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本書は2月に出た新書。
アジアの仏教遺跡を回ってきた私にとってぴったりの一書だが、東アジアということで、韓国と中国の話が中心の書だった。
ベトナムもちょっと絡んでいるが、あくまでもおかずで、やはり中国の仏教史の感が大。
中国の仏教というと、唐時代以降、廃れてしまった印象が強いが、禅宗の日本への影響、後代の台湾、ベトナムへの影響を考えると、やはり、東アジアの仏教というと、中国が中心だ。
驚いたのは、唐代まで、凄いお坊様が中国にはたくさんいらっしゃって、奥深い議論がされていたという事実。
残念ながら、今の日本ではあまりその議論を知る機会もなく、中国国内ではますますだろう。
なんせ、宗教は毒と言われたお国柄だから。
韓国もかつては、すばらしい仏教が栄えていた。
莫高窟に行く機会に恵まれたが、あそこに中国仏教史が集約されている感も。
東アジアにおける仏教とは?という疑問にコンパクトに答えてくれる良書。