こんにちは、今日のブログを担当する水谷 清です。
先日、旅館業の労働生産性の革新的実践方法というセミナーに
参加したので、そのことを書きたいと思います。
このセミナーで面白いと思ったことは、旅館・ホテル業に、トヨタの生産方式でよく知られる
カンバン方式を導入しようという試みです。
簡単に概要を説明すると
作り置きをせず、その場その場で、お客様から要望があった時に、こまめにサービスを提供することで
作業の小ロット化を行い、在庫低減、ロス削減、原価・管理コスト削減を図るというものでした。
具体的な例としては、
今までは、調理場が、いつ配膳するかの情報を持っていたが、これからは、ホールが情報を持つことで
push型からpull型、カンバン方式に変えて
お客様から要望があった時に、配膳をし、食べ終わったら、すぐに下膳、
そして、洗い場へという流れにし、作業の平準化を図り、生産性を向上させる。
また、閑散期と繁忙期対策としては、
「マルチ・プロセス化」=「多能工化」を図ることです。
まず、一人が異なる複数の作業をできるよう、スキルを習得する。
繁忙期には、それぞれの作業を専任化し、効率的に作業を行う。
逆に閑散期には一人が、多くの作業工程を受け持ちつことで
作業プロセスをより柔軟化する。
当然レイアウトも閑散期と繁忙期では、作業をしやすいように変更可能にする。
これにより、作業プロセス全体を容易に管理、サービス内容の変更を行い
リードタイム短縮、在庫削減、稼働変動対応をし、固定費低減を図る。
多能工化は、経営資源に乏しい中小にとっては、必須であると思うが。
カンバン方式は、面白い取り組みであるが、課題もあると思った。
例えば、調理では、工業製品と違い、簡略化すればいいというものではなく、
熟成させることで旨みを増し、美味しい料理になるということもある。
時間をかけないことがすべていい、リードタイムを短縮するのがすべていい、というわけではない。
また、団体客には、対応しにくいという課題がある。
最近では、減少傾向にあるので、考えないというのも一つの手であるが。
課題はあるが、とても面白い取り組みである。
旅館業に限らず、サービス業の生産性向上を行う時は、カンバン方式をモデルに
アイデアを出してみるのもいいかもしれない。