人質の朗読会 作:小川 洋子
なんとも凄惨な事件の描写から幕を開ける小説でありました
結果は最初に提示されて、なんというか、
もうそれだけで読む気が失われるかのような
悲しいそれなんだけども、その不思議な出だしから
9つの不思議な短編が語られるという
なんだろう、これは、新しい形の夢十夜か
そんな風に思わされたのでありました
根本のというか、人質事件については、
舞台装置でしかないという印象でありまして
いくつか、不思議な短編が、自分語りでつづられる
それこれが芥川賞的なそれだと
読みつつ思わされたのでありました
9つのうち、特に気に入ったのが2編ありまして、
ひとつは「B談話室」
公民館で様々なサークルの催しが行われていて、
その舞台となるB談話室で、出会う、経験する
不思議な集いの話が、なんといったらいいか、
この話面白いし、なんかわからんが感動してしまうなと
自分でも得体の知れない何かを得たようで
楽しかったのでありました
いや、別に面白いとか、笑えるとか、まったくそういう要素ないんだけど
なんだか、楽しく読めてしまったのであります
こういう雰囲気と、つっぱなした設定が好きなんだ
自分を発見したようでもある
設定が、円城塔のこれはペンですみたいなのがよいように思われました
もうひとつ、「槍投げの青年」
これもまた、何がどうしたということもなく、
こっちは吉田修一のパークライフのようで、
大変不思議な小説でありました
ただ、槍投げをする青年の描写が続くだけなんだが
この描写力というか、説明する一人語りが、凄く面白い、
ありあり風景が浮かぶようで、
たぶん実際に見たよりも、一層面白く感じたのでありました
槍が飛ぶ姿が見えた気がする、凄い文章だ
そんな風に感激したのでありました
話として、「死んだおばあさん」も面白かったんだけども、
ちょっと暗いというか、ほかの作品に比べて
オチがしっかりしすぎてると、これもまた
不思議な読後感でありましたが
なんだかんだ、楽しく読んだのでありましたとさ
いかにも小説を読んだと
満足なのでありました
なんとも凄惨な事件の描写から幕を開ける小説でありました
結果は最初に提示されて、なんというか、
もうそれだけで読む気が失われるかのような
悲しいそれなんだけども、その不思議な出だしから
9つの不思議な短編が語られるという
なんだろう、これは、新しい形の夢十夜か
そんな風に思わされたのでありました
根本のというか、人質事件については、
舞台装置でしかないという印象でありまして
いくつか、不思議な短編が、自分語りでつづられる
それこれが芥川賞的なそれだと
読みつつ思わされたのでありました
9つのうち、特に気に入ったのが2編ありまして、
ひとつは「B談話室」
公民館で様々なサークルの催しが行われていて、
その舞台となるB談話室で、出会う、経験する
不思議な集いの話が、なんといったらいいか、
この話面白いし、なんかわからんが感動してしまうなと
自分でも得体の知れない何かを得たようで
楽しかったのでありました
いや、別に面白いとか、笑えるとか、まったくそういう要素ないんだけど
なんだか、楽しく読めてしまったのであります
こういう雰囲気と、つっぱなした設定が好きなんだ
自分を発見したようでもある
設定が、円城塔のこれはペンですみたいなのがよいように思われました
もうひとつ、「槍投げの青年」
これもまた、何がどうしたということもなく、
こっちは吉田修一のパークライフのようで、
大変不思議な小説でありました
ただ、槍投げをする青年の描写が続くだけなんだが
この描写力というか、説明する一人語りが、凄く面白い、
ありあり風景が浮かぶようで、
たぶん実際に見たよりも、一層面白く感じたのでありました
槍が飛ぶ姿が見えた気がする、凄い文章だ
そんな風に感激したのでありました
話として、「死んだおばあさん」も面白かったんだけども、
ちょっと暗いというか、ほかの作品に比べて
オチがしっかりしすぎてると、これもまた
不思議な読後感でありましたが
なんだかんだ、楽しく読んだのでありましたとさ
いかにも小説を読んだと
満足なのでありました