「稼プロ!」18期 運営チームの小林 隆です。
来年の1月に「診断実習」の講師を務めさせて頂く予定なので、
私が考える「中小企業診断士が中小・零細企業の社長と向きあう際に必要な事」
を中心に、ブログを記載して行きたいと思います。
今回は第一弾として、「心構え」について記載しました。
中小企業の社長が私たちに相談を持ち掛ける際は、何かしらの課題を認識していることが、ほとんです。多くの経営者は孤独であり、悩みを誰にも相談できず、長い間抱え続けていることもめずらしくありません。
そうした経営者達に、私たちがどのような態度で接するかは大変重要です。
私たちの役割は、まず
① 悩んでいる経営者の顔を上げさせること、
そして、
② このコンサルタントの話(提言)を受けて、
実際に改善に着手してみようと考え、行動変容されるよう仕向ける事です。
そのために必要なことが、まずは経営者と信頼関係を作ることです。
信頼関係を作るためには、まずは相手の置かれている状況を的確に把握し、理解する事。
そして、コンサルが支援者として、相手の状況に応じて手を差し伸べ、「一緒にやってゆきましょう」と「寄り添う姿勢」を見せる事が大切です。
しかし、ややもすると、
中小企業の置かれている立場を理解していない発言をしてしまったり、
コンサルタントが考える「あるべき論」を知らず知らずのうち押し付けていたりと、
相手の気持ちや、受け入れ態勢を理解しないコミュニケーションをとってしまう場合があります。
お恥ずかしい話、私自身 駆け出しのころ、「上から目線に聞こえる」とご指摘を頂いたこともあります。
特に、大企業では当たり前となっていることについて、中小企業ができていないことを指摘する場合、それは中小企業では当たり前ではないということを、私たちはよくよく理解をする必要があります。(それでよいか悪いかは、ケースにもよりますが、
前提として、まずそこを理解する必要があります。)
相手のタイプによっては、指導の過程で、多少の「上からの物言い」が必要なるかもしれませんが、そうした考え方をする前に、まずは経営者との信頼関係を築くことに注意を傾けてください。
では、信頼関係を築くにはどうしたらよいか。
社長に敬意をもって接し、社長の考え方やこれまでの仕事に理解を示す。
傾聴の姿勢や、的を射た具体的なアドバイス、等 基本的な事項やスキルもあります。
しかし私はそうしたスキルより信頼関係の構築には、コンサルのもつ人間性そのものや懐の深さのようなものが、大きく関与しているように感じます。
コンサルと社長という関係の前に、おたがい人間と人間なのです。
残念ながら、
お互いの相性や価値観の違いにより、
噛み合わない、そりが合わない、
といった状況に遭遇することもあるのも事実です。
しかし、それを考える前に、まずはこちらから、社長を信じ「社長に寄り添う姿勢を見せること」が中小企業のコンサルティングに携わる者の第一歩、基本スタンスだと考えます。
どんなに、よいアドバイス(提言)や論理的で正しい分析も、
信頼関係がないと聞く耳をもってもらえません。
社長との「信頼関係の構築」。
皆さんは、どのようにお感じになりますか?