CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】賢い人がなぜ決断を誤るのか?

2022-01-31 20:59:18 | 読書感想文とか読み物レビウー
賢い人がなぜ決断を誤るのか?  著:オリヴィエ・シボニー

なんとかバイアスと呼ばれるものを体系的に解説した、
人間の判断に何かしら影響を与えるものを網羅した本でした
非常に面白いというか、懇切丁寧に説明されなくても、
なんとなく知ってたわと思ってしまう(後知恵バイアス)内容でありました
これもまた、バイアスのなせるものか

確かに、あれこれ考えるときに
完全にこういう罠に落ちてんだなとつくづく思うのでありますし、
解説にもあるように、知ってるからといって避けられるわけではないというのが
まぁ、まったくその通りで、どうしたらいいもんだと
悩ましい問題でもあるんだが、敬愛するダン先生の話なんかも織り交ぜつつ
バイアスという、人間である限り逃れられない、
なんらかの影響というものについて、手法で解決を試みる事例がいくつか載っていて
これも楽しいのでありました
歯には歯をみたいな、バイアスに別のバイアスをぶつけて対消滅させるとか
これも、そういう結果のバイアスにさらされそうなんだが
なんとか、色々な影響を弱まらせて、正しい判断へと導かれるようにというのが
狙いなんだが、大変難しいことである

個人的に、信じたいものを信じてしまうこともあるし、
人としゃべるとき、一見正しそうな解りやすいストーリーやたとえ話をしてしまったりするし、
ある意味、人間社会を生きていく上で、これこそ、自分が影響を与える部分に
このバイアスを使っていることも多いのだなと
改めて思い知らされるところも興味深くて、
それをやめるべきか、でも、辞めたら仕事が大変になるかもと
そんなことを考えたりもするのであった

長く組織に携わることの弊害と利益を
どう折り合いつけさせるかが難しいと、これらのバイアスを見ていて思うのだけども
とりあえず習慣化、経験値、集団心理といった、
長くその場にいたというだけでまつわるものからは、
どうにか脱却するなり、検討しないといけないなと強く心新たにするばかりであった

とはいえ、そういう積み重ねによって、何か築き上げてきたのではないかと
思わなくもなかったりするんだが、その築いたものがバイアスという
ただの偏在を促す影響力だとすれば、むなしいという一言で終わってしまうのだけども
人間が生きていくうえで、それを避けることはできないし
行使しないでおくこともまた難しいというのは、なんとも悲しいことであるが
誰かが判断をするとき、自分がどうふるまうべきか
自分が決断する以上に考えさせられると思ったのであった

鎌倉殿の13人  矢のゆくえ

2022-01-30 21:11:13 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
視聴完了しました
あれよあれよと立ち上がるところまできてしまったという感じで、
そのすったもんだのまま、割と、後は流れでみたいな感じの
ふわっとした立ち上がりで、しかも引くに引けなくなるという
このなんというかな、現代の、日本社会でもよく見る光景というか、
もう戻れないねなんていう企画スタート会議みたいな感じが
面白かったけど、日曜日の夜に見たくない話しだわ、余談

さておいて、面白いのでいいのだという感じではあるものの、
頼朝に、〆るところは〆にいく義時の在り方というのが
すごい大切だなと思わされる回で、
すごく主人公だなと、主人公の都合で、物語が主役を持ってくるんじゃなくて、
もう、とりあえず義時いないとこの人たちみんなダメだという感じからのというのが
なんとも気持ちいいというか、いや、やっぱり物語が主役をもってきてんだけど
なんだろう、主役でかっこいいというか、活躍してんだけど
全然羨ましくないというのが面白いところ

さておいて、そこに諭された頼朝の奮起というか、
お前秀吉かという動きも見事で、天丼は3回までをあますことなく
使い切っていたのがなかなか趣深いというか
面白いからいいや

曲者かと思ったおりく様が、存外そうでもないというべきか、
なかなかの楽天家で、武将の妻とはあああるべきなのかという感じが
なかなか面白かったのでありました
政子も、そういう薫陶を受けていき、それでいて、
八重を殺しかねない苛烈さもあわせもっていく
最強の女になっていくんだろうな、こっちもすごい楽しみだ

なんか、すごい適当な流れで仲間が集まってといった感じだけど、
なんだかんだ、一矢の始まりを告げるさまが面白くて、
脚本的には、八重のそれがむしろという感じでありつつ、
吾妻鑑にあるというそれをなぞらえたというのが試みとして楽しいと感じたのでありました

