かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

ミュージアム巡り

2023年10月04日 | Culture・Arts


今日は、小雨が降ったり止んだり。
気温も、低く、本格的な秋到来?
ニッチなミュージアム2館に行ってみた。

まずは、初めての角川武蔵野ミュージアム。
東所沢駅から歩ける所にある。
存在すら知らなかったのだが、eテレで、本展の紹介があり、訪れてみた。
まず、異様な外観。
ロック・ミュージアムと名付けられているようだ。



ツタンカーメンの青春という企画展。
ヒエログリフ解読200年、ツタンカーメン王墓発見100年。
体感型古代エジプト展を銘打っているが。



最初に10分ぐらいのツタンカーメン王墓発掘時のビデオが流され、探検開始という感じで、穴に入っていく。
そして、最初に現れるのがこれ。
凄い精巧なレプリカ。
世界に3セットしかない、超複製品(スーパーレプリカ)と呼ばれているそうだ。



まさに埋葬時の輝きを再現している。
監修、映像、音楽とも、その世界の第一人者がそれぞれ担当し、最高レベルのエンタメになっていた。
私が小1の時、来日したお宝だが、その後、門外不出になり、エジプトに行かないと、見れない。
それが、こんな間近で、見れる。
当時見に行ったが、ほとんど記憶にない。
まだ、子供で、見上げて見たように思う。



圧巻は、この空間。
ツタンカーメンのミイラが納められていた棺が、実物大で、ずらりと並んでいる。
一番先に、有名なマスクがあるのだが、一番手前の棺は、巨大。
しかもみな金色に輝いている。
精巧な絵や文字が、隙間なく刻まれている。



これが黄金のマスク。
数あるマスクの中でも、最も豪華なものだ。



この展示室の脇にもいろいろなコーナーがあり、ここはヒエログリフのコーナー。
懐中電灯で、ヒエログリフの説明書きがある壁を探検する趣向。
それにしても、よくこの文字を解読したものだ。



これは、副葬品の展示。
その他にも、多数展示されており、全部で132点再現したという。
どういう技術なのかわからないが(3D コピー?)、感嘆するしかない。



会場の奥がすべてスクリーンになっており、20分の美しい映像と音楽が体感できる。
これを見るだけでも行く価値あり。
ということで、エジプトに少しでも興味のある方に、絶対お勧めできる。



次に訪れたのが、東京富士美術館。
ここは2回目だが、前回は、車で来た。
今回は、東所沢から電車とバスで。
不覚にも、国立で乗り換え損ね、青梅線で数駅行ってしまってから引き返した。
八王子駅からのバスは、20分おきで、便利だが、350円は、ちょっと高い?



ここは常設展。
コンパクトながら、見応えのある絵が並んでいる。



ダビンチの幻の絵を探るコーナー。
前にも見た記憶があるが、ウフィツィ美術館と交互展示しているそうだ。
後代の模写が4セットあるそうで、そこから、元の絵を探ろうとしている。



今回の目玉は、この大シルクロード展。
シルクロード展には、いろいろお邪魔しているが、最高レベルの展示だった。
一美術館が、このような展示ができるのは、某学会の某氏が、永年築いてきた中国との親密な関係によるところが大きい。
中国各地の博物館から、名品が多数集合し、展示されている。

中は、写真撮影禁止で、紹介できないが、中国や、日本の博物館で見た逸品との再会も多数あった。
その時、メイン展示であったものが、何気なく、ワン・オブ・ゼムで展示されている。

別室で、平山郁夫シルクロードミュージアムからの展示や、過去の敦煌展で展示されていた、莫高窟壁画の模写の展示などもあり、こちらも見応えあり。



この棺は、レプリカだが、精巧なもの。
見応えのある展示で、シルクロードファンは、マストだろう。



莫高窟の石窟の再現も。
こちらは、立体的なレプリカではないので、石窟の雰囲気を味わいたい方向け。
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めでたい鏡の世界

2023年07月28日 | Culture・Arts


今日は、たぶん数十年振りに五島美術館に行ってきた。
以前行った時は、目の前にロールスロイスが停まっていてびっくりした記憶がある。
隣は、五島家の大邸宅だ。

今回の目玉は、所蔵の古鏡の特別展。
その他若干の常設と、書入れ本と自筆資料展が開催されていた。
後者の方も興味深い展示。
元は鶴岡八幡宮にあったという重文の愛染明王坐像は、迫力があった。



