CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】人質の朗読会

2015-10-31 19:18:55 | 読書感想文とか読み物レビウー
人質の朗読会  作:小川 洋子

なんとも凄惨な事件の描写から幕を開ける小説でありました
結果は最初に提示されて、なんというか、
もうそれだけで読む気が失われるかのような
悲しいそれなんだけども、その不思議な出だしから
9つの不思議な短編が語られるという
なんだろう、これは、新しい形の夢十夜か
そんな風に思わされたのでありました

根本のというか、人質事件については、
舞台装置でしかないという印象でありまして
いくつか、不思議な短編が、自分語りでつづられる
それこれが芥川賞的なそれだと
読みつつ思わされたのでありました

9つのうち、特に気に入ったのが2編ありまして、
ひとつは「B談話室」
公民館で様々なサークルの催しが行われていて、
その舞台となるB談話室で、出会う、経験する
不思議な集いの話が、なんといったらいいか、
この話面白いし、なんかわからんが感動してしまうなと
自分でも得体の知れない何かを得たようで
楽しかったのでありました
いや、別に面白いとか、笑えるとか、まったくそういう要素ないんだけど
なんだか、楽しく読めてしまったのであります
こういう雰囲気と、つっぱなした設定が好きなんだ
自分を発見したようでもある
設定が、円城塔のこれはペンですみたいなのがよいように思われました

もうひとつ、「槍投げの青年」
これもまた、何がどうしたということもなく、
こっちは吉田修一のパークライフのようで、
大変不思議な小説でありました
ただ、槍投げをする青年の描写が続くだけなんだが
この描写力というか、説明する一人語りが、凄く面白い、
ありあり風景が浮かぶようで、
たぶん実際に見たよりも、一層面白く感じたのでありました
槍が飛ぶ姿が見えた気がする、凄い文章だ
そんな風に感激したのでありました

話として、「死んだおばあさん」も面白かったんだけども、
ちょっと暗いというか、ほかの作品に比べて
オチがしっかりしすぎてると、これもまた
不思議な読後感でありましたが
なんだかんだ、楽しく読んだのでありましたとさ

いかにも小説を読んだと
満足なのでありました

観峯館 華麗なる清朝後期の書画

2015-10-29 21:15:07 | 陶磁器を探す旅と名物
滋賀県は能登川にあります書に関する美術館であります
知り合いにチケット貰ったと
まぁそういう他愛のない理由で見に行ったのですが、
滋賀県にこんなところあったのかと、
ちょっと驚いたのでありました

創設というか、記念されている
原田観峰氏というのが日本習字の創始者に連なるだとかなんとかで、
習字の立派な先生というところでありましょうか、
悪い癖でネットの評判なんぞ見ていますと、
かなりあしざまに叩かれたりしているあたり、
しっかりした実業家というか、習字というのを広めた人なんだろうなと
おぼろげながらに思ったりしたのであります

字が下手すぎる自分にとっては、
そもそも筆で書かれている文字というだけでありがたいので
まぁ、見ていてなるほどなぁなんて、
わかったようなふりしつつ、じっと眺めて、
趣味というか、とめはねっで学んだ隷書だけは
みっちりと見ていきたいと、その写しなんかを
ありがたく拝見したのでありました

結構な大きさの展示館でありまして、
先生が収集した中国の書画に加えて、
面白げな豆本やら、お手本なんかがありあり、
そうかと思えば、中国趣味の骨董品が様々においてあって
正直、こっちのほうが凄く興味あったりだったのであります

玉をちりばめた置物だとか、中国趣味、それも
清朝くらいのそれこれが、なんというか、
とても楽しく見られるので、これはこれで随分と楽しめるのでありました

あとは、なぜかわからないが、
西洋アンティークまで展示してあるブースがありまして、
中に、西洋アンティークといいつつ、T型フォードとか、
もう何がどうなってるか、わからない感じの
とりとめない美術館、いや、これは博物館といったほうがいいのか
そういう雰囲気で、なんだかんだ楽しめたのでありましたとさ

隷書については、玄宗皇帝の筆を写したものがありまして
それが大変ありがたいと、じっと見てきたのでありましたとさ
見ていて上手いと思うけど、自分では絶対書けないのが不思議でなりませんね