来週、このドタバタのまま、どんどん源平合戦に突入していくかと思うと
楽しそうでならんのだけども、
結構がやがやと馬は出てくるし、予算大丈夫かと心配なんだが
頑張ってやり切ってほしいと思うのでありました
戦がいっぱいというのは源平合戦までだろうから
ささっと序盤やって、中盤以降は館内ばっかりになるのかな
いずれにせよ楽しそうなので、また来週を待つのである

【ドラマ】わげもん 長崎通訳異聞

2022-01-29 21:55:25 | ドラマ映画テレビ感想
NHKの土曜ドラマ枠でした
時代劇ではあるものの、最近NHKが地味に増やしている
多国語ドラマでありまして、ある種の多様化ともいえる内容を
長崎の出島を舞台にやっていたのでありました

時代劇風ではあったものの、殺陣ががしがしあるわけでなく、
いや、でも、高島兄の怪演と、怒涛の逃走劇はかなりアクションよかったなと
そこに気を取られてしまう感じでありましたが
あの当時の通訳というものがどうであったか、
ドラマとして面白く見られたのでありました

最終的には抜け荷の話になるのは、
まぁ、出島ものの定番というか、安心安定の展開だったので
なるほどと見入っていたわけでありますが、
あの当時の出島の不思議さ、唐人館という存在やらとか
なかなか面白かったのでありました
江戸時代にあれだけ個性豊かな、いや、国籍豊かな人たちがいたんだろうか
ちょっと面白いことだなと思い知ったのであります
目の付け所がよかったな

あの当時、蘭語が主体だったから、英語はむしろマイナーだというのが面白くて、
色々な国籍の言葉が入り乱れているのが新鮮でありましたが、
現代における一番わかるかもしれない言葉である英語が、
伝わりそうで伝わらないという加減が面白かったと思うのである

とはいえ、ちょっと話を自分が見間違えていたというか、
考え違いをしてみていたものだから、
ちゃんと理解できていない部分が多いのだけども、
てっきり、行方不明の父親は、殺されたと見せかけて隠れていて、
それを闇医者先生が匿ってる的な話じゃないかと思ってたんだが、
さっぱりそういうわけでなく、あっさり殺されていたようなのが
なんとも腑に落ちないというか、
まぁ、そういう話なのに、腑に落ちないもなにもないわけだけど
なんか、もやっとしてしまったのでありました

そのせいで、闇医者先生が、長崎のあれこれを知っているというのは
父親から受け継いでいた的な話かと思ってたけど、
そうでもないのか、そうだったのか、
よくわからんまま、というか、そのそも、あの闇医者が父親じゃないのかとすら
思ったりしてしまってたんだが、他の人がみんな顔知ってんだからそんなわけないんだよな
とはいえ、闇医者と父親の間に何かあってほしかったというか、
物語ってそういうもんじゃないのかと勝手に期待していたのでありました

遺恨というか、因縁めいたものはあまりなかったけど、
それでも、闇医者が超重要人物だったのは間違いなくて
下賤の言葉をまくしたてるあたりの一人芝居が、最高によかったので
もう、たまらんなと感じたのでありました
すごい役者になったよな、高島兄弟はどっちも

そして、最終回のわずかなシーンだけだったけども、
武田鉄矢がまたすごくよかった、
ナチュラルに国言葉で畳みかけるところは、
よくよく考えてみると、長崎のなまりじゃないのかもと思うんだが、
素人には区別がつかないので、
ものすごくナチュラルに地元の言葉でしゃべってるのが最高にかっこよかったのであった
畳みかける言葉のリズムにすごみがあって、
悪役さの演技もあいまって、素晴らしかったと思うのでありました
結構な年齢なんだよなと、ちょっと心配もしたんだが、
さすがの迫力だったと
二人の役者の怪演が見られただけでも、かなりよいドラマだったと思えたのであります

【読書】100点のほめ方

2022-01-26 20:50:59 | 読書感想文とか読み物レビウー
100点のほめ方  著:原邦雄

ほめることについてのノウハウ本でした
こっ恥ずかしいといってしまっては、前に進めないんだろうが、
いささか、書かれているほめ方というのを他人にできるかというと
かなりハードルが高いなと思わされる、徹底的にほめる方法が書いてある本であった

正直、この実践については、やるべきときもあろうと思うんだが
付け焼刃でやってしまうと、ひどい目にあうというか
不信感しか抱かれないんじゃないかと
そういう危険性すら感じるほど、ほめ倒す方法だったんだが、
心無いのにほめてしまいそうになるというか、
ただのおべんちゃらと思われないように、ちゃんと伝えるということが
できれば、素敵な力なんだろうなと思う内容でありました

