名古屋の円頓寺(えんどうじ)商店街から路地に入ったところにある最中種(最中の皮の事を最中種<もなかだね>という事を初めて知りました)を焼く専門店「種久商店」(店には「種久本店」の表示も)。その歴史は江戸時代末期にまで遡ることが出来るそうだ。長野県にも同じ屋号の同業者があるので何か関係があるのだろうか。その老舗が「手づめ最中」という持ち帰り商品を扱いだしたのは、まだそんなに前ではないそう。前から一度食べてみたいと思っていたが、不定休なのかたまたま何度も振られ、やっと店が開いている日に行く事が出来た。店と言ってもいわゆる商店然としてはおらず、表も入口があるだけ。扉を開けると入口のスペースにある小さなテーブルの上に商品サンプルがひとつ置いてあった。
誰もいないので「こんにちはー」と声をかけるが反応が無い。奥に人が居る気配はするのだが…何やら来客でもある様子。何度か大きな声で声をかけると、「始まったら呼んで!」という声とともにやっと奥から「すみませーん」と主人が出てきた。もとより小売商品はひとつしかないので「手づめ最中」を注文。主人は奥に下がり、丁寧に梱包してくださった。
家に持って帰ってPCでいろいろ調べていて、偶然さっきのお店の変な雰囲気の理由が分かった!→コレです。そう、このお店が東海地方で放送されているテレビ番組「スタイルプラス」で特集されていて、自分が伺った時間がちょうどその放送時間だったというわけ。テレビの前で放映を待っていらっしゃったのだろう。偶然とはいえ、自分の接客をさせてしまって、主人はちゃんとテレビを見る事が出来たのだろうか心配だ。申し訳なかった(笑)。
箱の中にはいわゆる椀型の最中種10枚と平らなアーモンドの煎餅が12枚、それに手作りの餡がプラスチック・ケースに入れられている。自分の好きな量を皮にのせたり、挟んだりしてそのサクサクの食感と、上品な甘さで淡い色の餡を楽しんだ。アーモンドの方はあまりその風味が主張していないので、違和感なく食べられる。逆にもっとアーモンドの風味が強くても、と思うくらいだった。主人が教えて下さったようにアイスをのせてももちろん旨い。ちょうど家に抹茶のアイスがあったのでそれをのせたりしても楽しめた。数が限られているそうなので購入には注意が必要です。(勘定は¥1,100)
種久商店 (たねきゅうしょうてん)
愛知県名古屋市西区那古野1-21-13
(たねきゅう たねきゅうほんてん たね久 種久本店 種久 円頓寺商店街)