【読書】憚りながら

2015-10-28 20:17:45 | 読書感想文とか読み物レビウー
憚りながら  著:後藤 忠政

元ヤクザの親分さんが出家して書いた本でありました
いや、実際は出家してない、得度しただけでしたけども
昭和の任侠、ヤクザ、活動家といったことが
ありあり描かれていて、先日読んだ
ハマコーのそれと並んだような内容で
大変面白かったのであります

任侠というか、ヤクザの世界には
とんと詳しくないので、この人がどんな凄い人かが
もう一つわからないまま読んだのでありますけども、
どうにも、字面を見ているだけでも相当にやばいというか、
やっていたヤクザだったようでして、
まぁ、あえてヤクザと呼びたくなるようなというか
私が小学生くらいの頃に知っていた、
そういう感じのやくざ者でありました

生まれ育ちの生い立ちを語りつつ、
出世し、成り上がっていく様、
いくつかの活動の内容、そこでであった人たちとの悶着、
そして、現世批判と、話は面白く展開していて、
現代を切っているあたりは、非常に、
歯切れがよいというか、いかにもな切り口で、
読み応えがありました

それと同時にといっていいのか、
あんまりよく知らなかった、右翼活動家という生き方、
総会屋だとか、事件屋だとかいう生業など、
昭和に蠢いていたそれこれが、
非常に生々しくといっていいか、生き生きと描写されていて
なるほどなぁ、時代だなぁと感じさせてもらったのであります

ちょうど、山口組という組織が大きくなっていく時代に、
後藤組という一本で立ち上げた組織の長として、
切ったはったしていたというのは、
ヤクザ映画のようで、読んでいて面白かったのでありました

結構露骨にというか、さすがこのレベルの人だと
思われるような、結構な人物や団体との抗争が出てきて、
このあたりも非常に興味深いというか面白くて
最終的には、昔の人は気骨があったという、
よくある言葉になってしまうわけなんだけども、
この人に、この語り口でいわれたらなぁと
思わなくもない迫力があったように感じたのであります

保守というそれについて、
さまざま考えさせられたのでありましたとさ

新・映像の世紀 第1集 百年の悲劇はここから始まった

2015-10-27 20:53:22 | ドラマ映画テレビ感想
ここのところ、NHKが立て続けに
いいテレビやってるので、なんというか
満足な毎日というか、毎週なんだけども
レビウが貯まって仕方ないと、
まぁどうでもよいお話なのだけども
メモっておくのであります

これの前に、アジア巨大遺跡もよかったなぁと
ちょっと書いておきたいと思わなくもなかったり、
世間的には評判が芳しくなかった「まれ」も
けっこういいところがあったと、そんな話もやっておきたいけども
今回は、一番旬のこれであります
以前の映像の世紀を知らないので、
今回のと比べることができないのですが、
そういう観点からではなく、単純に
歴史を映像で見られたという喜びで、
そこここ書いておくのであります

今回は第一次世界大戦にクローズアップして、
そこに根ざした、世界の混迷を描いていて
この解説というか、ストーリーがなかなかステキでありました
平たくいうと、イギリスが全部悪いという話で、
いかにあしざまであったか、いや、
それが列強という生き方だったんだなと
改めて思い知らされたのでありました
こういうのを見ていると、結局のところ
どこの国と仲良くやろうとかなんて、夢というか、
その時だけの話だよなと
痛切に感じ入ったのであります

それと同時にというか、発展していく科学にも
なかなか目を見張るものがありまして、
まぁ、戦争を主軸にしているから仕方ないとはいえ、
兵器の開発、発展、展開それこれが
ダイナミックというか、凄いなと感心しきりでありました
SF作家が言い当てていたというのは
凄いとも思うけど、SFというのはそういうものだよなと
わかった風に、星新一読んだ身分で書いておくのであります

なによりもといっていいのか、
やっぱりこの時代を描いていくと、
共産主義というのの台頭というか、主張展開が
非常に勉強になるというか、楽しい
ソビエトのなりたちと、レーニンという化け物が
面白くて仕方なかったのであります
あれはあれで、ドイツが作った化け物という点が
なかなかどうして、戦争の根は深いと思わされてしまう

ダウントンアビーの頃ともリンクしていて、
なんというか、楽しくて仕方ないと
非常に楽しんだので、書いておくのでありました

【読書】はじめての課長の教科書

2015-10-26 20:16:00 | 読書感想文とか読み物レビウー
はじめての課長の教科書  著:酒井穣

タイトルからして嫌だなと思いつつ読みました
なんで読んだんだと、自分でも思ったりしますが、
もしかすると、会計的な内容があるかも
なんて期待したのでありますが、
残念ながらというか、題名のとおりというか、
課長というポジションについて、あれこれ、
必要と思われることを、わかりやすく解説した本でありました

