13期生の佐野です。
先週末、ITコーディネータ協会主催の年1回行われる大規模なカンファレンスに参加してまいりました。今年のテーマは「イノベーション」でした。
カンファレンスの内容についてはここでは触れませんが、この「イノベーション」という言葉、普段聞き慣れている言葉ですので思わずスルーしてしまいがちですが、改めて重要テーマに掲げられると、どんな深い意味があるのか調べてみたくなりました。今回は、これをテーマにしてみたいと思います。
イノベーションという言葉は、1次試験を勉強された方ならすぐ思い出されると思いますが、語源はオーストリアの経済学者 ヨーゼフ・シュンペーターが1911年の著書『経済発展の理論』という本において定義された言葉といわれています。
本書においては、イノベーション(innovation)とは、物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと、とされています。単なる新しい技術の発明ではなく、新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革であると提言しています。
つまり、これまでにない取り組みをして新しい価値を産み出して社会に貢献する、ということがイノベーションということになります。でも振り返ってみますと、これまでイノベーションは絶え間なく繰り返されていることでもあり、とりだてて目新しい事象ではありません。ではなぜ今、殊更この「イノベーション」が強調されるようになったのか、を考えてみました。
背景には、経済や市場が成熟化が進み、商品やサービスのコモディティ化が進み、生活者はたいていのことに満足していることから、今までとは次元の違う新しい価値や提案が求められ続けていることが挙げられると思います。
それも単なる小手先の改革ではなく、抜本的な革新でなければ、多様化する市場のニーズに応えられないところまで成熟度が高まっているということでしょう。ですので、重要な視点としては、技術的な革新だけではなく、ビジネスモデルやコンセプト、プロセスなどあらゆる側面に革新の手を入れることではないかと思います。これまでは製品やサービスを高度な技術力で開発し、世に送り出せばよかった時代でしたが、今はそうではありません。同じ家庭用ゲーム機で、任天堂・Wiiとソニー・PlayStation3がとった戦略を比較してみれば、その差がよくわかります。Wiiはマーケティングでイノベートし、技術でのイノベートを目指したPS3を売上・シェアともに大きく上回りました。イノベーション=技術革新と言われてきた時代の終焉です。奇しくも100年前にシュンペーターが言った通りになりました。
思うに、こうした総合的な革新を実現し継続していくためには、広範な勉強と研究が必要ですし、外部(顧客、ビジネスパートナー)との密なるコミュニケーションも大事です。こう書いていると、現代のイノベーションって経営そのものではないか、とつくづく思い始めました。イノベーションは特別なことではなく、当たり前になってきているのではないかと。
近年は急速なグローバル化を背景に、新しいイノベーションが注目を浴びています。「リバース・イノベーション」という言葉をご存じでしょうか?
先進国企業が新興国に向けて従来の商品やサービスを提供するのではなく、新興国にニーズに合わせた商品やサービスを現地で開発することを言うのだそうです。米国GE社がこの考え方を取り入れ、医療機器(例えばポータブルな心電計や超音波診断装置など)の分野で成功を収めようとしています。
本国の製品やサービスでは、コストや価格を考えると新興国の高所得層がターゲットになりがちですが、実は低所得者層の方が遥かにマーケットは大きいので、この層のニーズを取り込んだ商品やサービスの方が結果的にビジネス規模が大きくなります。
また、現地ニーズに合わせて開発したイノベーションが、今度は本国のこれまでの顧客層とは異なる新しい顧客層を開拓することができるかもしれません。新興国で実現したイノベーションを逆に本国に取り込むという流れが、リバースの語源です。すごいアイデアだと思います。
このようにイノベーションも時代の変遷において様々な形に変容しているように思います。でも基本はシュンペーターが提言した考え方そのものです。企業経営に携わる、あるいは関わるものにとって、イノベーションは当たり前の概念になりつつあるものとして、常に革新的な意識を持ち続けることが大事ですね。
