many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

乗馬は、お休み(雪)

2012-01-24 10:19:59 | 馬が好き

茨城県でも、きのうの晩、雪が降ったよー。
しかし、東京のひと(っていうかマスコミ)、なんであの程度の雪で、大雪だとか大騒ぎするかな。

私は、ちょうど雪が降ってるなかを、常磐道クルマで帰ってきたんだけど。
出発したときは小雨だったし、道路情報も確かめて出たんだ。(ノーマルだし)
美浦に到着してから道路情報みたら、首都高下りは八潮南から三郷まで通行止め、常磐道はチェーン規制になってた。(朝になっても変らず。)

それはいいとして、夜中に雪はやんだんで、今朝はもういい天気だし、路面の凍結だけ気をつければいいかなと。
でも、8時前に乗馬苑を見に行ったら、ありゃりゃ、ダメだ、こりゃ。


よって、本日予定していた、乗馬の練習は、休みにした。また来週ぅー。
(札幌のひとには「そんなの小雪っしょ!?」って言われちゃいそうだけど、覆馬場なんて無いんだもん。)
あーあ、せっかく今日は、前肢旋回と斜め横歩に取り組もうと思ってたのになー。(←乗んないと強気なこと言う)

顔を見に行ったら、きっと馬たちに「なんだ、運動しないのかよ、根性無しだな」とか言われちゃうだろうから、コソコソと退散しよう。
おっと、待てよ、そうだ、新しい馬が来てたんだ。

カシマストロング。2007年生まれ牡5歳、鹿毛、父プリサイスエンド・母カズノマーベラス・母の父カーネギー。
くりくりした目で、かわいいぢゃない。
(初対面で、ちょっと警戒されてたかもしれないけど。でも、おとなしそうだ。)


※おまけ
年末に障害飛んだときの画をもらったんで、せっかくだから、恥も外聞もなく、ここに貼っといてみましょう。
オリアンダーで100センチ障害

(乗馬してるのビデオであとから見ると、かならず思ったより遅く見えるものです。)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

けだものと私

2012-01-23 19:02:09 | 四方田犬彦
四方田犬彦 平成12年 淡交社
表紙は『美女と野獣』(1946年)。
まえがきの「けだものと私」を読むと、なんの本かと面食らう。
だって、著者のそばにはいつもけだものがいるって衝撃的告白から入って、
>しばらく前からけだものは、私が机の前を留守にしていると、かかってきた電話に出たり、頼みもしないのに私の原稿注文を勝手に引き受けたりするようになった。(略)今では勝手にキーボードを叩いて、私のかわりに原稿を書いたりする始末だ。(略)
正直に告白しておこう。これから読者がお読みになることになるこの書物は、実は半分くらいがけだものの、見よう見真似のタイピングによって書かれたものである。(略)
という本だって宣言がなされてるんだから。
それでいて、最初の章が「猿山の猿」ってタイトルで、動物園に新しい猿山が完成したんだが、いよいよ猿を入れるその前の晩に、みんなで猿山の内側でビール大会をしよう、って話だから、よけい何なんだ?って思っちゃう。
で、あとがきのほうを読めば、何の本かってのは種明かしされてる。
この書物は一九九五年から二〇〇〇年にかけて『週刊SPA!』に私が連載したコラムを中心として、なるべく機嫌期限 (2019年2月訂正) がいいときに書いた文章を取り出して纏めあげたものである。
ということで、そういうエッセイ集みたいなもの。なんで、こういうタイトルをつけたかって理由も書かれてる。
ちなみに、機嫌が悪いときに書いたものを集めたのが『狼が来るぞ!』らしい。
週刊誌のコラムが大部分だけど、構成としては、その日付順ぢゃなくて、まあ似たようなテーマ別に再編成されている。コンテンツは以下のとおり。
・猿山の猿
・いつもオフシーズン
・失楽園の思い出
・騒音立国日本
・漫画は越境する
・いまだに、映画
・夢の残骸
・人生の勝敗
・究極の金魚
・チューリップ返し
・物語を切替える
・天然の鰻
・サングラスと帽子
・次の千年
ひさしぶりに読み返してみたら、すごく面白い。
面白い話のいくつかをここにリストアップしようにも、数えてくうちに増えすぎちゃって間に合わないから、やっぱやらないくらい。
いつ何度読んでもおもしろいと言えるような話がいっぱいなのに、なんだって私はこの本を10年以上も放っておいたんだろう、と反省というか不思議に思った。