古鏡展は、五島美術館所蔵のものの展示だが、国宝、重文も多数あり、そのデザインもバラエティに富んでおり、すばらしかった。
特に保存状態がよいものが多く、見甲斐がある。
ほとんどが中国のものだが、日本の物も展示されている。
やはり、中国の物の方が、しっかりしているし、時代も古いものが多い。

その他の書や、古代の馬具類も展示されており、こちらも名品ぞろいだった。
以前来た時は、確か源氏物語絵巻の展示だと思ったが、今後も定期的に訪れたい。
上野毛駅から近いので、行くのも便利だ。



庭がまたすごい。
これば、庭の立派な松。



この門は庭園の入り口。
庭園内は、よく手入れされており、アゲハや、トンボが飛び交う別世界が広がっている。
五島慶太肝いりの庭園だ。
入るとすぐ稲荷丸古墳があった。
背の低い円墳のようだった。
多摩川沿いに、古代から人が住んでいた。



さらに進むと、ビル街が見下ろせる展望台が。
そこから、崖を降りるように、庭園が続く。



赤門があり、そこから仏像などがいたるところに。



六地蔵。



五島慶太が建てた北条時政の守山城跡の碑。



最後に大日如来像が。
ぐるっと回って、15分ぐらいだろうか。
展示も庭園も見事だった。
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ガウディとサグラダ・ファミリア展

2023年07月08日 | Culture・Arts


今日は、西日本は大雨になっているが、こちらは、雲はあるものの、雨はお湿り程度。
蒸し暑い。
行きたかったガウディとサグラダ・ファミリア展に行ってきた。
すぐ入れはしたものの、中は、大混雑で、平日に行けばよかったとちょっと後悔。
土日だけでも、時間指定予約にした方がいいかもしれない。



前半は、ガウディの生涯や、遺した図面、サグラダ・ファミリア前の作品などが展示されたり、説明されたり。
そこの部分は、撮影不可だが、第三章のサグラダ・ファミリアの軌跡のコーナーのみ、写真撮影可。
ここは、ダイナミックな立体的な展示が多いコーナー。



日本人の外尾悦郎による歌う天子たち。
1990年から2000年に設置された。
明治時代から延々と建築が続いており、設計も、都度変更されてきている。



ガウディによる十字架の模型。
全体の設計はもちろん、一つ一つの造形、家具、柱の構造、全て、ガウディのあふれるアイデアが元になっている。
もう、変人?



完成予定図。
複雑な構造で、様々な方向から見ないと、全体像がわからない。
訪れたのは、7年ぐらい前だったから、さらに、建設は、進んだだろう。
当時も、中はほぼ完成していたし、エレベーターで、人が登れる最高点まで行くことができた。



サグラダ・ファミリアの模型。
最近作られたもの。



マルコの塔の模型。
現物は、果物のような彩色がなされる。
ということで、サグラダ・ファミリアに行ったことがある私は、楽しめたが、行ったことがない人には、その壮大感が伝わったか、ちょっとわからない。
あの巨大な、凝りに凝った建築物を展覧会で、展示することは、ちょっと無理?



次に、行ったのは、東京こけし友の会のホームページで知った、西荻窪のイトチという喫茶店?で行われている美しいこけし展へ。
中は、撮影禁止でお見せできないが、1階は喫茶で、2階が展示。
1階は、今晃氏と石川美祈子氏の作品が展示されている。
ダージリン産の新鮮な紅茶をいただいた。

2階が、東京こけし会主催の展示。
展示は、胴模様に焦点を当てた展示。
そして、小さなこけしの販売もやっていたので、古品を2品ゲット。
案内いただいた方が、東京こけし会の会長さんということで、恐縮した。



最後は、小野神社。
一宮という認識はなかったのだが、先日紹介した本に、本社も武蔵の一之宮とあったので、参拝してきた。



名前は、延喜式にあるので、由緒あることは間違いないのだが、その後の経緯がよくわからないようだ。
南北朝時代の書には、本社が1で、氷川神社は、3になっているとある。
この辺は、まじめに回ろうと思ったら、疑わしい所は潰していくしかないのだが、そこまでは。



