CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】とわの庭

2021-05-24 20:53:52 | 読書感想文とか読み物レビウー
とわの庭  作:小川糸

生まれたときからの全盲を生きていく
そういう物語なんだけども、ネグレクトとも異なる、
特殊な幼児期の苦難の日々が、なんというか、
恐ろしくなるような読み応えだった

正直、読み終わってみたものの、
どう形容していいのか、どう感想を抱いたらいいか
それがわからないといった感じでありました
ともかく、主人公のとわはこれからも生きていくし、
それまで辛かったけど、どこか晴れ晴れとした希望が見えるようだと
思える読後感なんだけど、
いやいや、そういうことじゃないだろう、
これはちょっと、大変なこと過ぎて、どうなんだと
あれこれ消化不良な感じでありました

主人公が何せ全盲であるということなので、
そこに感情移入してしまうと、読んでいて不穏なことが
より一層、不安をかきたててくるようで、
正直、主人公よりも、読み手のほうが気をもんでしまう
そういう内容だったように思う
朗らかではないが、主人公が明るいとも異なる、
何か不思議な光を持っているようにも思えて、
読んでいると癒されるような気分になるんだが
物語の内容そのものは、かなり過酷でありました

全盲の人の生活というものがわからないけども、
だんだんと独り立ちしていくという姿は
けなげとは異なる、よい道を歩んでいると思えるわけなんだが、
実際、目が見えないのにそんなことができるんだろうか、
こういう人が居た場合、本当の世界ではどうなってんだろうかなとか
あれこれ考えてしまった、考えるほどに疲れる

そんなわけで、小説の意図がわからないまま、
ただ、その物語にはらはらさせられたというか、
なんか凄い心労を負ったような気分で読み終えたのでありました
面白いとかそういうものではないんだが、
不思議な読み応えを味わった、骨の折れる読書でありました