とりあえず、相手の好きなこと、続けていること、大切にしていることを聞いて
そこをほめていくきっかけにするという手段が書かれていて、
これはなるほどなというか、会話のとっかかりとして
そういうのもいいのかもなと思ったんだが、
そこで拾った情報に、いきなり乗っかるというか、すごいほめていくというのが
個人的には、それをされたら気持ち悪いと思ってしまうんだが、
そうならない、よい伝え方というのが、あるんだろうな
そこ書いてなかったから、それは、当たり前にやれると信じられているんだろうが
ハードルが高いと思ったのである

基本的には、先に書いたことをほめる、
そして具体的にほめていく、さらに、それが未来につながるようにほめると
まぁ、なるほどという方法が書かれているんだけども
嘘臭くなく、それをやる方法というのを
できれば、もうちょっと書いてほしかったかもと思うんだが、
多分、嘘臭くなるのはうそだからであって、
本当にそう思って、そういっていれば問題ないのだろうなと
ほめると、簡単に書いてあることの真意を見誤らないようにしないと
使えない方法だとつくづく考えたのでありました

他人をほめるためには、最終的には自分をほめるということで
訓練することができるという話で終わるんだが
それもなかなか大変というか、炭治郎的なことを言い聞かせられるだろうか、
いや、彼はこれを実践できていたということかとか
色々考えさせられるというか、書いてあることは間違ってない、
そういう人が好かれるようになるし、それが信頼というものになるというのは
覚えておきたいところだと思うのであった

そう、好かれるためにやるんじゃなくて
信頼されるためにやるんだが、その前提に好かれるもあるというのが
なかなか、難しいところだと
多分この本に書いてないことばかり考えてしまった読書であった

2021年紅白歌合戦

2022-01-25 20:55:19 | ドラマ映画テレビ感想
1月中には書いておかないとと
メモを残しておくのであります

昨年末もちゃんと見ることができてよかったと
ほのぼのしたわけでありまして、
お客さんを入れての内容ながら、NHKが大泉洋を酷使しすぎじゃないかと
そう思えなくもないような展開でありましたが
まぁ、面白かったからいいかという感じだったと思うのである
正直なことを書いておくと
歌合戦としては、終盤数組くらいしか聴きごたえがなかったというか、
歌のレベルとして、公共放送に乗せて大丈夫なのかというのも
見られたように思ったんだが、お祭りだし、これでいいんだろうとしておくのである

目立ったというでもなく、よかったと書いておきたいと思えたこととしては、
俺のさゆりが二曲歌ったといったところでありまして、
年末に津軽海峡なり、天城越えなり、
どっちか聞かないと年が終わらないとすら思ってしまっているくらいだったんだが、
まさかの、第3の曲「火事と喧嘩は江戸の華」が披露されて
ラップまでやっちゃうのが最高によかった
ラップのリズムと違うなと思わなくもなかったけど
なんせ歌が上手いから、なんだっていいや、気風のいいセリフ回しと一緒に
かっこよく歌いきってくれたのが最高によかった
そっから津軽海峡へという流れも素晴らしすぎて感激ひとしお
ああ、2021年が暮れるのねと、勝手に感動していたのでありました
今回、直前にあれこれあったから、ひょっとすると編成変更とかもあったのかしらんが、
抜群のパフォーマンスで、これだけで紅組と言っても仕方ないくらいだったと思うのである

あとは、お祭り騒ぎでマツケンサンバをやってたところがよかったわけだけども、
五輪の焼き直しというのは悪乗りなのか、
代理店一緒だからいいのかしらんが、ちょっとどうかしらと思ってしまったのである
まぁ、NHKとしては、直前にあんだけAKIRA押ししてたから、
どっかで使っておきたかったんだろうけど
あれに乗せられてしまわないといけない上様がちょっと気の毒に思えたりしたのである
まぁ、腰元ダンサーズが、すごい楽しそうにやってたからいいんだけども

紅白で見る布袋というのも感慨深くて
相変わらずギターが小さいなと思わせる巨大さと、
キルビルで入ってきてからのさらばが、すごくよかったと思ったのでありました
そうか、代表曲というとさらばになるのか、そこだけ勉強になったのである

あとは、薬師丸ひろ子の歌唱力にうならされたのと、
あいみょんて、肝座ってんなというところを改めて感じたところがよかったというか
MISIAも含めて、赤圧勝だなという流れを感じたのでありました
そして、意外というか、自分でもこれまで感じてなかったところでは、
紅白にうまい歌を求めていたというところで、
なんだかんだ、音楽聞かなくなってきているのに
うまい歌を聞きたいという欲求があって、それを年末にこたつに入ってみるというのは
大変贅沢だとつくづく感じ入ったのでありましたとさ