当地には、渡しがあったそうで、その記念碑。
多摩川からは、ちょっと距離があったようにも思うのだが、ここに一宮があったということは、川も近かったということなのだろう。

贅沢な1日を過ごすことができた。
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古代メキシコ展

2023年07月07日 | Culture・Arts


今日は、完全に夏。
と言っても、まだ梅雨明けではないようだが。
12時には、7/7恒例のLove &Peaceイベント。
今年は、場所を変えて、増上寺。
こちらの方が、近くてありがたいが、天気よすぎ。

このイベント、15年ぐらい前に、リンゴに誕生日に何が欲しいかと尋ねたところ、Love & Peaceと答えたことから、毎年、世界中で行われるようになった。
オーストラリアで、やっているかわからないが、日本が世界で一番早い方のはず。
世界中のイベントが、SNSにアップされる。



リンゴから日本らしいところで、というリクエストがあって、今年は、東京タワーが見える、増上寺になったとのこと。
それにしても暑かった。

行列の準備がされていたが、七夕ではなくて、安倍元首相の一周忌だつた。
合掌。



そして、上野の東京国立博物館へ。
噴水で、涼んでいる女の子3人。
これは、結構絵になる。



特別展は、メキシコ展。
メキシコ国立人類学博物館の御宝が大挙来日。
大きな石像なども多く展示されているが、かつて行った時の写真を見てみたら、もっとでかいものがゴロゴロ展示されていた。
ただ、遠く日本まで、これだけの物を運んで来ただけでも、たいへんだったろう。
写真オール可だったので、なるべく多く紹介したい。



人類は、アフリカで生まれ、ユーラシア大陸を経由し、北米、南米と移動したと言わている。
南米は、人類の歴史で言えば若い方になるが、この石偶は、紀元前1000年から、400年に作られたと言う。
この濃い顔に、これから続く文明の元を感じる。



これは、装飾髑髏。
15世紀頃のお面だが、本物の髑髏を使っている。
生贄の文化が残った文明だった。



グッド・デザイン。
クモザルの容器。
アラバスター製で、当時は、加工が難しかった。



これは、目玉の一つの死のディスク石彫。
巨大な石彫だが、1964年の発掘で見つかったという。
テオティワカンの太陽のピラミッドから見つかった。
15年ぐらい前に訪れたが、立派なピラミッドだった。



これは、3世紀ぐらいに作られたマスク。
緑色岩で作られた。



火の老神石彫。
背景にあるテオティワカンの太陽のピラミッドで見つかった。



シパクトリ神の頭飾り石彫。
これも、テオティワカンにあるピラミッッドの四方の壁画と飾っていた。
時の始まりを象徴する創造神。



蛇神石彫。
このような石彫は、ピラミッドそこかしこにあったと思う。



テオティワカンのトンネルの最奥部で見つかった立像。
特徴をよく表している。
紀元3世紀頃のもの。



派手な鳥形土器。
3世紀から、6世紀のものと考えられ、発掘者から、奇抜なアヒルと命名された。



これは、結構見事。
香炉とあるが。
4~6世紀のものとのことだが、独特だ。



これは、三足土器だが、絵が興味深い。
生贄儀礼の様子が描かれている。
インディジョーンズも思い起こされる。



鏡の裏。
日本の銅鏡とは別物。
装飾部分は、土製だ。



トニナ石彫。
サッカー?



これは、マヤ文字。
初めて見た。
ほとんど漫画みたいな文字なのだが、解明が進んでいるという。
アルファベットみたいに並べられるのかな?



見事な香炉台。
7~9世紀のマヤ文明のものという。
何と仰々しいことか。



そして、これが、目玉の赤の女王。



1994年の発掘で見つかったそうで、映像も残っているが、大発見だった。
そして、ばらばらになっていた副葬品を組み上げて、この姿がよみがえった。



このチャクモール像も、古代メキシコ文明を代表するもの。
10世記前後のものと考えられている。
現地でも見たのだが、同デザインの別物だった。



これも見事で、木、トルコ石、貝、サンゴなどで作られた円盤。
10世紀頃のものというか、正倉院と比べると新しい。



チチェン・イツァのアトランティス像。
メキシコにもアトランティスいたのか。



これも結構インパクト大。
鷲の戦士象と名付けられているが。
15世紀のもの。
アカデミー賞受賞の映画で、こんなのなかったっけ?