こんばんは。小室です。
育成塾第3回目からはいよいよ実務実習が始まりますね。
皆様、今は欲しい情報が不足する中での準備であり、思うようにいかず苦戦されているかと思います。しかし、情報が少ない今だからこそ、改善に向けた仮説やアイディアを制限無く妄想できる絶好の機会であると思います。
そこで、今回は私が普段悩んでいるつまらない妄想事例を紹介させて頂きます。
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多くのビジネスシーン、特に会議の現場で集中力を低下させているものは何か。
そう。それは、プロジェクターの排熱だと思います。
あのプロジェクターの排熱はどうにかならないのでしょうか。
PCなどの映像を数メートル四方に拡大して照射するためには相当な光エネルギーが必要になり、副産物として大量の熱が生じるのは仕方ないことです。
ただ、問題なのはその排熱の方向です。
方向は上下、前後左右、一方向、複数方向と色々考えられますが、経験上、左右どちらか一方向に排熱する機種が多いと思います。
運悪くプロジェクターの排熱方向に座った方は熱さで集中力を失います。最悪は気を失います(睡眠)。
個人的には人が座らない投影側の前面排熱しか有り得ないと思いますが、なぜ側面排熱モデルが無くならないなのか。原因や背景を色々妄想してみました。
○技術面の理由
・前面排熱による空気のゆらぎが写るのを防ぐため
・レンズに近い場所の排熱は、レンズの損傷を防ぐため
・上記の問題はが解決済みだが、まだ側面排熱のモデルの名残で設計される
(最近は前面排熱モデルが増えてきた)
○ニーズ面の理由
・犠牲者は1会議室で1名なので問題になりにくい
・広い会議室では問題になりにくい
・会議が終われば忘れる程度のことで、顧客の声にもなりにくい
○組織面の理由
・開発部と営業部に組織上距離があり、消費者ニーズが伝わらない
・家電に比べ、最新技術を必要としないプロジェクターは、技術革新への誘因が低い
・家電に比べ、競争激化した市場でもなく、顧客満足度向上への誘因が低い
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といった感じで、あれこれと思いつきで妄想しております。
問題解決の場では、事実を整理する『収束思考』と、今回のような妄想でアイディアを導き出す『発散思考』の2つの思考を駆使することが重要です。
収束思考と異なり、技術でカバーしにくい発散思考をトレーニングするため、今回の事例のように答えが分からないこと、どうでも良いことを日常的に妄想しております。
皆様もいかがでしょうか。
こんばんは、児玉総司です。
些細なことですが、こないだとても嬉しいことがありまして、娘が補助輪なしの自転車に乗れるようになりました。もちろん本人は喜んでいましたが、一生懸命教えた私も自分でもびっくりするくらい嬉しい気持ちでした。
この経験を会社の経営のことと結び付けるのは飛躍がありすぎるかもしれませんが、なんだか似てるな、と思ったことがありました。
娘も私も試行錯誤の連続でした。自分は昔どうやって練習したか覚えてないし”自転車の乗り方の教え方”なんていう本は見たことないですし、とにかくやってみて考える、を繰り返しました。偶然も多く重なって、先週の日曜日に開花したんだと思います。
振り返ってみると、少し整理ができました。
1.未経験者が自転車に乗れるようになるまでには3つの関門がある
①少しスピードが出れば支えがなくても倒れない、ということがわからない
②最初のこぎだしから、スピードが出て安定するまでが怖い
③曲がるときに、曲がりたい方向に体重移動すればいいことがわからない
2.上記を易しい順に並べると①→②→③の順
3.易しい順に練習し効果が出ると楽しくなって、上達が加速する
後で整理するとこんなふうにやっていました。ただ、これは終わったから言えることで、やる前、やってる最中は手探りでした。