また今年も楽しみにして待ちたいところだが、
紅白という形を分解するのかもなぁと思うと
ちょっぴり寂しく思うのでありました
東西とかに分けるのかしらね、それだとなんか違うよなぁ

【読書】ペッパーズ・ゴースト

2022-01-24 21:01:10 | 読書感想文とか読み物レビウー
ペッパーズ・ゴースト  作:伊坂幸太郎

また、新しい愉快な殺し屋二人が出てくる物語なんだが、
いつもの伊坂幸太郎のキャラクタだといえる
安心安定、それでも楽しい小説でありました
劇中劇になっているようで、結局それは本当だったかフィクションだったか
そういうメタ認知のような要素もあったんだけど、
それはちょっと余分だったんじゃないかと思わなくもないが、
おおむね楽しく、そして、割とすんなり終わったので
よい小説だったと思うのでありました

相変わらずといっていいのか、
おそらくは著者が気になっている出来事とか、事実とか、
そういうものをなんとか物語にして、どう接するか書いていこうと
そういう意気込みが、行間からにじみでてくるようでもあり、
どっかで聞いたことあるような、
あるいは、実際ありそうなといった
ある種の理不尽について、コメディタッチの理不尽で対抗しつつ
それでもどこか、避けられない悲しさみたいなのがあったりして
久しぶりに読むと、すごく楽しいと思えるテンションだった

新しいエスパーものといっていいのか、
コロナに悪いヒントを得てんじゃねぇかと思わされる、
対象者の飛沫的なもので、未来予測が伝染するという
ちょっと説明だけだと意味不明すぎるけど、
物語としてはすごくしっくり落とし込まれていて、また、
面白く読めるというのがすごい
いや、そもそもこの物語のために用意された能力のようですらあると
そんなことを感じたりしたのでありました
序盤からまぶしてあった、いくつかの伏線回収はいつものように気持ちがよいけど
やや少なめで、逆にそれが、すごい自然だったから
あれもこれもという浴びせかけられて疲れてしまうようなことがなかったのもよくて
個人的には、これくらいで帳尻があうというのが
一番いいなと、楽しめたのでありました

残虐シーンはざっくりと切り落とされているのでよいのだが、
人間の悪意というか、避けられない悪意というものと
どうしようもないことに、どうにかして対抗しようという
弱弱しいけども勇気あるというか、
英雄的なためにではなく、自分が後悔しないためにという
とてもわかりやすい、嫌味のない動機で行動を起こすというのが
すごく気持ちがよかったと
改めて、王道とはこういうのだなぁと
わかりやすく納得したのでありました

割と大団円的な感じで終わったし、ほのぼのともしていたので
小気味よく読み終えたのでありました

鎌倉殿の13人  挙兵は慎重に

2022-01-23 20:45:07 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
視聴完了しました
あれよあれよだなと思ったりしたんだが、
頼政の挙兵と、そのあとのすったもんだが引き金になったという
それが描かれたのだが、飢饉の話も触れていて
それは結構重要だよなと思うんだが、
あれで終わりで、結局本当に飢饉なのかわからん感じなのかと
心配だが、ともあれ、楽しく挙兵までの道のりを見たように思うのであった

知らないうちに、娘に恵まれているのが衝撃的だったんだが、
そのあと、おやじ殿の方にもまた子供がとか、
情報が多いなぁと思っていたんだが、
それぞれ、その後どうなるのかわからんが、
思った以上に馴染んでいる、りく様がこの後どんだけ活躍するか
今から楽しみでならないと思うのでありました
臭いがと、父上を遠ざけるあたりは
全国のお父さんに突き刺さるなんかだったんじゃないかと思ったりしたんだけど
まぁ、面白そうだったしいいかと感じるところ

しかし、ろくでもない坊主が出てきて
重要人物なのか、そうでもないのか、
いや、キャスト的に超重要なんじゃないかと思ったんだが、
大がかりなコントをやって帰っていっただけみたいな感じで
大丈夫かと不安になってきたんだが、
それはそれとして、頼朝の迷いと、それを叩く政子と、
軍師のように策を授ける義時と
骨格みたいなのが見えてきて楽しくなってきたので
来週わくわくなのでありましたとさ

頼政の人気がなかったという話は
なるほどなと思うんだが、以仁王の話とか
この年齢になってみると、天皇というそれの争いというのは
なかなか衝撃的なもんだなと、改めて思い知ったのでありましたとさ
これが、日本における中世なんだな
歴史面白いと、ドラマと関係ないことを感じたのであった