本の感想よりも、自分の精神状態をレビウしたい気分でありますが、
まぁともかく、まっとうな会社員がやるべきこと、
特にこの年齢において、すべき何かがてんこ盛りで、
一つもやってねぇな、だから、今でもこうなんだよとか
反省しきりというか、後悔いっぱいという具合で
こんなにひどい読書は、なかなかないと思うところ
会社員向いてないんじゃないかしら
そんな風にも思ったりなんだったりであります

閑話

さて、内容は至極まっとうなところで、
特別に目新しいことだとか、何かれということもなく、
チームを率いることや、他部署との調整を行い、
企業において、もっとも活動的で重要なポジションであると
まぁそういう説明から始まりまして、
現在世の中では、大半のサラリーマンが目指すべき
最終ポジションではないかと、
そこまで書いてあったわけであります
いわんとするところはわかります
この本の発刊が結構古いのにも関わらず、
今もってそうであるというか、むしろ進んでいるなと
感じたりするところ

そういった人員に必要なそれこれ、
そして、部下の扱い方について、レクチュアが続くわけで
この部下の、せめてどれかに入らないとなぁと
思ったり思わなかったりしながら
とりあえず、休日に読むべき本ではなかったと
反省しつつ読み終えたのでありました
よい本でしたが、いかんせん俺に向いてない

花燃ゆ  萩の乱に誓う

2015-10-25 20:46:18 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」
視聴完了であります
何が悲しいって、玉木の叔父上がお腹召されたことでありました
まぁ、そうであろうと思いはするものの
なんというか、やるせないのであります
しかし、こういう人たちが時代においていかれたと
まぁ、そういう情景で語られるというのは
大変好きなので、いいシーンだと感心しきりでありました
時代が変わるときに、年寄りが身を引くというか、
どうにか、始末をつけるというのに
なにかわからない憧れがあるようであります

さておいて、話は、女工さんの扱いと情景描写
そして、萩の乱という具合でありまして
まぁ、萩の乱はこんなもんだろうなと
そういう扱いなのはわかっていたのでよいのですけども
不満の内容がなんだったのか、
紀行で言われていた、前原の政府での働きは
どんなだったのかが語られてほしかったと
思ったりするんだけども、なかなかどうしてであります

巻き添えのようにして、若者があたら死んでいくというのが
この時代だよなぁとも思いつつ、
しかし、まぁ、いつの時代でも、なんかわからんが
熱狂した若者は死ぬなと
さめた感じで見てしまったところもあったり
どうにも、物悲しいのでありました

これで大方のといっていいのか、
長州のことはほとんど片が着いたと思うのでありますけども
知らないうちに、木戸が死にという感じになるのか
わかりませんけども、女工さんたちの働きによって
日本の生糸が爆発的に売れるようになり、
かつ、日露戦争のときの貴重な、本当に貴重な金銀のつるに、
資本となるあたりを、こくこく
書いてほしいと願うばかりでありましたとさ

五度目の台湾旅行 10 寧夏夜市と延三夜市

2015-10-24 18:42:17 | 五度目の台湾旅行(2015)
士林夜市で、パイナップルケーキなどお土産を買ったので
一時ホテルに帰還して荷物整理、これからどうしよう
なんて考えつつも、せっかくだから
何軒夜市まわれるか、がんばってみようかしらなんて
唐突に思い立って決行したのでありました


とんでもない雨に見舞われた西門町


謎のオブジェを横目に移動を開始いたします


そんなわけで、西門町から確か中山までMRTで移動して、
そっから歩いたと思いますが、旨いものが多いと評判の
寧夏夜市であります


以前にも一度歩いたことがあるのですが、
今回は、旨いものを探しにと思ってあれこれ見てまわる
しかし、折からの豪雨でテンションがすげぇダウン
がんばれ俺、なんか食べて元気出せ俺


大好きな麺線やら、臭豆腐やらと
台湾のローカルフーズが山盛り売られていましたが
正直、以前に食べてるからなぁ、同じもの何回も食うのもなぁ
さらには、さすが食の夜市というべきか
凄い混雑すぎて食べられない、しかも雨が酷い
いや、雨が酷すぎる
あまりのことに辟易して、結局食べないまま
とりあえず通り過ぎたという感じで寧夏夜市をあとにする
実際には、次の夜市で食べようと意を決したのであります
こんな観光客がいっぱいのところにいてられるか、
そんな玄人ぶった台詞を一人ごちる

