんばっかりだったらどうしよう、なんて店決める前の逡巡する心境から始まって、お店のひとに何か料理すすめられると、断ったら気を悪くしないかな、って苦労しちゃう心理とか、でも食べるとうまいとか、そんなことが描いてあるだけってばだけなんだけど、リズム感もあって面白いと思う。
コンテンツは以下のとおり。「孤独のグルメ」にも、「ダンドリくん」とか他作品のなかでも見せる食いものへのこだわりにも、つながるような部分は、もちろんあります。
必ずしも、よかった・うまいもん食った話ばかりぢゃなくて、ハズレを引いちゃったときのことも書いてあるのが、いいですね。
「釜石の石割桜」
「生野菜定食、焼肉付き」
「冷やし中華ライス」
「雨漏りのコの字カウンター」
「殿様の麦とろ飯」
「朝のアジ」
「九月の焼きそビール」
「悪魔のマダム」
「死んだ杉浦日向子と飲む」
「七人の酔客」
「タンメンの日」
「おじいさんの夕餉」
「おはぎと兵隊」
「かっこ悪いスキヤキ」
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酒肴酒

2011-02-20 19:50:43 | 読んだ本
吉田健一 2006年 光文社文庫版
吉田健一のつづき、エッセイ集(こういう人の書いたのは“随筆”って呼んだほうがふさわしいか?)。
タイトルは「さけさかなさけ」と単純に読む。
その名のとおり、飲むこと食べることについて書いたものが集められてる。
食べることについて書いたものが多いと思われてる作者であるが、そのへんのとこ「二日酔い」という一節では、
何でもいいから書いてくれといわれると、きまって食べもののことが書きたくなるのは不思議である。それでいて、食べもののことについて何か書けといって寄越されると、馬鹿馬鹿しいと思う気持ちも手伝って(略)、断り続けている。
と複雑な心境(?)を明かしたりしてる。
「舌鼓ところどころ」という章は、どうやら雑誌の出版社に依頼されて、日本のあちこちの「食べもの行脚」を文章にするという企画だったらしい。
どこの店で、何を食べて、それは何円だったとか、わりと細かく書いてあるんだけど、最後のほうで、
食べて廻る旅行も、あとで原稿を書くことが目的であるためにすべてがぶち壊しになる。とか、
やはり始終、何か食べては手帳につけていなければならない。そしてそれをやっていては、大概のものがまずくなる。とか、
うまいものを食べながら、これをどんな言葉で書き立ててやろうかなどと考えるのは下の下のこと
などと本意ぢゃない仕事だったようなことを語ってます。
でも、それらの記事を読むと、それにしても、よく食べるなあと言いたくなる。
食べるのにもまして、まあ、よく飲むなあと感心する。朝から昼から夜まで、飲みどおしである。
酒というもの、日本酒にかぎらず、あらゆる酒のよさということについても、あちこちでいろんな書き方してるけど、たとえば、
しかし酒というのは勿論、味だけの問題ではないので、ブルゴーニュの白葡萄酒を注いだ盃を口に持って行くと、ほら、唇を濡らしたよ、舌の上に乗ったよ、喉を通っているよ、お腹に降りたよと、酒の味、匂い、厚さその他、一切の機能を挙げて知らせてくれて、何だか生きているということが嬉しくなる
なんてのを読むと、特に最後の“生きているということが嬉しくなる”あたりで、私なんかは烈しく同意してしまう。

「文学に出てくる食べもの」という一節では、小説のなかに書かれている食いものについて紹介してくれてるんだが、これはすごいと思ったのが、シリル・コノリーという批評家の「月桂冠に蔭を」というなかに出てくる料理。
オリーヴの実を頬白(ホオジロ)に詰めて、それを蒿雀(あおじ)に詰め、それを鶉(うずら)の中に入れ、それを千鳥に詰め、それを小綬鷄(コジュケイ)に入れ、それを山鴫(やましぎ)に詰めて、それを小鴨に入れ、それをほろほろちょうの中に入れて、それを鷄(ニワトリ)の中に入れ、それを雷鳥のなかに入れ、それを鵞鳥のなかに入れ、それを七面鳥の入れ、それを野雁に詰める。
この(ホントは途中で葡萄の葉で包んだり、もっと手間がかかってる)詰め物を、調味料とかと一緒に鍋に入れて、二十四時間とろ火で煮る。んで、できあがったら、順にまわりの鳥を開いて捨てて(!)、最後にオリーヴの実を取り出して、それを食べる。…いいね。