洋楽倶楽部 クイーン ライブ ’86 at ウェンブリースタジアム ロンドン

2022-01-22 17:45:15 | ドラマ映画テレビ感想
NHKで昨年末の深夜にやっていました
当時のライブビデオからのリマスターなのか、なんなのか、
わからんけども、ちょっともやっとした画面が、なんとも時代を感じさせたんだが
まぁ、そんなことはどうでもよくて、ライブ映像がただただすごくよかったと
そういう番組でありました

あのスタジアムにどれだけの人間が入っていたんだろうかなと、
正直、あんなでかいコンサート行ったことないから、全然イメージがわかないし、
昨今のコロナ騒ぎで、あんなのもう二度とみられないんじゃないかというくらいの賑わいで
そこにも度肝を抜かれたのでありますが
パフォーマンスが実に素晴らしかった、往年の名曲ばかりで
もうただただ聞き入ったというか、見入ったというか
動くフレディを堪能しまくったのでありました

あの独特の動きいいなーと思いつつ見ていたんだが、
改めて、映画はよくできてたんだなと、ライブの再現がライブエイドではないけども、
パフォーマンスとしてはその下地が見えるというか、
ああ、この動きを映画で見た、やりとりを映画で見たみたいな、
虚実がさかさまになる経験をしてしまったわけだけども、
あの場にいて、心酔ではないが、熱気に充てられていたら
どうにかなってしまうんだろうなと思うパワーが
本当にすげぇと、あっけにとられたのでありました

ブライアン博士は、やっぱりあのままだったけど、
ギターテクニックが素晴らしくて、ライブだからちょっと音質が違うのか、
いかにもQUEENという音とは異なるようにも聞こえたけど
ソロパートとかかっこよくて聞きほれたし、
ロジャーがちょっと太ってるなという感じがほほえましいけど
ロックユーの単純なリズムが、これまたすごいかっこよくて
楽曲の良さというか、ライブにものすごく向く曲が多いなと圧倒されたのでありました
ライブ音源のテレビ視聴だから、どうしてもベース音が弱くなってしまって
バイツァダストのジョンのフレーズがいまいち聞き取りにくかったのは残念だが
ジョンが生き生きしていたのがとても素敵でよかったのである

個人的にQUEENの中で一番好きなレディオガガがあったのがすごかったんだが
あれのハンドサインをみんながやってるという、あの一体感、一種異様な雰囲気が
まぁ、曲のちょっとだけサイケっぽい感じと相まって最高によかった
あの場所で、同じように手を捧げ上げたい、すごく楽しそうだ

と、そんなことを思ったりしながら、映像はだんだんと暗くなっていき
夜になってといった感じだったんだが、あの場所で、後ろの方の席だったとしたら
果たして、彼らを見ることはできたのか、いや、できるはずもないから
あの場所にいたと、そういう経験をしに行った
そう考えるべきなんだろうかとか、
コンサート初心者っぽいことをすごく思わされたのでありました
音楽を聴きたいだけなら、部屋でCD(レコード)かけてりゃいいというもので、
あれだけの動員をしたということに、
ライブの楽しさというのをQUEENはちゃんと提供していたんだなと
改めて思い知ったというか、ごく当たり前のことに気づかされたのであったとさ

QUEENなのに、最後KINGなのはどうなんだと思ったりしたが
面白かったらなんだっていいんだろうな
番組としては、多分、ライブビデヲをただ流しただけという番組ですらないんだが
NHKだからこそ、権利関係を吹っ飛ばして、そういうのをちょこちょこやってほしいと
願ってやまない内容だったと思うのでありました
予告にあった、サイモン&ガーファンクルとかすげぇ見たいなぁ
地上波やんないかなぁ

【読書】月曜日の抹茶カフェ

2022-01-19 20:55:15 | 読書感想文とか読み物レビウー
月曜日の抹茶カフェ  作:青山美智子

1年をめぐる短編連作、1か月ずつ、一人ずつ、
そんな感じで物語が連なっていく
たまたま訪れた、そして、たまたまやっていた抹茶カフェに始まって、
やがて人や物語が繋がり、また、抹茶カフェに帰ってくる
テーマとしては、縁を描いていると思うんだが
様々な絆ともいえるような、紡がれていく想いが
物語そのものにもなって非常に面白かった

誰かとの出会いというものが、どんどんとつながっていき、
誰にでも訪れそうな悩みだったり、イベントだったり、
なんてことない描写だったりが、少しずつ次の物語への橋渡しとなるし、
その物語もまた、続いていくというのが
特に解決などというものが存在しないけども
明るく前向きになる〆で続くので楽しく読めた

