みなさま、こんにちは。19期の西山です。連休はいかがお過ごしでしょうか?
ステイホームということもあり、私は普段手に取らない文芸書を読んでいます。
今回は最近私が読んだお薦めの本をご紹介します!
①塩田武士『罪の声』(講談社文庫)
昭和史に残る大事件、グリコ森永事件をテーマにした小説で、発売当時、かなり話題になったので読んだ方も多いかもしれません。
いわゆる事件小説ですが、主人公は刑事ではなく新聞記者と事件関係者の2人です。この2人の視点で交互に話が進み、かの有名事件を小説的に解決します。
犯人グループが特定されていくドキドキ感や、事件ストーリーの納得感など、事件小説としても普通に楽しめますが、そこに様々な人間模様が絡み合い、事件関係者の心の底までを掬い取ることで人間小説的な趣もあります。
映画化も予定されており、再注目されること必至。まさに読むなら「いまでしょ!」です。
この本が楽しめた方は、高村薫『レディ・ジョーカー』、横山秀夫『64』もお好きなはずです。
②アンソニー・ホロヴィッツ『メインテーマは殺人』 (創元推理文庫)
こちらは事件小説というより王道のミステリー小説で、犯人特定と謎解きがメインになります。舞台は現代のイギリス。TVの脚本家が主人公で、探偵と組んで事件をレポートします。パートナーの探偵は影と秘密のある元刑事。捜査は超一流ですが、日常生活では気難しい変人として描かれます。
洒脱な語り口と本格的な事件プロット、イギリスの時事ネタも混ざってテンポよく進みます。ホームズものが好きな方、イギリスに関心のある方には特にお薦めです。
実はこの本はシリーズで、すでに2冊目が刊行されていますが、まだ翻訳されていません。1冊目が面白かったことと、今年は細々と英語を勉強していることもあり、2冊目の原書“The Sentence is Death”にも挑戦してみました(近所の図書館で借りました。最近の図書館はグローバル化が進んでいます)。心配したほど文章は難しくなく、なんとか最後まで読み切れました。2冊目も期待を裏切らない面白さです。ちなみに、本書の主人公であるワトソン的な「助手」のことを英語では“Sidekick”というそうです。
③浅田次郎『流人道中記』(中央公論新社)
次は打って変わって時代小説です。浅田次郎はJALの機内誌「SKYWARD」で珠玉のエッセイを書いています。小説も面白いことはわかっていましたが、普段はゆっくり読む時間が取れずもったいないので、全部老後に取っておくつもりでした。
今回読んでみて、やっぱり面白かったです。訳アリの侍二人が江戸から蝦夷地をめざして奥州街道を旅する話で、いまでいえばロードムービー的な作品です。道中で起きる騒動のあれこれを解決するうちに、最初はぎくしゃくしていた二人の関係が打ち解けていき、特に若い方の侍は世の中を知ることで人間的な成長を遂げます。
江戸時代にタイムスリップして時間的にも、また旅を疑似体験して地理的にも旅行気分が味わえます。まさにステイホームのいまお薦めです。
私の部屋には次に読む作品、宮部みゆきの『模倣犯』が積んであります。これもずっと気になっていましたが、文庫本で全5冊! カラマーゾフ的な長さに恐れをなし、手に取れませんでした。こんな時だからこそ挑戦しがいがあります。
皆さんも今年のGWは読書週間でいかがでしょうか。
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