全編をとおして、小説の「金沢」とはちょっとちがったリズムのよい文章で、サクサク読んでいけた。
作者のいいところは、各所で触れてるんだけど、いわゆる通になんかなりたくないってスタンス。
なので、雑誌の取材とかで仕方なくメモった記事以外のとこでは、うまいもの食べたことについて書いてても、意外と“わからない”、“知らない”、“おぼえていない”とかって言葉でサラッと通り過ぎてたりする。「どーだ、俺はうまいもの食ってるんだ、何でも知ってるんだ」的なものが感じられないのが、読んでて気持ちいい理由のひとつだと思う。
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金沢・酒宴

2011-02-18 20:30:07 | 読んだ本
吉田健一 1990年 講談社文芸文庫版
まあ、とくに何というわけでもないが、読んだことのない吉田健一を読んでみようと思い立った。
金沢ったら、金沢競馬しか行ったことないんだけどね、私の場合。また行ってみたいなー(競馬ぢゃなくて)と去年の秋頃ふと思ったとき、この小説にたまたま行き当たった。
独特の文体ということは、なんとなくウワサにきいていたが、そういうのは要は音楽みたいなリズム感の問題なんで、読んできゃそのうち馴染むもんだと思ってたんだけど、なかなか文章の波に上手に乗ることができなかった。
たとえば、>それが金沢だったのはその理由を既に言ったようなもので一つの町が変らずに一つの場所でその町であるのは伝統とか何とかいうことに説明を求めなくてもそこに住む人間の生活の問題であり、これは逆に伝統とか何とかいうのはその場所に住んでいる人間の生活に求めなければならないということである。みたいな文、スラっといかず、一度戻って読み直しちゃうことが多い。
それはそうと、何の話かっていうと、東京に職業(経営者かな)も住居も持っている男が、なぜか金沢が気に入って一軒の家を借りて、時間ができるたびに金沢に通ってきては無為の日々を過ごし、その土地で出会ったちょっと変わった感じの酔狂なタイプのひとたちに招かれて旨いものを食べたり酒を飲んだりするって話なんだが。
そのあたり、第2章に入ったところで著者自らが、>「やはり既に書いたことで解る通り、これは或る所で何もしないでいた一人の人間にそこで起った色々なことの話である」って書いてるように、主人公は何をするってわけでもないことは確かである。
途中、読んでると、これは男の身の上に起きた夢だか現だかわかんないって感覚に襲われたりして、ちょっと不思議な感じの小説。この文庫の解説で四方田犬彦は「ユートピア小説」と呼んでるけど、私が受けた感じは、うまく説明できないけど、諸星大二郎の「桃源記」を思い出させるものだった。
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COBRA Magic Doll

2011-02-16 20:44:34 | マンガ
寺沢武一 2006年 メディアファクトリー 前・後編2巻
一日おいて、前回のつづき。
「コブラ」の新しいやつ。
昔のマンガをめぐる最近の出版の常として、コブラも版を変えていろいろと出てたみたいなんだけど、それをいちいち買ってるヒマはないんで、昔のコミックスだけを繰り返して読んでたんだが、どうやらこれは新作なんだってことだったんで、即手に入れてみた。(…つってももう5年前の話か、早いもんだ。)
フルカラーCGコミックスってことで、絵が、私のなじんできた、フツーのマンガぢゃありません。
慣れないと、なんかコマのなかの遠近感っつーかそういうのが、奇妙な感じがします。キレイったらキレイなんだけどね。
ストーリーは例によって、海賊ギルドの殺し屋と戦うんだが、武器や乗り物まで、機械がぜんぶ、疑似生物化しちゃうという謎の星が舞台になってて、昔のシリーズで出てきた「人形使いのマリオ」ってキャラが出てくるのがなつかしかったりする。
新しい登場キャラも、“日焼けマシーンに入ってる、クリスチャンのドラキュラ”とか秀逸なセンスはあいかわらず。
敵方に“スチームパワード”という名の女性型サイボーグが出てくんだけど、これが背中に蒸気機関っぽい歯車とエントツを背負ってて、ボオオーって煙突から音が出ると怪力を発揮すんだが、こないだ観た「スチームボーイ」で、似たように携帯する蒸気機関装備で戦闘にのぞむ蒸気兵とかってのが出てきたんで、それ見てこのコブラを思い出したっつーのもある。
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