拾い上げれば、どこにでもある話というか、
よくある、誰かの何かは、どなたかの大切なものだったり、なんだったりと
そういう歌みたいなことを描いているわけだけども、
それぞれが、実に軽く、そして何より、気持ちよく終わるのがよくて
あっという間に読めてしまった

終わってみて、ちょっと印象が弱かったかもなとか
偉そうなことを思ってしまったんだけども
どこかで誰かと、なんとなしつながるということの楽しさみたいなのが
詰まっているというか、夢のように描かれている物語だと
思ったのでありました

【ドラマ】幕末相棒伝

2022-01-18 21:09:17 | ドラマ映画テレビ感想
年始にやっていた時代劇であります
もう、年末年始に時代劇やってれるのは、
いや、そもそも、時代劇をやってくれるというのがNHKしかないんだなと
しんみりしながら見たのであります
こういうときに、結構攻めてくるというか、ただの時代劇を作るわけじゃないのが
NHKのいいところでもあり、困ったところでもあるなと思うのだが
今回は、かなり大胆というか、攻めた内容だなと思った一作でありました

土方と坂本が組む

こういう幕末ファンタジーを大真面目にドラマにしたという心意気が好きだわと
しみじみ見たのでありますが、なかなか楽しい時代劇でありました
惜しいというか、もうちょっとがっつり殺陣を入れてくれると
なおよかったんだけど、あまり贅沢いっても仕方ない
漫画のようなというか、架空のそれこれを
歳三と竜馬という組み合わせでやったというそれで充分とも思う
なんだかんだ、幕末オールスターというほどでもないが、
桂と土方の殺陣があったのはよかったんだけど、
よもや、土方が欄間に刀を当てるとか
さすがにそれはやっちゃいかんというか、時代的に、鴨殺しと池田屋を超えている土方が、
そんな初歩的な失敗をするはずがないだろうと思ってしまったんだが
どうだったんだろうか、
そのあとは、できるだけ突き主体で、いかにも、屋内剣法といった感じだったから
いい塩梅だとも思ったりしたんだが、なんか、あのシーンだけ
すごいひっかかって仕方なかったのであります

とはいえ、そのあとに、竜馬が振り向きざまに横なぎをして、
土方を皮一枚で仕留めるというか、たまたまそうなったという剣技の見せ方は
よかったなぁとしみじみ思ったりしたんだが、
どうせなら、幕末剣豪伝的に、がっつり殺陣が見たかったなと思ってしまったのである

と、そこばかり語ってしまっても仕方ないというか
そもそも、そういう物語じゃなくて、割と幕末の陣容というか、
対立や関係を面白く見せて、またそれぞれの思惑なんかも説明されていて
よくできてるなと、感心してみたのも確かでありました
また、直近で、青天を衝けを見ていたこともあって、
幕末のあれこれが頭に入っていたというのもよくて
どの陣容の誰が、そういうのを架空の事件によって語らせるというギミックは面白くて
佐幕、倒幕と一口にいっても、あれこれあるんだという、
誰に正義があったわけでもないという事実っぽいことが
物語でわかるというのがよかったと思うのである
特に、岩倉卿の処理がよかったと思う
梅雀さんがうますぎるというのもあったが、
あの理は、ひとつ重いと思わせるそれで、そしてそれをよしとしないのを軸に
土方と坂本がというのが、ドラマとしてすごくいいなと
すんなり楽しめたのでありました

最終的に、まさかの結末というか、
そこに全部押し付けたのかという感じの終わりでもあるんだが
このドラマとしてはそれでよかったし、見たかったというか、
夢のような幕末の二日間を描いていたという意味で
面白い、意欲的なドラマだったと感じたのでありました

よかった

【読書】残照の頂

2022-01-17 21:12:58 | 読書感想文とか読み物レビウー
残照の頂  作:湊かなえ

続・山女日記とのタイトル通り、
登山をする女性の情感を山登りを通して描く
短編連作シリーズであります
今回も、しっとりとして、趣深い短編でよかった

サスペンスや、ミステリといったものとは別の
人間の内側といってもいいような、
想いと人生の振り返りのようなものをつづっていて、
これが山という存在が介在することで、
よりハレバレというか、出てくる女性たちが皆いうように、
山の上とそれ以外で異なる人間関係による、心情の吐露、告白というものが
染みてくるようでよいのでありました

ハイキング程度の低山をうろうろするくらいしかやってないので、
ザック背負ってキャンプ張ってという本作のような
本格的な登山は、読んで想像するだけしかできないのだけども
そんなキャンプをするどうこうといった技術ではなく、
山に入り、その険しい道を歩いていく
登山中の心のありかたというか、その揺らぐ様というのが
手に取るようにわかるかのような筆致も見事なんだが、
そこに用意された、山の中だからこそという人間の絆みたいなものが
まぁ、なんというか、清々しいというさっぱりした感じとは違うのだけど
いいものだというしみじみした感動がって
しっとりとした読後感がよかったのでした