またMRTにのって大橋頭まで移動して、
さらにもう一つ、地元密着型の食の夜市があるというわけで
いってきましたのが、延三夜市
3時間ほど前に通った、迪化街の北側に位置する夜市であります


いい加減に何度も台湾来てるんだから、
ぱぱっと目に付いたお店に入って、ささっと食べるとか
そういうことを達成しようと意気込んだわけであります


さすが地元密着型といったらいいのか、
食べ物街が通りをはさんで南北に伸びているのでありまして
そこの両サイドのお店から延伸した屋台やら、
お店と関係のない屋台やらが道路の際まで占拠してまして
真ん中の道は、ばんばん車が通るけども
みんなおかまいなしで飯食ったりしているのでありました
そうだよ、こういうローカル感だよ


そんなことを喜んでいると、つと、そういえば
ずっと食べたかったのに食べられなかったものが目の前に
肉粽(ローツォウ/バージャン)があるじゃないか、
いわゆる台湾ちまきというやつであります、
これは旨いに決まっている、ほどよくお腹に入って
しかも安いだろうと、このいかにもな屋台の横のテーブルに着席
おっちゃんに「ローヅォウ イーガー」などと言ってみると
まったく理解していないというか、話聞いてない感じで、
はいはいわかったわかったみたいに、さらっと一個持ってきてくれました
多分、私の発音では伝わってなかった


そんなわけで、夜市3軒目にしてようやく食べたのがこれ、
肉粽(55元)であります
器に載せてもらって、なんか甘いような酸っぱいような
不思議なタレをかけて食べるタイプでありました

肉粽は南部と北部で、内容が異なるそうで、これがどっちなのか
私にはさっぱりわかりませんでしたが、
日本で食べるそれこれとは、少し味付けが異なるというか
このタレが独特で、あっさりさっぱり食べられた、すげぇと
ちょっと感激してしまったのであります
何よりも大きい、これで200円とか、夜市で腹いっぱいは
すぐにやってきてしまうと手加減しつつも慄いたのであります

ようやっとお腹になんか入れて、ちょっと元気も戻ってきたと
その勢いのまま、さらに台湾の夜へと消えていくのであります
そうだ、これこそが不夜城、台湾の夜市だ

次記事 11 雙城街夜市と遼寧街夜市

前記事 9 冰讃と士林観光夜市

【読書】若冲

2015-10-23 20:28:43 | 読書感想文とか読み物レビウー
若冲  作:澤田 瞳子

伊藤若冲を扱った、京都画壇の話かと思えば、
若冲作品の真贋を含めて、面白い解釈で描いた
一代記というか、伝記めいたそれでありました
全体的に重苦しくて、暗い話でありましたが
それでも面白かった

代表作といってもいい、鳥獣花木図屏風が、
本当に若冲の作かどうかというのが、
どうやら今でも論争になっていると
この本から知ったのでありますけども、
それを下敷きにして、当時こんなことがあったと
フィクションで答えを出しているというのが
かっこいいと思われるそれでした
ミステリとも違うし、一話立てで面白いのだけども、
なんというジャンルといえばいいのか
わからんが、とかく、面白く読めたのであります

人間の生き方にクローズアップした、
重いテーマで進むので、
なんというかすかっとした読後感とか、
なにか楽しかったという感じは
ほとんど感じられないのだけども、
有名な市場開設のため奔走したくだりだとか、
優れた経済官僚といってもいいような幕臣との
背筋に寒気が走るようなやりとりなど、
あくことがないというか、
話に起伏があって大変よかったのでありました

あんまりちゃんと見たことなかったけど、
若冲の作品を一度、じっくり見たいなと
そういう気持ちを抱けただけでも
十分でなかろうかと思いつつ
暗く重い小説なのに、楽しく読みきったのでありました

ロンリのちから

2015-10-22 21:06:17 | ドラマ映画テレビ感想
NHK教育で、遅めの時間にやっていた
10分番組であります
凄い面白かったんだけども、
知り合いが誰も見てない
とても悲しいと思ったりしつつ
よくできた、論理について教えてくれる
教育番組でありました

