本書は、ビートルズ詩集。
というと、世の中にいくらでもあるが、本書は、唯一のビートルズ公式伝記を著したハンターデービス氏が、ビートルズの楽曲一つ一つにコメントした上で、それぞれの曲の、歌詞の生原稿を載せた(全部ではないが)という貴重な一冊。
豪華本で、出したら、もっと高価で出せたであろう内容だが、幸いなことに、我々でも手の届く価格で、世に出た。
ハンターさんの前書で、ビートルズ関連のメモラビアが、どんどん流出していることに危惧されていたが、できるだけ、自分で集めようとされているのかもしれない。
初出の資料が多く含まれ、今の(単にファンというよりは、マニアック化している)ビートルズファンには、こたえられない内容になっている。
表紙は、もちろんJLのA DAY IN THE LIFEの一節。
歌詞をどう作るかは、人それぞれだろうが、思いついた歌詞をメモに留めるのは、たぶん共通するところだろう。そのメモそのものが、生で、載っているのだから、たまらない。
今や、神の啓示のようになったビートルズの楽曲だが、リアルな曲作りの様子がここに再現される。
その他に、メモラビアもぱらぱら。
落書き入りや、挿絵入りや。こちらもいろいろ。
最終バージョンとは違った歌詞も。
1曲、1曲に、解説がついており、初めて知るエピソードもある。
後書きによると、現在の所有者が不明のものの写真も使われているらしい。オークションのカタログなどから、勝手に掲載したものもあるのだろう。
これだけの本にまとめられたハンターディビスさんに拍手である。