出てくる関係性が、どこにでもありそうな男女の、あるいは友人、親子といったそれなんだが
山というものを通してそれらが濾過されるような内容が
いいもんだなぁと感心して読み終えたのでありました

鎌倉殿の13人  佐殿の腹

2022-01-16 20:52:45 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」視聴完了しました。
今週も、序盤はコメディで過ごして、後半で〆るという
同じパターンできて、これは、こういうドラマ構成で
全体的にもいくのかしらと、楽しみが増えるのでありました

とりあえず政子と佐殿があれよあれよとくっついていくようで、
その前カノにあたる八重さんをどういう処理としていくのか
そのあたりが楽しみなんだが、とりあえず、
新しい女が、もう来るなと言うという、
なんかある意味古風なモテる男の周りの女騒動といった感じが
面白いというか、妙にツボにはまってしまったんだが
現代風ではあるんだが、現代がちょっと前だなという
この絶妙な感じがクセになってしまう
今時ではないけど、きっと、その時にもねぇよ

冗談のように、試されているとか言われているのを
兄が真に受けて、そうではないと思った弟が
ころっと騙されて、いや、なんだろう、転ばされてという感じで
北条扱いやすいなぁという印象なんだが、
それはそれで、物語として大変面白いし
あの兄弟が、なんかいいやつに見えなくもないというのが
素晴らしいことだなと感心してしまったのでありました
それに隠れているわけでもないが、義村の悪いというか
賢い感じがとても素敵、あれは、スマートではなく、クレバーというんだろうな
いい感じだ、今後が楽しみでならん

とりあえず、続々と今後の支えとなるであろう武士が出てきていて、
何気に、山口馬木也さんが出てきたのが個人的にはすごく楽しみで、
三谷劇だから、そんなに合戦シーンとかアクションないんだろうけど
山口さんの殺陣はすごい見たいので、なんとかしてくれねぇかなと
願うばかりでありました

しかし、馬がいっぱい出てくるし、今回はかなり金かかっとるなと
ロケの多さもひしひし感じつつ、豪勢な大河を楽しんでいるのでありました
次回もまた、楽しみだ

【読書】ヒポクラテスの悔恨

2022-01-15 21:05:47 | 読書感想文とか読み物レビウー
ヒポクラテスの悔恨  作:中山七里

安心安定の死体シリーズ
今回は、短編連作のような形で、一種の予告殺人めいた内容をきっかけに、
見過ごされかねなかった、様々な死体の声を集めるといった感じで
短いけども、いくつもの事件が解決されて
読み終わってすっきりする感じでありました

とはいえ、出てくる人たちが、善人ぶったでもないが、
なんか憐れみを乞おうとするクズばっかりで、
清々しいまでのいやらしさというか、
なんとも嫌な部分がてらてら鈍光るように書かれているんだが、
それを、キャシー先生はじめ、全員で粉砕というか
目論見を見事に看破していくというのがよかった
割と刑事ものっていうのは、あっちもこっちもと、倫理がふらつくより
清々しいほど悪い奴が、とっととつかまってしまうというのが
一番いいなぁと思ったりしてしまうのであった

実際こうやって、こすっからいというか、
怪しいことをしている輩が世の中にいるのかもなぁと思わされたりするんだが、
さすがに短編連作ということもあってか、
容疑というか、疑いを向けるところが、結構強引というか、
それで疑うって、間違う可能性の方が高くないか?というような
勘働きの内容が多くて、ちょっとおっかなびっくりでありました
なんだかんだ、古手川刑事の暴走が功を奏してといった感じになってんだけど
確かにそういう勢いもあるだろうが、
なかなか危ない橋を渡りすぎじゃないですかねと思わされるところも多くて、
心配したのでありました
でも、面白いから、やっぱりこれで正解なんだろう

小説だから面白いけども、
実際ここまで強権というか、強引なことをしている人たちがいたら
とんでもないことだなと、光崎チームに、渡瀬チームの相性の良さを
ひしひし感じる、よい短編集といった感じでありました
ほのぼのではまったくないのだけど、なんとなし
暗くならず読める事件ものだと思うのであった