役者が、たぶん本当に高校生だったんだろうと
そんな感じなのもまたまた、好感というか、
あの演劇部的な舞台感が
凄く好ましいというか、わざとらしい芝居とかも含めて
なんだか楽しく見られてしまって、
どうにも、すっかりはまっていたのであります
演技がどうしたとか、そういうのはわからんが、
舞台劇といっていいのか、あれだけ演じている感が
ひしひし出ていても問題ないというのが
逆に新鮮で楽しいなんて
思ったりしたのであります

一人教師だけが大人だったのでありますけども、
この教師役の人が、なんかどっかで見たことあるような、
それにしても、やたらエロい眼鏡だななんて、
もやもやしていたのですけども、
調べてみたら、トリビアで、うそつきとか言ってた女とのことで
懐かしいやら、まったくブレがないやら
なかなか驚愕したのであります
コケティッシュというのはこれを言うんだろう
非常に楽しく見られたのであります

内容は、初歩的な論理の解説に始まり、
議論について、根底で考えておくべきこと
信じるべきこと、間違えてはいけないことなどなどが
大変わかりやすく論じられて、
これに従い、舞台が出来上がっていくというのが
結構面白くて、10分間をあっという間に過ごせたのでありました

最終的にどんな劇になったのか、
それを見たかったような、そこはどっちでもいいような
映画部のほうも、演劇部のほうも
どちらも楽しそうで何よりだなと
青春ものとして見ても、なんだか
面白かったように思うのでありましたとさ

なんといったらいいのか、
悪びれることもなく、圧倒的に演劇的で、
しれっとやりきっちゃうというのが
私の好みにぴたっとあったと
まぁ、そういうお話でありました
いい番組だった

【読書】武士道シックスティーン

2015-10-20 20:36:49 | 読書感想文とか読み物レビウー
武士道シックスティーン  作:誉田 哲也

流行作家なのに、ずっと読んでなかったと
氏の作品を初めて読みました
くしくもというか、個人的に好きな
青春ものだろうと踏んでのそれでしたが、
見事に青春を切り取った小説でありました
楽しかった、いいものを見たような気がする

話は剣道をやる、二人の女の子の青春を描いたそれで、
友情だとか、悩みだとか、あれやこれやと
すったもんだして、乗り越えてというのが
ありあり描かれていて楽しい、
さらに部活動を中心にした学生生活というのが
これまた読んでいて、凄く楽しい
そんな按配で、おおはまりしたのでありました

読んでいて、ふと気づいてしまったというか、
書かれている世界が、なんとなし、
男目線ではなかろうか、本当の女の学生生活は
こんな感じではないのじゃないか
そんなことを思ってしまったんだが、
それはそれ、架空というかファンタジーというか、
ともかく楽しんだもの勝ちという具合で
読み漁ったのであります

キャラクタ付けもなかなかよろしくて、
正直、目も当てられないほど痛々しいと
思わなくもない感じから始まりつつも、
なんだかんだと、地に足が着いたではないけども、
親近感みたいなのがわいてきて、
ああ、やっぱりそういうリアクションするんだとか、
なんとなし、キャラクタへの感情移入もスムーズで、
次々起きる事態に振り回されて
あっという間に読み終えることができた
非常によろしい小説でありました

青春の追体験なんて、偉そうなことを言うものではないけども、
この世界観というか、一年間は
とても楽しそうだし、よかったんだろうなと
物語をよい気持ちで読み通せたというのは
久しくなかったと、オチも悲しいことなく
大変すばらしいと、よろしく読んだのでありましたとさ

凄く面白かった、よかった

【読書】猟師の肉は腐らない

2015-10-19 20:54:14 | 読書感想文とか読み物レビウー
猟師の肉は腐らない  作:小泉 武夫

憧れの田舎暮らしというのとも違うんだが、
何かしら、ちょっと羨望にすぎるというか、
神格化しすぎじゃないかと思うほどの
山における生活を楽しんでいる姿
それをただただ、憧れにまかせて書いたかのような
アグレッシブな小説でありました
本当にこの通りに生きられたら、
それはそれで楽しいんだろうけども、なんか違うだろう
そんな風に思ってしまった