ところで、「いまだにゴダール」という一節では、岡崎京子が事故にあった1996年の9月に書かれたこともあって、去年2011年にでた「ゴダールと女たち」を読むまで私は忘れてたんだけど、ヲカザキとゴダールの関係にも触れられている。
岡崎京子と押井守に共通しているものは、何だろうか。(略)それは彼らがこれから人生で何かをしようという直前の時期に、ジャン=リュック・ゴダールというスイスの映画監督に出会ったということだ。二人の作品を見ると、このヌーヴェルヴァーグの異端児のフィルムにあるとき夢中になり、こんなこともアートの世界では可能なのかという刺激を与えられたという痕跡が、ありありと認められる。岡崎の『pink』と『チワワちゃん』は、ともに彼女なりに『女と男のいる舗道』を描いてみたいという試みであったし(略)
だ、そうです。
その先がスゴイんで、また、引用しちゃえ。
ゴダールを観たか、観なかったかでは、作るものがガラッと違ってしまう。一度でも彼のフィルムに囚われてしまうと、他の映画が馬鹿馬鹿しく見えてきて、必ず自分の作るものにゴダールが反映してしまう。(略)ようするに、ゴダールを知らない奴はクズだというわけだ!
…クズだっていう結論の前の(略)の部分には、映画監督とか作家とか写真家とかミュージシャンの名前が入って、比較対象されてる、たとえば「坂本龍一の音楽には(まあ消えかかっているが)ゴダールの残響が響いているが、さだまさしはゴダールなど観たこともあるまい」みたいに。(あ、実名出しちゃった。)

ちなみに、この文章のなかにも、「ゴダールと女たち」のあとがきにもあった、
デビュウ当時の彼女の漫画のなかには「四方田クン」という映画マニアの男の子が登場したりもした
ってエピソードがありますが、私の探した限りでは「四方田クン」は、「ボーイフレンドisベター」(昭和61年白泉社)の冒頭に収録されている『ウォーキン・オン・サンデー』に出てきます。
予備校で知り合った、19かハタチくらいの3人、キミコ、チーコ、レイが下北沢の駅で待ち合わせて、日曜日に女ともだちどうしでブラブラ歩くっつー話ですが、その日欠席したミホコの彼氏が四方田君。
>も一人のミホコは 彼氏の四方田君と 仲よく予備校に 通ってます
という一コマでメガネかけた男子として登場。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ベイ・シティ・ブルース

2012-01-21 18:25:51 | 読んだ本
レイモンド・チャンドラー/小泉喜美子訳 昭和63年 河出文庫版
ハードボイルドつながり。
なんといってもフィリップ・マーロウ。
タイトルだけは知ってたけど読んだことなかった『ベイ・シティ・ブルース』を読みたくて、この文庫が出たときに買ったんぢゃないかと思うが。
『赤い風』『密告(さ)した男』『ベイ・シティ・ブルース』の三短編が入ってる。
訳者あとがきによれば、正確にはもともとマーロウが主人公ぢゃない設定で書かれたものもあるらしいが、一応ぜんぶマーロウの名前になってる。
ひさしぶりに読み返したけど、おはなしのなかみより、独特の比喩をつかった語り口が、読んでるだけで単純に楽しい。
いくつか抜き書きしてみましょうか。

>あれは金曜日だったはずだ。隣のマンションにあるコーヒー・ショップから漂ってくる魚の匂いがその上に車庫でも建てられそうなくらい強かったから。

>彼自身の息づかいもシャツにアイロンをかけられそうなくらい重たげだった。

>私は泣き言を行った。私の声は通りの向かい側のラジオの声のように遠く聞こえた。

>彼のあごが下がってきたので、なぐりつけた。最初の大陸横断鉄道工事のとどめの犬釘を打ち込むようになぐった。

>ようやく、彼女は焦げたトーストの耳くらいの柔らかな声を出した。

>青年はもう一杯、ライのストレートを注いでやったが、それを持って出てきたときはお祖母さんを蹴とばしでもしたようなうしろめたい顔をしていたので、さてはカウンターのかげで水増ししたなと私はにらんだ。

…かっこいいですね。
(まあ、かっこいいと思うか、鼻につくと思うかは、ひとそれぞれかもしれないけど。)
なにがかっこいいって、これらはムダなことだってのが、ひとつの理由として私なんかは感じる。
なくても意味とおるって観点からしたら、ムダなこと。でも、そこにこだわって、何かつけたしてるとこが文章表現のおもしろさでしょ。
(ホントは原語で読んだら、リズム感のようなものも、もっと感じることができて、楽しいのかもしれないが。)
私もこういうの読んでたころは、カネはないけどヒマな時間ばかりあったんで、何か書きつけようとする際には、けっこうこーゆー言い回しをいちいち考えようとしていた。
会社はいって仕事するようになると、くだらない文書ばっか作るようになって、そういう感性のようなもの、どっかに忘れてきちゃったような気がする。
少しとりもどさねば、と思う。