この”あとから語る理論”について、企業の戦略に関しての話を本で読んだのを思い出しました。古い話ですがホンダがアメリカのバイク市場で成功した話(確か1960年代?)。当時はなぜホンダが成功したのかが欧米企業はわからなかったそうです(ビジネススクールでもホンダはアメリカ市場に参入すべきか?という試験が出て、すべきと答えた生徒は落第点だったとか)。成功理由の分析を依頼された大手コンサルティング会社が出した結論は「経験曲線に基づくコストリーダーシップによる小型車の成功。またその中型車市場への応用」だったそうです。それを聞いた欧米企業は”そうか、日本企業はそんな深い戦略を持って我々の市場を席巻したのか”と思ったかもしれません。
ところがその後、ほかの研究者が当時のホンダの社員にインタビューをしたところ、「戦略?なかった。バイクの本場のアメリカで挑戦したかった」「スーパーカブがたまたま売れた」「目標は直感で決めた」等だったそうです。
過去を振り返ってみると、単純化・整理できるんですが、それはあとからだから言えることで、目の前の課題にはとにかく取り組んでみる、行動することのほうが大事なんだろうなと思いました。
かくいう私は、すぐに躊躇してしまう、行動を起こすまえに考えすぎてしまう、というところがあり、もちょっと行動力をつけたいです。
この経験を妻に話したら、妻の友達から「うちの子にもコーチして」と言われたそうなので”理論”の検証のために、やってみようかな。
こんにちは。塾長の鴨志田栄子です。
昨日は、久しぶりの「タイムマネジメント研修」でした。
育成塾OB生の勉強会で、ドラッカーの本(プロフェッショナルの条件)を読んでいますが、今月、まさに、タイムマネジメントに関する章を取り上げました。
ドラッカー氏のタイムマネジメントの原理原則論を読むと、いろいろな気づきが得られます。組織をマネジメントしていく上で、タイムマネジメントスキルは、セルフコントロールに欠かせないスキルです。
同氏の本を読むと、「なるほど!」の連続です。これらの新しい知識と従来から自分が考えていた知識を結合することで、また、新しい説明の展開が生まれていくことを実感しました。
知っていることを繰り返して使っていたのでは、リピート依頼にはつながりません。いかにインプットの機会をもち、毎回、少しずつ、ブラッシュアップしていけるのか、リピートで依頼をもらうには、使い回しはNGです。
最近、このOB生の勉強会がとても有意義なものであることを実感することが多いです。それは多角的な視点で講義をしていけるようになったからです。
勉強会が、他の勉強会と異なる点は、土曜日1日の時間を費やしたものであり、そして単に本の内容を紹介し合うだけではなく、それを、どう仕事に生かすことができるのかというディスカッションをして、模造紙に書いて発表し合っているからだと思います。この勉強会を初めて2年が経過しました。最初の1年間は、午後のディスカッションの時間はいらないのではないか、1日は長いのではないかという声もでました。午後から中座してしまう人が多いからです。幹事メンバーで話し合い悩みましたが、半日の短い勉強にしたらやっばり意味がないという結論になり、2年目も同じやり方を踏襲しました。2年間継続してみて、この積み重ねの効果がようやくでてきていることを感じ取るこのごろです。
知識のインプットの大切さと、その効果を実感するまでには、それなりの時間を要するということですね。
今日は、「こんなに盛り上がった研修はまれにない」という言葉をいただくことができ、そして、受講生30名のうち22名の方が名刺をもって講師席にいらしてくださいました。
研修講師をしていてよかったと、こころからやりがいを感じられた1日でした。
追伸:講演やセミナー講師をするならば、「声」も大切です。「声」は人の心を動かすパワーがあるからです。
亀田です。
本日は最近あった出会いについて、お話をしたいと思います。
先日、ソーシャルプロダクツ普及推進協会という団体から取材を受けました。普段の業務とソーシャルやエシカルについて語りました。
その後、お互いの組織について、紹介をしていると、協会の会長に聞き覚えのある名前が出てきたのです。会長は私が大学時代にマーケティングの基礎と面白さを学んだ、憧れの教授でした。
そのことを伝えると、すぐに面談の機会をつくっていただき、十数年ぶりの再会を果たすこととなりました。
大学時代とかわらない教授と会食ができ、多いにマーケティングについて語りました。当時の教える、教わるという立場とは違い、少しだけ近づけた気がしました。
今後も、診断士と企業の両面で出会いを大切にしていくと同時に、自分も人に影響を与えることのできる人間へと成長していきたいと思います。