山暮らしというか、自給自足にできるだけ近づいた
そういう人里は慣れたところでの生き様を
あれこれと紹介しているともいえる内容でありました
多分に、自然礼賛が見られるので、
正直、好みじゃないというか
ここまでいくと、ちょっと、度が過ぎるだろうと
心配になるようなことばかりでしたが
なかなか楽しそうでなによりとのお話でありました
ただ、読みにくいというか、
ずっと会話劇が続いていて、全然話が途切れないので
読むのに疲れるのであります

飯の描写なんかが、なかなか凝った内容なのでありますが、
それはもう野性味という名前の、おいしくないといった
それじゃないのかしらと思わなくもないような、
まさにそのままといった食材が
山盛りでてくるので、興味はそそられるものの、
特殊な部類ではないかと思わされることもしばしば
虫食いについては否定しないんだけども、
甘いというのはいいすぎじゃないか、
ハチの子を炒ったものは、確かにうまいけども、
そんな凄いそれかと個人的には謎でありました

山暮らしを夏と冬それぞれで描いていたわけですが
このごろ流行りつつある山暮らしの
楽しいところをやや誇張して書いた
そんな小説のように読めました
ただ、ヤマカガシに噛まれて毒を吸うだけとか
それは即死コースじゃないかとか、
蜂に刺されて小便とかいつの時代の理屈だとか
思わなくもないところも散見されて
山の知恵をのべつまくなし紹介しているところが
やや困った内容でないかと思ってしまった

花燃ゆ  世界に賭ける糸

2015-10-18 20:47:38 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」
視聴完了であります
群馬から商社をアメリカに
そんな按配でありましょうやという内容で
まずまず楽しく見たのであります
最近、すっかり朝ドラづいてしまったので、
話の展開がそれっぽいよなと
大変理解しやすいというか、わかりやすく
物語が転がっていくのを楽しんでいる次第であります

随分わかりやすいというか、まぁ、
女房殿の力がどれほど強いかとそれを
知らしめるに十分な一回だったと
そんなところでありましたけども、
わかりやすい、地元の地主と
外からやってきた県令との軋轢というのが
大変楽しく見られそうだと
今日の鞘当からまずまずだったように思うのであります
もうちょっと、ばしっとやってほしいようにも
思ったりするんだけども、そういう枠じゃなくなったんだよな
いっそ、21時からとかに変更して
男臭くしてくれればいいのになんて
せん無いことをかいてしまう

とりあえずは、明治政府の殖産興業筆頭として、
是が非でも生糸生産をやってもらおうと
まぁそういうあたりでありましたが、
そこをもっと描いてほしいというか、
海外渡航あれこれをやりとりするのも楽しいけども
それこそ、生糸がどれくらい価値があるかとか
そのあたりをやってくれないだろうかと
あの当時の貿易について教えてほしいと
大河ドラマに期待してしまうのでありましたとさ

【読書】ブラスデイズ

2015-10-17 19:52:00 | 読書感想文とか読み物レビウー
ブラスデイズ  作:中山 智幸

吹奏楽部を扱った青春小説でありました
個人的に好きなジャンルであります、青春モノいいですな
そう思いつつ、若人たちの活躍を
あれこれと読み解いていくような感じで
なかなか楽しく読み終えたのであります
若干わかりづらくて、何度か読み直してしまったんだが
ともかく、青春が書かれておりました

吹奏楽部を扱っているのでありますけども、
主役がパーカッションで、なんといったらいいかな、
確かに音楽を、それも合奏を扱っているのは間違いないし
合奏に対する表現なんかは、いかにも小説の音楽という
ステキさがにじみ出て伝わるので
大変好きな感じだったのでありますが、
個人の音楽に対する何かが伝わってこなかったというか
描写があんまりなかったのが
ちょっと残念だなと思ってしまったのであります
特に、花形といっていいのか、やっぱり
吹奏楽なんだから、ラッパ系やら笛系やらで
読みたかったようにも思ってしまう

エッセンスというか、なかなか斬新な試みとしてというか、
群像劇であることも理解を複雑にさせている要因でありながら、
さらに、SF要素まであるという
なかなか大変凝ったつくりでありまして、
時系列もかなり前後するし、すったもんだとSFが
いったりきたりするしと、
酔っ払って読んでいたら、意味不明になってしまう
複雑な小説でありました
これはなんというかな、趣味がわかれるところでありましょう

オチについては、なかなか、そこらへんでという
いい落しどころじゃないかしらとも思いつつ、
こういうのがいかにも青春だよなと、
最期の高揚感と、現実との温度差めいたものは
嫌いになれない、むしろ大好きと
ステキに読み終えて堪能したのでありました

