休日の昼下がり、岐阜市の美殿町商店街でいつものように漬物を買って、そのまま東へ。すぐ横の殿町(とのまち)にある、創業が昭和50年(1975)の喫茶店「ル・モンド」へ。店の前には微妙な大きさの駐車場があるが、軽自動車サイズなので要注意。外れた時間とあって店内はひっそりとしていた。きっちりワイシャツにベストを着た主人がひとりで切り盛り。昭和クラシックな店内は風格があり、あの時代に喫茶店に行ったことがある人ならすぐに落ち着く空間だ。店内にはらしさ一杯のムード・ジャズが流れている。窓際の席に腰を下ろし、ホット・コーヒーを注文。各テーブルにメニューが置いてある訳ではないが、壁板にコーヒーの種類(「珈琲ヴァリエーション」と記載)と豆の種類が書かれている。主人はゆっくりと煙草を燻らせながら珈琲を淹れている。ちょうど死角の席に座ってしまって所作は見えなかったが、こちらはサイフォン式で淹れるのだそう。ウイスキーを使う「アイリッシュ・コーヒー」なんかも出来るんだとか。
雑誌を読んで待っていると、じっくり時間をかけて淹れられたコーヒーが広口のカップに入って運ばれた。この地方ではお約束の豆菓子(実際にはチーズおかきだった)が付く。濃いのが出てくるのかなと予想していたが、思ったよりもすっきりとした口当たりのコーヒーで、酸味も苦味も変に強調されておらず飲み易い。香りはほどほど。ゆっくり味わっていると、ん?なぜかほのかに線香の匂いが…。動いているか分からない古いレジスターの上に小さな仏壇があり、主人が線香をあげているのだった(お勤めの時間だったんですね)。こんなところまで含めて、まったり。(勘定は¥380)
珈琲専門店 ル・モンド
岐阜県岐阜市殿町1-4 小栗殿町ビル1F
( 岐阜 岐阜市 ぎふ 殿町 ルモンド LE MONDE アイリッシュ・コーヒー コーヒー専門店 コーヒー専門 サイフォン 純喫茶 喫茶店 )