これは、色がいい。
ドラクロ神の壺。
15世紀製。



これは、エエカトル神像。
猿みたいだが、口は、嘴?
メキシコシティ出土。
メキシコシティは、スペインにより、完全に作り変えられた。



テポナストリと呼ばれる木鼓。
音はわからないが、デザインは、美しい。



ウェウェテオトル神の甲羅型土器。
これまで、大味な展示が多かったが、これは、緻密。
一つの線がつながるのではなく、複数の線が、交差しながら、西欧の侵略にいたるという印象を持った。
なかなかない機会なので、世界の古代文明に興味のある人は是非。
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日本の神様を知っていますか

2023年06月29日 | Culture・Arts
雨は、あまり降らないが、ムシムシ梅雨らしい天気が続いている。
今日も、夜、飲み会。



”日本の神様を知っていますか”と題する講演を視聴。
元々、リアル講演会に行く予定だったのだが、別件が入り、オンライン視聴に切り替えたが、全く問題ない。
国学院大学教授の平藤教授の話だったが、ひじょうにわかりやすく、頭の整理にもなった。

最初、三社祭りの話から入ったが、確かに、何でお寺発?
日本の神様は、身近なようで、知らないことがひじょうに多い。
日本に神社は、8万、お寺は、7万5千あるそうで、地域によって違うが、総数では、コンビニの数を上回る。



世界を見渡すと、いろんなパターンがあるが、日本で言うと大きく、神話に登場する神、民間信仰から生まれた神、元々人間だった神と大きく3つに分けられる。
ただ、事はそう単純ではない。
例えば、富士山の頂上は、浅間大社の所有となっているが、元はかぐや姫を祀っていたという。
ところが、いつのころか、記紀に出てくる木花咲夜姫(コノハナノサクヤビメ)を祀るようになった。
記紀に関係すると、社の格が上がることが原因らしい。



稲荷神社も然り。
そもそも稲荷神が何なのか、定かではない。
伏見稲荷大社が総本山だが、元々稲作や、穀物にかかわる信仰だったが、空海が、東寺の守護神とし、空海の信仰が全国展開するにつれ、稲荷信仰も広がり、商売の神になっていった。
そもそも伏見稲荷大社の土地は、渡来人の秦氏の本拠だったという。
狐も元は、鳥だったといい、狐になった原因は、しっぽが稲穂に似ているとか、色が稲に似ているからとか、いろんな説があるそうだ。



話は、世界の神話に展開。
そもそも神話学は、神話を様々な角度から比較・対照したり、分析したりすることで、個別の文化の特徴や、その社会に属する人たちの物事に対する考え方を検討する。また、人類の足跡や、人類に普遍的な思考・観念について考察することという。
ただ、キリスト教が広く長く信仰されていたため、神話学として始まったのは、19世紀になってからで、古くはない。
その中で、各国の伝承が掘り起こされれ、その相互の影響等が研究されるようになった。
グリム童話で有名なグリムはもともと言語学者だったが、その調査の中で、様々な伝承(寓話)をまとめていくに至ったという。

日本の神の中では、オオクニヌシ、スクナヒコ、オオモノヌシと、いずれも古事記に登場する神々が取り上げられたが、いずれも、医療に関連している。
それを海外の神々にと比較すると、ギリシャ神話のアスクレビオスが当てはまり、そのシンボルであった杖に巻き付いた蛇のデザインは、今も使われている。



中国でいえば、神農という、人の体に牛の首の形をした神が、医療の神とされ、日本神話のスクナヒコナは、神農さんとも呼ばれている。
つまり、医療の神という括りでいえば、異形と小人が共通項となる。
蛇も。
脱皮を繰り返すところが、ありがたいらしい。



小人は、どこの国でも、賢いものの象徴とされ、これも、神話学から導き出された傾向。
ということで、奥は深いのだが、神話学自体、まだまだこれからの部分が多く、特に、アジア、アフリカなど、文字の発展が遅れた地域の神話は、掘り起こしが難しく、後世に伝えられたものから推測するしかないものも多い。
ただ、人間の本質を探るという意味でも、興味深い学問という印象を持った。
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