台詞回しも独特で、最近の若い子はこういうしゃべり方が多いのだろうかと
これを理解するのにも苦しんだと、ともかく、
がんばって読んだという感じになってしまいましたが
大変楽しく終えたのでよいのでありました

五度目の台湾旅行 9 冰讃と士林観光夜市

2015-10-16 20:26:44 | 五度目の台湾旅行(2015)
さて、イベントをこなす旅は続きます
ぶらり歩いてからまたMRTで移動
冰讃でのカキ氷タイムであります




すっかり日本人向け有名店で、
店主もさることながら、メニューが日本語表記で
安心すっきりといったところでありました
今回もフレッシュマンゴーを頂きつつ
スイカと半々で、氷の中に黒蜜が入っているという
まぁ濃厚に甘いやつを頂いてきたのでありました
これで100元なんだから安すぎる
いいお店であります

甘いもので体力回復してから、いよいよ、
本命というか、ここから長旅、各地の夜市を巡る旅であります
まずは、最も有名な士林夜市へ


まだ明るい時間ながらも、すでに観光客がそこかしこに居ました


ちょうど夕方くらいに到着していたので、
だんだんと屋台が作られていくのも見られて
なかなか楽しい時間だったのであります
どこからともなく、お店の人がやってきて、
気づいたらできてるのな、凄い


わんこもうろうろする中を歩いて進むと
目覚めつつある夜市の姿が見えて面白い



まだ準備中ながらも、30分くらいしたらごったがえしになってました
一見廃墟のようでもありますが、その後、お店に変貌すると
まぁ、なんというか、いかにも夜市という印象に変わります



各夜市のそばにはお寺さんがあると聞いてましたが、
ここ士林にもありました、相当に立派なお寺でしたが、
もう観光化が凄すぎるというか、お寺の敷地も
ほとんどが屋台に奪われているかのようで、
なんというかカオスであります
串物のお店が多くて、写真で載せられませんが、
いわゆる「男性自身」をかたどった飴ちゃんだとか、
アジアっぽくて面白いそれこれがてんこ盛りで
見ているだけで楽しいのであります

今回、士林ではお土産買いだけにとどめて、いそいそと移動しました
まさかの、士林夜市で何も食べないとか
ちょっとどうかしていたと、いまさらながらに反省です
が、あんまりにも歩きつかれて一時ホテル帰還することにしたのでありました

次記事 10 寧夏夜市と延三夜市

前記事 8 迪化街を行く

【読書】テトラポッドに花束を

2015-10-15 20:50:02 | 読書感想文とか読み物レビウー
テトラポッドに花束を  著:和佐 大輔

新進気鋭の実業家といっていいのか、
なかなか異色と思われる人生を歩んだ
若い経営者の人生訓とアドバイスに満ちた本でした

子供の頃といっていいのか、
高校生はすでに大人の入り口だと考えるべきか
少なくとも、自分が同じ年齢のときに、
この人ほど、真剣に毎日や、未来について
考えたことはなかったなと反省しきりでありますところ、
著者は、海で遊んでいたとき、
瑣末なことで半身どころか、首から下が動かなくなる
重度の障害をおってしまい、
そこからどう生きていくのか、真剣に過ごしてきた
その日々から解説が始まります

その後、試行錯誤を繰り返し、
いや、この試行錯誤を繰り返すあたりが凄いなと思うのだが
この人の得意分野といっていいのか、
新しい仕事というか、とりあえず明日、明後日を食べていくための働き方、
いや、稼ぎ方というのについて真剣に検討を重ねて、
ついにインターネットに出会い、
さらには、物の価値の作り方を紡ぎだして
気づいたら、凄い実業家になっていたと
まぁ、そういうお話でありました
何がすごいって、この生きようという強い意思と力でないか、
ここまで、自分でなんとかしないとと考えて
実行できるのが凄いなと感じたのでありました

あとは、実行するため、そもそも
実行しない人が多いということや、
気づくこと、相手を観察することについて
あれこれと書かれていまして、
この人はこうでなかったら、営業マンになって
それなりの地位を築いていたんじゃないかしらと
思うようなメンタリティに驚いたのでありましたとさ

人生哲学については、それぞれの考え方もあろうと
あまり、それにどうこうと感じることはなかったものの
ただ、その生き様が凄いなと
それだけで、読む楽しみがあったと思うのであります