16期生の大石泰弘です。
今回は事業承継の豆知識です。
答えの前に今週のエピソードをご紹介いたします。今週事業承継の報告に来られた経営者がいらっしゃいました。2022年に当時73歳の経営者が相談に来られ、1年後の交代を薦めたところ、2023年末交代の事業承継計画書を作成されました。その直後、2022年の年末に脳梗塞になられ、半身不随になられたそうです(全く知りませんでした)。準備するべきことは明確になっていたので粛々と後継者が準備され、今年の年始に社員全員の前で、社長交代の報告をされたそうです。
大石から急げときつく言われたことに感謝していると言われました。
この仕事をやっていてよかったと思った次第です。今年も厳しくやさしく頑張ろうと思った次第です。
さて表題の質問の答えはノーです。理由は二つです。
理由1:男性でも女性でも65歳あたりから、それまで病気一つしなかった経営者でも大病をして経営者でいられなくなる
からです。70歳までには、いつでも事業承継できる状態にしましょう。
事業承継の準備にあたっては、後継者を鍛える胆力、信じて見守る忍耐力、万全でなくても決める決断力が必要です。今まではできていても、気が付くとできなくなってしまって準備がしにくくなります。
理由2:後継者の年齢が30歳~40歳前半だと5年後の業績を向上させる確率が高いからです。
事業承継した時の後継者の年齢で30代、40代、50代でグループ化し、承継して5年後の業績を売上高、ROA、従業員数で比較すると、トップになるのは30代か40代です。経験が一番少ない30代が一番業績を伸ばせるのは、どんどんチャレンジして失敗からうまくいく方法を考える経験をするからです。万全の状態になってからではなく、後継者の年齢が40歳までに交代する
ことも重要検討項目です。
ただ、引退後にすることがないのも不幸なので、経営が人生の方は、社員がいない会社を興して経営をされるようお勧めしています。さきほどの報告に来られた経営者は、半身不随でも息子に渡した会社の社員を借りて、異業種の会社をM&Aし、経営されるそうです。