【ドラマ】倫敦ノ山本五十六

2022-01-13 20:53:37 | ドラマ映画テレビ感想
思いのほかというか、かなり面白いドラマだった
あんまり期待してなかったんだけども、
どうやら新たに見つかった海軍の秘密書類から作られた物語だったそうで、
ロンドンでの軍縮会議に挑んだ山本五十六が、どう立ち回り、
そしてそのあとどうなっていったか、
よく知られた山本五十六になる前に、まだ提督までの道など開いていなかった頃
その時の決断というのが、大戦に至り、戦死するまでの選択肢として、
個人においてはある種最善であったかのようにも見える
だけど、事実はそうではないという感じに仕立てられていて
正直、あの瞬間に、そこまで読めてというか考えていたかは
ドラマにすぎるのだろうかなとも思ったりするんだが
すごいよかったのでありました
ありがちな、海軍はマシだったみたいな話に注文をつけるようでもあって
なかなかよかったのである

別段、誰かの評価をひっくり返したいと
そういう結論ありきではなかったと思うんだが、
当時の情勢というものを考えさせられる
面白い内容だったと思えたのでありました

軍縮会議でのやりとりというのと、
米英の微妙な関係というのも見えるようで興味深かった
あの大戦の頃からか、完全に英国を米国が嘗めてかかってきているというのが
ドラマにすぎるとはいえ、ありあり見えるようなのは面白い
そうやって、覇権国家へと米国は若さを振りかざして突き進んでいったんだろうなと
そんな風にも思えてならんのでありました
また、あの頃のヨーロッパがどうしたこうしたと、
そこで苦心せざるをえないし、未だ、そこに世界があると信じていたかのような
ヨーロッパ列強、その身中にある英国というものが
そもそも時代遅れめいた、正直さして関係あるとも思えないというか
実際はすごい関係あるけど、遠すぎて世論を味方につけづらいとかあったのかもしれない
太平洋における戦略の在り方というのが
海軍の軍拡というものに対して思うことが多かったのであった

結局、どの国もあの時点では納得というか
えるものを得たかのように終わった会議だったともいえて、
軍拡を喜んだ日本は、あろうことか、戦艦に投資するという致命的な失敗を
後世からみると残念なそれになったというのが
なんとも悲しいというか、考えさせられるところでありましたとさ

そのうち、時代は戦艦ではなく空母だという話で
ドラマ作ってくれないかなとも思うんだが、
この説も、どっかで聞きかじっただけで間違ってるのかもなと
近代史の難しさというか、さして知識もないのに通ぶる自分を鑑みたりするのでありました
ともあれ、ドラマとして、役者全員が真面目というか、
ある種滑稽でもある海軍の姿を見せながらも
重厚な雰囲気でよかったのでありました

うちのおやじが、海軍に加藤がおるなどと言っていたが、
そんな笑い話も遠い話になろうかと思う役どころが楽しめたのでありました

【読書】透明な螺旋

2022-01-12 21:02:25 | 読書感想文とか読み物レビウー
透明な螺旋  作:東野圭吾

安定のガリレオ先生シリーズでした
なんだかんだ、本当に安心して読めるシリーズというか、
東野圭吾の様々な小説があるけど、
このシリーズというか、ここに出てくるキャラクタが好きだなと
湯川先生と草薙刑事の関係を面白く読んだのでありました

結構複合的な謎というか、関係が解かれる話で、
トリックとかそういうのはさほどでないけども、
久しぶりに、なるほどなと思える奇縁と人間関係が描かれていて
こういう話が本当にうまいなと感心しきりでありました

人間関係の方の動機とは、また異なる部分のロジックが面白くて
そのあたりが、二重底になっているというか、
ああ、そういう話とリンクしていたのかと
読み終わってから、このシリーズだからこその面白さを味わえたのでありまして、
これ書いてるだけだったら、全然わけわからん感想になってしまうけど
湯川先生の人となりが、少しだけわかることができる
キャラ物の手本みたいな話で素敵だったと思うのでありました
とはいえ、事件に対して、湯川先生が入り込みすぎているというか
そこを草薙との人間関係で解決しておきつつ
それこそ、草薙のアリバイのためともいえるような
職務をちらつかせるというのもよかったんだが
その入れ込みの理由というのになるほどなと深くうなずいたのでありました

正直事件の方は、相変わらずというか、
なんとも悲しい、そしてしょーもないところを発端にしているのだけども
実際世の中、こういう、割とどうしようもないクズというのがいて、
そして、そこに絡む悲しいお話というのが
本当、うまいというか、悲しいなぁと思わされるこのある種のドライさが
魅力だなと、いやな話なんだが、
やるせなさが、活力を奪うほどではない、でも、悲しいというか、
なんでかなぁと、嘆きたくなる絶妙な塩梅が見事だと思うのでありました

すっきり楽しいではないが、
面白い話を楽しめたとメモっておくのであった