※1月23日付記
村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』に、
>ウェイターがやってきて宮廷の専属接骨医が皇太子の脱臼をなおすときのような格好でうやうやしくワインの栓を抜き、グラスにそそいでくれた。
ってのがあるんだけど、これが好きなんだな、私ゃ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

告別

2012-01-20 19:31:45 | 読んだ本
ロバート・B・パーカー/菊池光訳 1992年 ハヤカワ・ミステリ文庫版
きのうまでとは何の関係もなく。
ひさしぶりに「スペンサー・シリーズ」を読み直してる続き。11作目かな。
前作からの展開のつづきで、スペンサーの恋人スーザンはハーヴァードを卒業して、ボストンから遠い遠いサン・フランシスコに行っちゃう。
探偵の仕事のほうは、ダンサーのはしくれになった(『初秋』の)ポール・ジャコミンが持ち込んできた、その舞踏団の女性ダンサーが宗教団体に誘拐されたのを捜すっつー事件。
まあ、そんなことは主眼ぢゃなくて、スーザンが去ってしまったことのほうが、小説のなかでは重要なんでしょう。
だから、なんか事件にはうわの空ってほどでもないが身が入ってない感じでスペンサーが動いてるように見えちゃう。
とは言うものの、近所で新しいガールフレンドを見つけちゃうあたりが、デビューのころから変わってないスペンサーの才能なんだけど。
で、依頼された仕事は、簡単な人探しだと思ってたら、おなじみのギャング、ジョウ・ブロズとかも出てきて、背後は意外と複雑で、でかい悪事がからんだ事件に発展してく。誰がいちばんの悪人かわかんないややこしさ。
そんななかで、3作前である『残酷な土地』での失敗を、らしくもなくウジウジと、まだ気にかけてたりする一面をみせるスペンサー。
単にスーザンがいないからか、はたまたスーザンから電話が来たためにかえって動揺しちゃったからか、判断ミスっていうのは酷かもしれないけど、調子が悪いんだろう、事件解決にあたって最後に痛い目にあっちゃう。
私生活うまくいってないと、仕事にいい影響ないね。って、そういうテーマぢゃないか。
でも、やっぱ、このへんから、シリーズとしては、私には難しくなってきたなあと、読み返して改めて思う。
エピソード一話完結ぢゃなくなってくるからね。延々と次へ続く、あるいは次回急展開を乞うご期待、ってなってくると、ちょっと探偵ものというかハードボイルドを読むのに求めてるのとは、違ってくるんだよね、私にとっては。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Music From POWER HOUSE

2012-01-19 20:27:24 | 忌野清志郎
KIYOSHIRO&2・3’S 1993年 東芝EMI
きのうの時点では、もういっちょ諸星大二郎を連続でとりあげようと思ってたんだけど(「ぼくとフリオと校庭で」って単行本)、今日はなんか面白くないことばっかなんで、ちょっとマンガについて語る気分ぢゃなくなってきた。
だったらブログなんて書かないで、ふて寝しちゃえばいいんだけど、なんとなく「善良な市民」が聴きたくなったんで、キヨシローに登場願った。
その曲が入ってる、忌野清志郎&2・3’S(ニーサンズ)のふたつめのアルバム。
「善良な市民」ってのは、
泥棒が 憲法改正の論議をしてる
 コソ泥が 選挙制度改革で揉めてる
 でも 善良な市民は 参加させてもらえず
 また 間違った人を選ぶ
で始まる、詞・曲:忌野清志郎の曲なんだけどね。
泥棒が 国際貢献をしたがっている
 大義名分を掲げ また 二枚舌を使う
 でも 善良な市民は 見知らぬ土地で
 弾に当って 死んじまうだけさ
だなんてとこ聴くと、当時何があったんだっけって思っちゃう一方、この国は何も変わってねーなって気もする。
それはそうと、このアルバムには、「プライベート」、「お弁当箱」、「アイドル」といった、私としてはキヨシロー史上でもわりと好きなロックンロールが入ってるんで、なかなかイイ。ときどき大音量でかけたくなる一枚。
「この愛が可愛そう」を聞くと、泣きたい気持ちになって、やばくなるけどね。

1.FUCK YOU
2.北風
3.プライベート
4.お弁当箱
5.君といた頃
6.手紙のうた
7.善良な市民
8.アイドル
9.NERVOUS
10.メルト・ダウン
11.この愛が可愛そう
12.死にたくなる
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする